優雅な香りのローズティーがもたらす効能とは?ドライローズの使い方など

クレオパトラが愛してやまなかったといわれる『バラ』。

その優雅で甘美な香りから、「香りの女王」と称され、女性の健康や美容に高い効果があることでも知られ、古くから愛されてきました。

バラを乾燥させたローズフラワーは、ジャムやローズウォーター、バスソルトなどさまざまな使い方で親しまれ、特に、エレガントなフレーバーが口いっぱいに広がるローズティー(薔薇茶)は、心地よいリラクゼーション効果をもたらしてくれることで人気です。

ここでは、ローズティーの効果・効能ドライローズの作り方おすすめの使い方などをご紹介します。

ローズティー(薔薇茶)とは?

ローズティー(薔薇茶)とは、乾燥させたバラを用いたハーブティーのことで、バラ特有の華やかな香りが特徴です。
ローズヒップティーというハーブティーもありますが、別物です。

バラを語る上で欠かせない歴史的人物といえば、絶世の美女クレオパトラ。
クレオパトラは、バラをこよなく愛したといわれ、美貌を保つためにバラ風呂で湯あみをし、寝室には膝の高さまでバラの花びらを敷き詰めていたという伝説が残っているほどです。
その高い美容効果をもつバラは、ハーブティーとしてだけでなく、古くから化粧品や香水の成分として使われてきました。


ローズティーの味

蕾だけを使用したローズティーは、花びらより濃厚で繊細な香りが特徴、芳醇な甘みと深い花の香りが感じられます。


ローズティー(薔薇茶)に使用されるバラの品種

バラの品種は2万種あるといわれ、観賞用から食用として使われるものまで様々です。
その中でもローズティーに使用されるローズフラワーは、「エディブルローズ」と呼ばれ、主に『オールドローズ』と呼ばれるものが使われています。オールドローズとは、1867年より前に存在するバラの品種の総称で、中でも優れた香りで称されているのが「ロサ・ダマスケナ」と呼ばれる品種です。同じオールドローズに属する「ロサ・ガリカ」と「ロサ・モスカタ」を交配した品種で、淡いピンクの花びらを持ちます。
古い時代の西アジアで栽培が始まったとされ、英名でも「ダマスクローズ」と呼ばれるように、歴史的古都であるシリアの首都ダマスクス(ダマスカス)にちなんだ名前がついています。現在は、トルコやイランなど中東諸国をはじめ、ブルガリア、フランス、インド、モロッコ、チュニジアなどで栽培されています。

バラは、花びらの色によって香りや風味に特徴があります。
赤い花びらを持つローズは『ローズレッド』と呼ばれ、芳醇な香りにスッキリとしたシャープな味わいです。
ピンクの花びらを持つローズは『ローズピンク』と呼ばれ、優しい香りと甘く上品な風味が特徴です。


ローズティー(薔薇茶)の効果・効能

ローズの主な芳香成分は「シトロネロール」「ゲラニオール」「ネラール」「フェネチルアルコール」などです。
また、美肌に欠かせないビタミンCやビタミンAが豊富に含まれています。
ローズティーは、リラックス効果や女性特有の不調に対する効果が優れているとされています。


ストレスの緩和・リラックス効果

ローズの香りには、リラックス効果や幸福感をもたらす効果があるとされています。また、ストレスを緩和させるとともに、ストレスによる皮膚のバリア機能の低下を防ぎ、肌を良い状態に保つ効果があります。

参考:「ストレスによる肌のバリア機能の破壊に対するローズ精油の吸入効果」公益社団法⼈⽇本アロマ環境協会

生理不順や更年期症状の緩和

ローズの成分は、エストロゲン(女性らしいからだ作りを助けるホルモン)の分泌を促進するはたらきがあり、生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)や更年期障害など、女性特有の体調不良を和らげる効果があります。

参考:「ローズの薬理作用」帝京大学医真菌研究センター

エイジングケア・美肌効果

ローズにはビタミンCとビタミンAが豊富に含まれています。
ビタミンCは、メラニンが肌に沈着するのを抑え、美白効果が期待でき、ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にするはたらきがあります。炎症を鎮めてくれる効果もあり、肌を引き締め、ハリ・ツヤをキープさせるなど、美肌効果が期待できます。
また、ローズポリフェノールと呼ばれる抗酸化作用を持つ成分も含まれているので、老化の原因となる活性酸素を除去し、肌に潤いを与えシワ・しみを予防するなど、エイジングケア効果が期待できます。

参考:「局所用ビタミンC誘導体とその有効性のレビュー」National Library of Ⅿedicine

風邪予防

ローズに含まれるビタミンCとビタミンAには、免疫機能を高め、粘膜を丈夫にして細菌の侵入を防止してくれるはたらきがあります。これにより、風邪を予防する効果が期待できます。

