ペパーミント精油の効能や使い方、お悩み別おすすめのブレンド精油など。

スーッとした清涼感あふれる香りで愛されているハーブ「ペパーミント」。
ペパーミントを水蒸気蒸留して抽出したペパーミント精油は、その爽快感からガムや歯磨き粉などのケア用品として、また、チョコレートやアイスクリームなどの食品、化粧品にも使われるなど、馴染み深いミントフレーバーです。
古くから食用としてだけでなく、香料や薬用として使用されてきたペパーミント精油は、気分がすぐれないときや、花粉対策など、すっきりしたいときにも大活躍の精油です。
ここでは、ペパーミント精油の効能や、使い方、ブレンドにおすすめの精油をお悩み別でご紹介します。
ペパーミントとは?

ミントは、ユーラシアやアフリカが原産の多年草で、繁殖力が旺盛で同属の植物と交雑しやすい植物で、ミントの代表的な品種であるペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの自然交配によりできた品種です。
ミントの学名である「Mentha(メンタ)」は、ギリシャ神話に登場する「メンテー」という妖精の名前が由来であると言い伝えられています。また、ペパーミントの学名である「Mentha piperita(メンタ ピペリタ)」は、ペパーミントを食すと、コショウのようにピリッとした味がするため「piperita(コショウの)」「Mentha(ミント)」という意味から名付けられたとされています。
古くから、食用だけでなく、薬用、香料としても使われ、古代エジプトでは儀式にミントを使用したり、古代ローマではペパーミントで編んだ冠をかぶって悪酔いするのを防いでいたといわれています。また、清涼感のある香りから14世紀にはタバコの消臭や、歯を白くするために使われていたとされています。
現在では、ハーブティーや、香味料としてガムやキャンディーなどに使用され、また、ペパーミント精油は、メントールを豊富に含み、アロマセラピーでは最も使われる精油のひとつです。
ペパーミントの香り
ペパーミント精油は、葉を水蒸気蒸留して抽出します。
香りの系統はハーバル系に属し、成分にメントールが含まれているため、清涼感のあるフレッシュで爽やかな香りが特徴で、爽やかさの中にほのかな甘さを感じられるのもペパーミントの魅力です。
香りの強さは中~強程度で、持続力は最初に強く引き立つ、トップ~ミドルノートです。
ペパーミント精油の成分・効能

ペパーミント精油の主な成分は、メントール、フラボノイド、タンニン、ミントポリフェノールなどです。
特に、清涼感を出すメントールを50~60%も含み、鎮痛・鎮痒・冷却・防腐作用などがあることから、湿布や軟膏など医療分野でも使用されています。
ペパーミント精油の効能を詳しくみてみましょう。
胃腸のはたらきを改善
ペパーミントには、消化液のひとつである胆汁の分泌促進を強化し、消化器の働きを促進させる効果があるとされ、胃もたれや胸やけ、吐き気などを緩和するのに効果的とされています。
また、胃の筋肉をリラックスさせ、胃痙攣を予防するはたらきや、過敏性腸症候群の症状を緩和する効果が期待されています。
参考:「ペパーミント」特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会
リラックス・リフレッシュ効果
ペパーミントの清涼感ある香りには、神経の疲労やうつ状態などには気分をリフレッシュさせ、怒りなどの精神が興奮している状態などには神経を鎮めるなど、気持ちを落ち着かせる作用があるとされています。
また、ペパーミントの刺激性のある香りには、脳を活性化させ集中力を高めるはたらきがあるとされています。
アレルギー症状・花粉症の緩和
ペパーミントに含まれているポリフェノールの一種であるルテオリン-7-O-ルチノサイドには、鼻の粘膜の腫れを抑制する作用など、アレルギー症状を緩和する効果が期待でき、花粉症の予防や改善に効果的だとされています。
ルテオリン-7-O-ルチノサイドは、ミントポリフェノールとも呼ばれており、ペパーミント以外のミントにはほとんど含まれていません。
参考:「ラットの実験的アレルギー性鼻炎に対するペパーミント(Mentha piperita L.)抽出物の効果」National Library of Ⅿedicine
皮膚の炎症の緩和
ペパーミントは、多くの特性を持つことで知られており、アロマテラピーや入浴剤、洗口液、歯磨き粉、局所用製剤に使用されます。
ペパーミント精油の局所用製剤は、掻痒を鎮め、刺激や炎症を和らげるために使用されてきました。損傷した皮膚への頻繁な塗布で、痒みや刺激、炎症を抑制する効果が期待できます。
参考:「メンタ・ピペリタ(ペパーミント)」National Library of Ⅿedicine
歯痛・頭痛の緩和
ペパーミント精油には鎮痛作用があり、筋肉痛、関節痛、そう痒などの症状への局所使用(皮膚に塗布)することで、痛みを緩和する効果が期待できます。
参考:「ペパーミントオイル」厚生労働省
冷却効果
人の体には、低温を感じ取る「冷感受容体」というものが存在します。この受容体が活性化することで、「冷たい」という情報が脳に伝えられ、脳は「冷たい」と感じます。
この受容体は、実際に冷たいものに触れたときだけでなく、メントールでも活性化することが明らかになっており、メントールが豊富に含まれているペパーミントには、冷却効果があるとされています。
参考:「冷感増強剤」
ペパーミント精油のおすすめの使い方

