黒ごまと白ごまの違いとは?ごまの栄養や効能・食べ方・保存方法を解説

ごまは、昔から日本の食卓で親しまれてきた身近な食材です。

ごはんにふりかけたり、和え物に使ったり、サラダや麺類の仕上げに加えたりと、毎日の料理に手軽に取り入れられるのが魅力です。少量加えるだけで、香ばしい風味やコクが広がりいつもの料理をぐっと豊かな味わいにしてくれます。

ひと口に「ごま」といっても、黒ごま・白ごま・金ごまなど、色や風味に違いがあります。また、収穫されたごまは、いりごま・すりごま・練りごまなどに加工され、料理や用途に合わせて使い分けられています。

ここでは、それぞれのごまの違いや特徴料理に合わせた使い分け保存方法毎日の食事に取り入れやすいごまを使ったレシピをご紹介します。

ごまとは?

「ごま」はゴマ科ゴマ属の一年草の植物です。
先がラッパのように広がった白やピンク色の花が咲き、花が落ちた後に残るサク果の中で育つ種の部分が「ごま」です。
アラビアンナイト物語の「開けゴマ」の呪文は、この割れたサク果から種が出てくる様がもとになったという説があります。

高温多湿な環境で育つごまは、アフリカ・サバンナが発祥の地とされ、現在はスーダンやミャンマー、タンザニア、インドなどのアジアやアフリカが主な生産地です。ごまは日本でも栽培されていますが、手間がかかるため生産量は限られ、国内のごまの99%以上が輸入品になります。

ごまには優れた健康作用があり、古代エジプトでは、王様の食事や重要な儀式で出されたり、暑さから皮膚を守る塗り薬として使われていたとされています。健康に良いごまは当時はとても貴重なもので、ごま一粒と牛一頭を交換したというほどの価値があったといわれています。

ごまの品種は3000種以上あり、また実の種皮の色で、ごまは大きく、白ごま、黒ごま、金ごまに分けられています。


白ごま・黒ごま・金ごまの違い

ごまは、「白ごま」「黒ごま」「金ごま」の3種類があります。
これはごまの種皮の色の違いによるもので、色の濃淡などもっと細かく分けると世界中には約3000種ものごまがあるといわれています。

「白ごま」「黒ごま」「金ごま」のそれぞれの特徴を見てみましょう。


白ごまの特徴

白ごまは、主に東南アジアや中南米、北アフリカなどで生産されており、日本では鹿児島県の喜界島で生産されている白ごまが有名です。他にも、”農研機構”が開発した”まるひめ”という白ごまが、セサミンやセサモリンの含有量が多いことで注目されています。

白ごまは、まろやかでクセが少ないのでさまざまな料理に合います。
ごはんやサラダ、冷ややっこ、きんぴら、和え物、麺類、炒め物など、幅広い料理に使え、素材の味を邪魔しにくいため、料理の仕上げに少し加えるだけでも、香ばしさを楽しめます。
また、薄いベージュ色で色が目立たないので、ごまを強調せず、料理の見た目を変えずに、甘みと香りをプラスしたいときにおすすめのごまです。



【おすすめの白ごま料理】

・豚汁
・ワカメスープ
・担々麺
・チヂミ
・パンケーキ
・アイスクリーム
など


黒ごまの特徴

黒ごまは、白ごまより栽培されている場所が限られ、中国やミャンマー、タイ、ベトナムなど東南アジアが主な栽培地です。黒ごまは、寒さにも強いので日本では、東北で育つ黒ごまもあります。

黒ごまは白ごまよりも香りが強く、ほのかな苦みとコクがあり、存在感のある味わいです。 風味の強い食材と合わせても負けないので、ごまの香りを生かしたい料理に向いています。

和え物や担々麺、大学芋、黒ごまプリン、ごま団子、スムージー、パンやお菓子作りなどにおすすめです。
見た目にも黒い粒がアクセントになるため、料理やスイーツに印象を加えたいときにも使いやすいごまです。


【おすすめの黒ごま料理】
・ほうれん草のごま和え
・大学芋
・黒ごまプリン
・パンやクッキーなど焼き菓子に
・おにぎりや混ぜご飯に

など


金ごまの特徴

金ごまは、生産できる地域が限られているため、生産量が少なく希少なごまです。主に中近東、エーゲ海沿岸を中心に生産されており、トルコが有名です。国内産の金ごまはさらに貴重で、金ごまは他のごまに比べて価格が高いのも特徴です。

濃厚な香りとコク、強い甘みは、料理でもスイーツでも存在感があります。
また、光沢のある見た目は、料理を美しく華やかにしてくれます。

和え物や冷ややっこ、サラダなどに使うのはもちろん、ちらしずしなど特別な日の料理に使うのがおすすめです。料理に上品さが加わり、豊かな香りが美味しさを引き立ててくれます。