参考:「大量のアスコルビン酸投与による風邪とインフルエンザの治療」学術情報データベース

疲労回復

ローズに含まれるビタミンCには、疲労を軽減するはたらきがあるカルニチンを体内で作るはたらきがあり、それにより、疲労回復効果が期待できます。

参考:「疲労回復へのビタミンCの効用の関する研究」KAKEN

ローズティーの美味しい淹れ方

〈手順〉
1.ティーポットにドライローズ2~4輪入れ、お湯を150ml注ぐ
2.蓋をして、約5分間蒸らす
3.カップに注ぐ

5分程蒸らすことで、ローズの甘く深い香りと美しいピンク色を引き立たせることができます。ただし、蒸らし過ぎはえぐみが出てしまうため注意が必要です。

リラックスしたいとき、ちょっと贅沢な気分、優雅な気分になりたいときの一杯に♪


アイスローズティー

ホットで淹れる場合より少し多めのドライローズを使用します。
柔らかくなるまで蒸らした後、氷を入れて冷やします。
優雅な香りを楽しみながら清涼感のある一杯がいただけますよ。


ローズティーの飲み方

ローズティーは、はちみつやレモン、または紅茶とブレンドして味をアレンジしても美味しくいただけます。
また、オレンジやイチゴ、キウイなどフルーツをカットして加えたフルーツローズティーもおすすめです。

【ホットフルーツローズティー】
・温めたローズティーに、食べやすい大きさにカットしたオレンジとキウイを加え、10分ほど置いたら出来上がり。

【アイスフルーツローズティー】
・よく冷やしたローズティーに、食べやすい大きさにカットしたイチゴとミントを加え、10分ほど置いたら出来上がり。


ドライローズの作り方

〈手順〉
1.バラの花びらは一枚ずつ、つぼみは一輪ずつ丁寧に取ってトレイに並べる
2.風に飛ばされないように網などで蓋をし、天気の良い日に天日に2時間ぐらい干す(長時間日光に当て過ぎると水分が急激に蒸発して花弁が小さくなってしまうので注意)
3.ハーフドライになったら、風通しの良い日陰に移す
4.湿気・夜露を避けるため15時頃には室内に入れる
5.乾燥具合をみながら②〜④を繰り返ししっかり乾燥させる
6.湿り気がある場合は、お皿にのせ600wのレンジで30秒加熱する(分単位で温めると花が焦げるので様子を見ながら小刻みに加熱してください)
7.カサカサに乾燥したら、細かいゴミや埃を取り除き、乾燥剤と一緒に密封容器で保管する

バラの種類や季節、環境によって乾燥の進み具合が変わるので、花を観察しながら乾燥させてください。


ドライローズの楽しみ方

ローズティーに使われるドライローズは、ハーブティーとして以外にも、ジャムやバスソルトにするなどいろいろな楽しみ方ができます。


ジャム

〈手順〉
1.鍋にドライローズ1カップを入れ、レモン汁1/2を加える
2.①に水を2カップ、砂糖1カップ、または、はちみつ1/2カップを入れて火にかけ、ゆっくりとかき混ぜながら煮詰める
3.煮つまってきたら、火を止め冷ます
4.保存瓶などに入れ、しっかりと蓋をして、冷蔵庫で保管する

砂糖またはハチミツの分量はお好みで調整してください。
ローズの香りを楽しめる贅沢なジャムです。パンに塗る以外にも使い方はたくさん!

【おすすめの使い方】
①お湯割り
お好みの量のジャムをカップに入れ、お湯を注ぐだけ。
バラの香りをダイレクトに感じることができます。紅茶の砂糖の代わりに入れるのもおすすめですが、お湯割りの方がバラの香りを強く感じることができます。

②ローズスカッシュ
お好みの量のジャムを入れてから、少量の炭酸水を入れます。ジャムを軽くかき混ぜてから残りを注ぎます。レモンの炭酸水にすると、レモンの爽やかさがジャムの甘さを軽減し、すっきりと飲みやすくなりおすすめです。

③ヨーグルトに添える
ブルガリアヨーグルトなど酸味が強いヨーグルトに添えると甘みを加えられます。見た目もおしゃれになるので来客用にもおすすめです。


バスソルト

〈材料〉
・ドライローズ 5g~10g
・天然塩 100g

〈作り方〉
1.瓶などの密閉容器に天然塩を入れる
2.ドライローズを①の容器に入れる
3.天然塩とドライローズをよく混ぜる

1回分は30g~40gが目安です。
バスタブのお湯の中に入れ、バスソルトが完全に溶けるまでよくかき混ぜてから入浴します。
リラックスをしながら、ミネラルをより浸透させるためには38度程度で20分ほど入浴をするのががおすすめです。体調に合わせて温度設定をしてください。
お好みで精油を加えてもよいです。
体も心も暖かくなるリラックスタイムを♪