ペパーミント精油は、お部屋や車内ですっきりと集中したい時に香らせたり、衣類やお部屋の消臭など、多目的に活用できます。
ここでは、簡単に取り入れられる活用法をご紹介します。
浴室に
朝、すっきりしたい時には、シャワーを浴びるときに、浴室の床に精油を2~3滴落としてシャワーを浴びてみてください。
香りが湯気とともに立ち上がってくるのを感じながら、深く深呼吸をしながら香りを楽しみましょう。
脳を活性化して覚醒する作用で、頭をクリアにしてくれるでしょう。目覚めが良くない時や、これから勉強や仕事という時におすすめです。
※滑りやすくなることがありますのでご注意ください。
車中に
車に長く乗る時、また出張や旅行の移動車の中で気持ちをすっきりさせたい時に役立つ方法が、ティッシュを折りたたんでペパーミント精油を1滴!
すーっとしたシャープで爽やかな香りが、不快な気持ちをすっきりシャキッとさせてくれますよ。
香りをゆっくり吸い込んでみてくださいね。
冷湿布として
夏の暑さ対策や気分転換に、ペパーミント精油を使って冷湿布するのがおすすめです。
洗面器に半分くらい水を張り、精油1~3滴を落とします。
タオルを浸し精油がついた面を内側に畳んでしっかり絞ります。筋肉疲労やほてりが気になる部分に湿布します。
ペパーミントに含まれるメントールの冷却効果には、体感温度が4度も下がるとされています。
この冷却効果でクールダウンしてくれますよ。
※皮膚刺激があるため皮膚へ使用する際は、少量からお試しください。
※目の周りや皮膚の弱いところへの使用は控えてください。
頭痛に
軽い頭痛や片頭痛がするときには、ペパーミント精油を使ってこめかみをマッサージするのがおすすめです。
キャリアオイル(ホホバオイルなど)1円玉の大きさくらいの量を手に取り、ペパーミント精油1滴を垂らし、しっかりと混ぜたら、こめかみのくぼみの部分に塗って優しく指圧します。コリをほぐすようにくるくると塗り込むだけでも大丈夫です。
頭痛がひどいときは、肩まわりや肩甲骨のあたりもほぐすようにマッサージしてみてください。
軽い頭痛のうちにマッサージした方が効果が感じられます。
※目の近くには塗布しないでください。
ヘッドマッサージに
寝苦しい夜には、シャンプーを手に取った後ペパーミント精油を1滴加えてシャンプーしてみてください。
ヘッドマッサージも同様に、ペパーミントを手に取りマッサージしてください。
頭がすっきりして、暑い日などにおすすめです。
芳香浴に
お部屋の臭い消しに、ペパーミント精油を使ってアロマディフューザー、アロマストーン、アロマスプレーなどを使って芳香させるのがおすすめです。
メントールには冷却作用もあるので、夏の暑さ対策にもなります。
ペパーミントと相性の良い精油

爽快感のあるペパーミントは、レモンやベルガモットなど柑橘系全般ととても相性がよく、爽やかなブレンドになります。また、樹木系の「森林浴のような清涼感のある香り」とも相性がよく、サイプレスをはじめシダーウッド、ティーツリー、ユーカリなどとの組み合わせはしっくりきます。
ローズマリーやマジョラムなどのハーブ系、ラベンダーのフローラルな香りとも相性がいいです。
悩み別のおすすめのブレンドをみてみましょう。
頭痛におすすめのブレンド
ペパーミントに多く含まれるメントールは緊張型の頭痛や筋肉の痛みの緩和を得意とします。
同じくラベンダーも、ストレスが原因の頭痛を緩和する作用があります。
ブレンドオイルを溶かした水にタオルを染み込ませ、首や肩に湿布すると、血行を良くし、頭痛を緩和する作用があるとされています。また、ペパーミントの爽やかな香りとラベンダーの穏やかな香りが相まって、リラックス効果も期待できます。
目の疲れにおすすめのブレンド
眼精疲労を感じた時には、クラリセージとのブレンドがおすすめです。
ペパーミントとクラリセージをブレンドして染み込ませた濡れタオルで目を冷やすことで、目の周りの筋肉や神経の炎症を抑え、目の疲れを緩和してくれます。
日焼けなど肌の炎症におすすめのブレンド
炎症の抑制や感染症予防が得意なペパーミントは、ニキビや日焼けなどの炎症や赤みなどを和らげてくれます。スキンケアを得意とするラベンダーやジャーマンカモミールとブレンドして、キャリアオイルと混ぜ、患部に優しく塗布することで、痛みの緩和、感染予防の効果があるとされています。
集中力アップにおすすめのブレンド
試験や仕事など集中力を高めたい時にオススメなのがサイプレスやグレープフルーツとのブレンドです。
集中力を高めてくれるグレープフルーツと頭をクリアにしてくれるサイプレスとブレンドすることで相乗効果が期待できます。
ブレンド精油をエタノール、精製水を混ぜてスプレー容器に入れて、お部屋や車の芳香などに、多様に使えて便利なブレンドです。
眠気覚ましにおすすめのブレンド
ペパーミントとレモン、ティーツリーのブレンドは爽快感があり、仕事中や勉強中の眠気覚ましにおすすめです。
ブレンドした精油をハンカチに染み込ませ、香りをゆっくり吸い込んでみてください。
ペパーミント精油を使う際の注意点
皮膚刺激があるため皮膚へ使用する際は低濃度で使用してください。
妊娠中、授乳中、乳幼児の使用は避けてください。
まとめ

ペパーミント精油は刺激的な香りが愛され、頭をスッキリさせるだけでなく、興奮・吐き気・頭痛など多様に用いられ、世界中の人々を魅了してきました。
空気を爽やかにしたり、臭い消しや花粉対策にと、生活でのさまざまなシーンで役立つ精油です。
抜群の清涼感のペパーミント精油を上手に活用して、心と体のリフレッシュに役立ててみましょう。