【おすすめの金ごま料理】
・冷ややっこや湯豆腐の仕上げ
・きんぴらごぼう
・サラダや蒸し野菜
・うどんやそうめんの薬味
・ごまだれやドレッシング作り
・ちらし寿司
など


ごまの栄養と効能

ごまの栄養成分は、白・黒・金で成分にそれほど大きな違いはありません。 ごまの主な栄養成分は脂質が約50%、たんぱく質は約20%を占め、炭水化物、カルシウムや鉄分・亜鉛などのミネラル、ビタミンなどが豊富に含まれ、とても栄養価が高いことがわかります。
中でも、ごまの半分を占める脂質は、リノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で、その中でも、リノール酸は人の体で作ることができないため、食べ物から摂る必要がある栄養素です。

そして特に注目なのが、ごま特有の成分「セサミン」。
セサミンは「ゴマリグナン」に含まれている成分のひとつです。
「ゴマリグナン」は、ごまの粒のわずか1%しか存在しない、ごま特有の微量成分で、様々な健康効果が報告されています。


★参考:CiNii 「セサミンの抗酸化作用」

肝機能の向上

活性酸素が作られやすい肝臓まで届くのは、数ある抗酸化物質の中ではゴマリグナンだけといわれています。
ゴマリグナンは、肝臓で抗酸化作用を発揮し、活性酸素を取り除いて細胞が傷つくことを防ぐとされています。
また肝臓のアルコール分解を助ける働きがあるので、お酒を飲む前にごまを少し食べておくと、アルコールの代謝を良くし、二日酔いや悪酔いの防止が期待できるとされています。


★参考:National Library of Мedicine 「セサミンとセサモリンを豊富に含むゴマ種子がラット肝臓の脂肪酸酸化に及ぼす影響」

エイジングケア

セサミンは、抗酸化力を高めて体の酸化を防いでくれる成分です。
シワやシミ、たるみといった肌の老化を抑えたり、疲労感の改善効果も期待できるとされています。

またごまには、ビタミンEも含まれています。ビタミンEは、「若返りのビタミン」とも呼ばれ、肌や血管の老化の原因となる活性酸素の動きを抑えるはたらきがあるとされています。

脂溶性であるビタミンEは、炒めものなどで油脂と一緒に摂取すると、効率よく吸収できる栄養素ですが、ごまは食材自体に油脂が含まれるため、効果的にビタミンEを摂ることができます。


腸内環境を整える

近年の研究では、セサミンが腸内の善玉菌を増やすということが明らかになりました。
善玉菌の働きで、腸が元気になると、お通じが良くなるだけでなく、心の健康にも繋がります。
幸せホルモン「セロトニン」も腸管で作られているため、ストレスを多く感じている人ほど、腸を健康に保つことが重要です。


生活習慣病の予防

ゴマリグナンには、抗糖化や抗酸化の作用があります。

糖化とは、体内の余分な糖がたんぱく質や脂質と非酵素的に結びつき、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を生み出して、肌や血管など全身の老化や病気リスクを高める現象をいいます。

また、不飽和脂肪酸のリノール酸とオレイン酸も豊富に含まれており、これらは、食後の血糖値の急上昇を抑制するはたらきがあるとされています。
オレイン酸には糖質の吸収をおだやかにし、悪玉コレステロールを減らす働きがあり、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防に役立つとされています。


いりごま・すりごま・練りごまの違い

ごまには白・金・黒などの色の違いのほかに、加工方法によって「いりごま」「すりごま」「練りごま」があります。
それぞれの違いをみてみましょう。


いりごま

収穫したごまからゴミを取り除き、洗浄・乾燥させた状態のごまを「洗いごま」といいます。そのままでは消化が悪く、栄養が吸収されにくいだけでなく、風味も良くないので、通常は炒ってから使用します。この洗いごまを焙煎したものが「いりごま」です。
そのまま食べられ、一般的にごまというと「いりごま」をイメージする方が多いのではないでしょうか。

平らな形をしているごまが、火を通すことで、水分が蒸発し中身が膨らみふっくら丸い形になります。
いりごま特有のプチプチした食感は焙煎することによって生まれます。熱を通して硬くなった皮と中身の間に隙間ができることで、噛んだ時に弾けるような食感になります。

市販のいりごまは、フライパンで軽く炒ると、ごまの甘い香りが立ち、味もさらに良くなります。


〈いりごまのおすすめの使い方〉
・ご飯やお味噌汁にかけてそのまま食べる
・サラダ、和え物、冷ややっこ、炒め物などにふりかける
・揚げ物の衣として
・パンケーキやクッキーなど焼き菓子に混ぜる