※1週間を目安に使い切りましょう。
※密閉容器に水分が入らないように注意してください。


ローズウォーター

〈用意するもの〉
・ドライローズ 1カップ
・蒸留水 2カップ
・計量カップ
・ガーゼ
・大きめの鍋
・耐熱ボウル

1.鍋に蒸留水を入れ沸かす
2.ドライローズを耐熱ボウルに入れ、.沸かした蒸留水を花びらの上からかけるように静かに入れる
3.ホコリなどが入らないように、お皿や布でカバーをし、30分ほどそのまま置く
4.他のボウルにガーゼをかぶせ、花びらの入ったお湯をガーゼの上から流し入れ濾す
5.蓋つきの保存瓶などに移し入れる

コットンに浸し、ローションパックをしたり、普段使っているボディクリームやハンドクリーム、フェイスクリームにローズウォーターを数滴混ぜるだけで、保湿効果を高めることができます。
また、シャンプーの後にヘアケアとして使うことで、髪の毛を保湿し、なめらかに整えてくれる効果が期待できます。

クッキーやケーキ生地に混ぜたり、ドレッシングやスープに加えるなど、さまざまな料理や飲み物に活用することもできます。
※香りが強いので、他の食材の味を邪魔しないよう、少量から加えて調整しましょう。
※保存期間は、冷蔵庫で1週間程ですが、なるべく早く使いきるようにしましょう。


ドライローズを使ったおすすめレシピ

ドライローズを使って作ったジャムやシロップ、ウォーターを使ってお菓子やおもてなし料理ができます。ローズの優雅な香りがお料理を華やかにしてくれますよ♪


ローズシロップ

・ドライローズ 50g
・レモン汁 小さじ1~2杯
・砂糖 300g
・水 500ml

1.砂糖と水を鍋に入れて火にかけ、沸騰して砂糖が溶けたら火からおろし、ドライローズとレモン汁を加える
2.室温まで冷めたら保存容器に入れ、冷蔵庫で1〜2日置いてから漉す

炭酸や白湯、ミルク、紅茶などドリンクに加えたり、アイスクリームにかけるなど、加えるだけで華やかな香りが楽しめます。


ローズゼリー

・ローズシロップ 80ml~100ml
・紅茶 100ml
・粉ゼラチン 5g

1.鍋に水を入れ紅茶を煮出す
2.ローズシロップを味見をしながら少しづつ入れていく
3.鍋に粉ゼラチンを振り入れ、ダマができないようによく混ぜる
4.容器に入れて冷やす

ローズシロップを使った簡単にできるゼリーです。

粉ゼラチンはダマにならないようによく混ぜると、仕上がりがきれいにできます。


ローズミルクプリン

・米粉 大さじ5
・牛乳 3カップ
・水 1/2カップ
・砂糖 60g
・ローズウォーター 大さじ2
・バニラエッセンス 少々

1.鍋に米粉と牛乳、水を入れて中火にかけ、米粉が溶けるように混ぜる
2.温まったら砂糖を加えてさらにかき混ぜながら加熱する
3.沸騰し、泡が大きくなり、トロっとしてきたら、ローズウォーターとバニラエッセンスを加えて火を消す
4.器に入れて冷蔵庫で固まるまで冷やす

お好みでシナモンやドライローズなどを飾って完成♪
器は、ココット皿や、パーティ用に大きなお皿でもOK。
作り立ての温かいままでも美味しく召し上がれます。


ローズ香るキャロットラペ

・人参 1本
★ホワイトバルサミコ酢 大さじ3
★ローズウォーター 大さじ1
★ハチミツ 大さじ1
★オリーブオイル 大さじ1
★塩 少々

1.人参を細かい千切りにする
2.★をボウルに入れて混ぜ、①を加えて混ぜ合わせる

冷蔵庫で冷やして完成♪
一晩漬け込むと更に美味しくなります!
柑橘系のフルーツやレーズン、くるみなどを加えるのもおすすめです。
揚げ物に添えたり、ピタパンやベーグルにお好きな具材と一緒に挟むだけで華やかな食卓にしてくれますよ。
常備菜としても♪


ローズティーを飲む際の注意点・副作用

ローズティーは女性ホルモンを刺激する効果が強く、妊娠中や授乳中の女性は大量に摂取しないよう注意が必要です。


まとめ

ローズティーは、その優雅で豊かな香りと優れた美容効果で女性に人気を博しています。
エレガントな一杯が、女性の身体をより健やかに保つのに役立ててくれることでしょう。
優雅な香りとともに、ローズティーの力を存分に味わってみてください。


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