など、食感を楽しみたい料理に向いています。
見た目のアクセントにもなるため、料理を少し華やかに見せたいときにも便利です。


すりごま

「すりごま」は、いりごまを粒が砕けるまで摺ったものです。
摺ることによって香りや風味が増すほか、ごまのかたい皮がすりつぶされるので、消化しやすく栄養吸収性が高くなるのがポイントです。
ただし、早めに使い切らないと、酸化しやすく風味が落ちてしまいます。おすすめなのは、いりごまを買って毎回使う分だけを摺る方法。食べる前に摺れば、ごまの豊かな香りを落とすことなく楽しむことができます。
細かくするほど香りや風味はより引き立ちますが、ごま特有のプチプチした歯触りはなくなるので、用途と好みに応じてすり加減を調節すると良いでしょう。

〈すりごまのおすすめの使い方〉
・細かく摺ってアイスクリームに
・粗く摺ってサラダに
・ドレッシングやタレに加える
・クリームソースやポタージュに混ぜる
・鍋料理に

など、混ぜたり和えたりする料理との相性抜群!
料理全体にごまの風味を広げたいときにおすすめです。


練りごま

「練りごま」は、いりごまをじっくりと練り、ペースト状にしたものです。
ごま特有の芳醇な香りと濃厚な風味、滑らかなテクスチャーが特徴です。 少量加えるだけで料理に深いコクと風味を出してくれます。


〈練りごまのおすすめの使い方〉
・煮物や和え物に入れる
・担々麺やしゃぶしゃぶのタレ
・パンに塗る
・マヨネーズやめんつゆなどの調味料に混ぜる
・ドリンクに

など、ペースト状なので、ピーナッツバターのようにパンに塗ったり、牛乳と合わせて黒ごまラテにするなど、液体と合わせるときに重宝します。

ごま100%のものほど油分が分離しやすいので、よく混ぜて全体をなめらかにしてから使いましょう。


ごまの栄養を効果的にとる方法

ごまの栄養を効率的に摂るには、「すりごま」や「練りごま」がおすすめです。
ごまは外皮が硬く、そのまま食べても栄養が吸収されずに体外に排出されてしまいます。
その点、すりごまや練りごまは、外皮が砕けているので、栄養が効率よく吸収されます。
ただし、いりごまより酸化が早いため、食べる直前に食べる分だけ、いりごまを摺って使う用にした方がいいでしょう。

また、ごまは加熱すると栄養素が変化します。
加熱すると、ゴマリグナンの1つであるセサモリンがセサモールへと変化し、より抗酸化作用が高まります。セサモールの強力な抗酸化作用は体内の活性酸素を無害化して脂質や細胞の酸化を抑制するとされています。食後の血糖値の上昇を防ぐなどの健康効果が期待できる栄養素です。

ごまの加熱方法は、フライパンを熱し、油をひかずに香ばしい香りが立つまで弱火から中火で、焦げ付かないようにヘラで常にかき混ぜながら、短時間炒ります。
加熱すると香ばしさや香りが増すのも嬉しいポイントです。


★参考:KAKEN 「セサモールによるアポトーシス誘導(抗がん作用)における構造活性相関の機能解明」

ごまを使ったおすすめレシピ

ごまを使った万能ダレや、ごまたっぷりのお味噌汁やドリンクをご紹介します。

レシピの摺りごまは、いりごまを摺って使うのがおすすめです。


ごま味噌だれ

【材料】
・みそ 大さじ2杯
・砂糖 大さじ2杯
・酒 大さじ1杯
・すりごま 大さじ3杯(18g)

【作り方】
1.みそ・砂糖・酒を耐熱ボウルに入れ、全体がしっかり馴染むまで混ぜあわせる
2.ボウルにはラップをかけず、そのまま電子レンジ600Wで1分間加熱する(500Wの場合は1分10秒)
3.アルコールが残っているようであれば、追加で10〜20秒加熱してアルコールを飛ばす
4.調味料が入ったボウルにすりごまを加え、混ぜ合わせる

2倍量以上をまとめて作る場合は1倍量につき水大さじ1杯を混ぜあわせ、鍋に入れて加熱しながらアルコールを飛ばしてください。

焼き豆腐や焼きなす、蒸し鶏、温野菜など、作っておくと便利な味噌だれです。


ごま味噌つゆ

【材料】
・ごまみそだれ(上記で作った味噌だれ)
・麺つゆ 40ml
・水 160ml
・酢 大さじ1杯

【作り方】
1.ボウルで材料をすべて混ぜあわせ、冷蔵庫で冷やす

さっぱりとしたつけつゆの完成♪
そうめんや冷たいうどん、冷やし中華のたれとして使える万能たれです。


揚げナスのごまポンサラダ

【材料】
・鶏ささみ 3本
・酒 大さじ2
・塩こしょう 少々
・なす 3本
・油(揚げ油) 適量
★砂糖 小さじ2
★ポン酢 大さじ2
★白すりごま 大さじ1と1/2

【作り方】
1.筋とりした鶏ささみを耐熱容器に入れ、酒、塩こしょうで下味を付け、ふんわりラップをかけてレンジ600Wで2分30秒加熱し、粗熱を取る
2.なすは縦半分にしてから5mm幅の斜め薄切りにする
3.フライパンに油をいれ、170℃に熱し、なすを揚げ焼きにし、油を切ってボウルに移す
4.③にささみを手で細かくほぐして加え、★の調味料を入れて混ぜ合わせる

お皿に盛ったら完成♪

お酒のおつまみにもおすすめの一品です。
お好みで大葉をのせても美味しいです。


白菜のごまたっぷり味噌汁

【材料】
・白菜 1/4
・油揚げ 1枚
・味噌 大さじ2
・水 5カップ
・和風だしの素 小さじ1
・すりごま 大さじ3

【作り方】
1.白菜・油揚げをカット
2.鍋に水を入れて、切った具材を入れて火にかけ、沸騰したらだしの素を加える
3.味噌を溶かして一煮立ちさせる
4.器に盛り、すりごまをかける

とろとろの白菜にすりごまの香ばしさが絶品の一杯!

すりごまの量はお好みで。


ごまプリン

【材料】
・豆乳 350ml
・すりごま 大さじ3
・練乳 大さじ3
・粉ゼラチン 5g

【作り方】
1.粉ゼラチンは大さじ2の水(分量外)でふやかしておき、すりごまと練乳は合わせて混ぜておく
2.鍋に豆乳を入れ、火にかけ沸々してきたら火を止めすりごま練乳とふやかしたゼラチンを加えよく混ぜ溶かしたらカップに流し入れる
3.冷蔵庫で冷やす

ぷちぷち食感が楽しいミルキーなごまプリンです♪

練りごまでも作れます。


黒ごまラテ

【材料】
・黒ねりごま 大さじ1
・砂糖またははちみつ 大さじ1(お好みで)
・牛乳または豆乳 200ml
・黒すりごま 少々

【作り方】
1.耐熱カップに黒ねりごまと砂糖を入れ、少量の牛乳を加え、なめらかになるまでよく混ぜる
2.残りの牛乳を鍋か電子レンジで70℃程度に温める(沸騰させないよう注意)
3.温めた牛乳を少しずつカップに注ぎ、そのつどよく混ぜ合わせる

泡立てたミルクをのせてカフェ風に♪

ごま感を強くしたいときは、黒ねりごまを増やしてください。


《アイス黒ごまラテ》
1.黒ねりごまと砂糖を少量の温かい牛乳で溶く
2.グラスに氷を入れ、冷たい牛乳を注ぎ、①を加えてよく混ぜる

黒ねりごまは沈殿しやすいので、飲む前に軽くかき混ぜてお飲みください。


ごまの保存方法

ごまは、直射日光、高温多湿を避け、涼しい場所で保管しましょう。
開封後は、しっかり密封してください。
湿気が入ると風味が落ちやすくなるため、袋や容器の口をきちんと閉じて保管しましょう。

特にすりごまは、粒のごまよりも空気に触れる面積が多いため、香りが変わりやすいです。
開封後はできるだけ早めに使い切ると、ごま本来の香ばしさを楽しみやすくなります。


ごまを食べる効果的なタイミングと一日の摂取量

ごまの栄養素を効率的に摂取するには、朝や昼がおすすめです。
ごまは脂質が多いので、活動量が少ない夜間は脂質がエネルギーとして消費されず、体内に蓄積されやすくなります。
朝食や昼食にごまを取り入れると糖質の吸収がおだやかになり、代謝が促進されて食後に血糖値が急上昇するのを防げます。

ただし、ごまには脂質が多く含まれているため、一度に大量に摂るのは控え、1日に大さじ1杯から2杯程度を目安にしてください。


まとめ

ごまには、「白ごま」「黒ごま」「金ごま」などの種類があり、さらに収穫後は「いりごま」「すりごま」「練りごま」など、さまざまな形に加工されます。
それぞれ香りや食感、使いやすい料理が異なるため、料理や好みに合わせて使い分けることで、ごまのおいしさをより楽しむことができます。

ごまは、日々の食卓に取り入れやすい身近な食材です。
ご飯や和え物、サラダ、汁物などに少し加えるだけで、香ばしさやコクが増し、毎日の食事をより豊かにしてくれます。
ぜひ、ごまの種類や加工方法の違いを知り、日々の食卓でおいしく取り入れてみてはいかがでしょうか。


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