ピスタチオの美容・健康効果6選!効果的な食べ方やおすすめレシピなど

華やかな緑色に豊かなコクが魅力の「ピスタチオ」。
その鮮やかな色彩や豊かな風味から、日本でも多くのスイーツに使われるなど人気の食材ですが、ただおいしいだけじゃなく、ピスタチオには、健康や美容に効果的な栄養成分がたっぷり含まれていることから、『ナッツの女王』とも呼ばれています。
普段の食事では不足しがちなビタミンやミネラルが豊富に含まれ、栄養補給としてはもちろん、ダイエット中のサポートとしても役立ちます。
ここでは、ピスタチオの栄養成分や美容・健康効果、 効果的な食べ方やおすすめのレシピをご紹介します。
ピスタチオとは?

ピスタチオは、シリア原産のウルシ科の落葉樹の実で、アーモンドやクルミ、カシューナッツと同じナッツの1種です。
「ピスタチオ」という名前はペルシャ語の「ペステ」を語源としています。
ピスタチオの実は鮮やかな緑色で、薄茶色の硬い殻に包まれ、可食部分は、茶色の果肉の仁の部分です。
味わいはほのかに甘く、独特の香ばしさが特徴です。また、食感は他のナッツのようなカリカリした食感ではなく、アボカドのように少しねっとりとしています。その栄養価の高さや高貴な風味から「ナッツの女王」とも呼ばれています。
ピスタチオの主な産地は、イランやアメリカ、トルコ、イタリアなどで、その中でもイラン産ピスタチオは世界有数の産出量を誇り、品質が高いことで知られています。
ピスタチオの歴史
ピスタチオは、中東や中央アジアが原産とされ、紀元前7000年頃にはすでに栽培されていたと考えられています。古代ペルシャ(現代のイラン)では、「王の食べ物」とも称され、特に裕福な階級や王族の間で愛されてきました。
ローマ帝国の時代には、シリアを通じて地中海沿岸に広まりました。ローマ皇帝ティベリウスが好んだこともあり、ヨーロッパへ急速に普及していきました。
古代から中世にかけては、食材としてだけでなく、富や繁栄を象徴するものとして捉えられていました。特に、中東の文化では、緑色が生命や再生を意味することから、贈り物としても重宝されていました。
イタリアやフランスでは、ルネサンス時代にピスタチオが高級食材とされ、上流階級の人々の間で人気を博しました。「緑の宝石」という愛称も、この時代から広まったと言われています。
19世紀になると、アメリカ・カリフォルニアでも本格的な栽培が始まりました。現在では、イラン、アメリカ、トルコが世界三大生産地として知られ、特にカリフォルニアでは、品種改良が進み、甘みや色味が安定した高品質なピスタチオが生産されるようになりました。
現在は、その美味しさだけでなく、栄養価の高さから健康志向の人々にスーパーフードとして愛され、また、ピスタチオの鮮やかな緑色を生かしたスイーツやドリンクが人気を博しています。
ピスタチオの栄養成分・6つの美容健康効果!

ピスタチオは、食物繊維やたんぱく質、ビタミンB群や、カリウムや鉄、銅などのミネラル、また、不飽和脂肪酸のオレイン酸や必須脂肪酸であるリノール酸も豊富に含まれています。
栄養価が高く、健康な体づくりをサポートしてくれるピスタチオの美容・健康効果をみてみましょう。
腸内環境の改善
ピスタチオに豊富に含まれる不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収すると数倍に膨れ上がり、腸壁を刺激し排便を促すはたらきや、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。
参考:「ランダム化クロスオーバーヒト摂食試験におけるアーモンドとピスタチオの摂取が腸内細菌叢の構成に与える影響」National Library of Ⅿedicine
エイジングケア
ピスタチオに含まれるルテインなどのカロテノイドは、強い抗酸化作用があり、細胞を若々しく保つはたらきがあります。
また、皮膚を正常にするサポートをするビタミンB2やビタミンB6も含まれており、美肌効果が期待できます。
ダイエット効果
ピスタチオにはエネルギー代謝を促すビタミンB群が豊富に含まれており、代謝アップが期待できます。また、体内から余分な水分を排出してくれるカリウムも含まれ、むくみが改善されることにより、ダイエット効果が期待できます。鉄分などのミネラルも豊富なので、貧血を予防してくれるなど、ダイエットを続けやすい体づくりにもつながります。
コレステロール値を下げる
ピスタチオに含まれるオレイン酸は、一価不飽和脂肪酸の一種で、血液中の悪玉コレステロール値を減らし、善玉菌コレステロール値を増やすはたらきがあります。
また、必須脂肪酸であるリノール酸も含まれており、これらの脂肪酸のはたらきにより、コレステロール値を下げる作用があります。
参考:「人間の食事におけるピスタチオの測定エネルギー値」National Library of Ⅿedicine
生活習慣病の予防
ピスタチオに含まれるオレイン酸やリノール酸のはたらきでコレステロール値を下げ、血圧を下げる効果があるため、動脈硬化を主な原因とする生活習慣病の予防に繋がります。
また、GI(グリセミック・インデックス)値の低いピスタチオは、血糖値に与える影響が少ないとされています。さらに、抗酸化物質や、カロテノイドが豊富に含まれており、糖尿病のリスクや空腹時の血糖値を抑えるという研究結果も出ています。
参考:「ピスタチオ単独摂取または高炭水化物食品との組み合わせ摂取が食後血糖値に与える影響」National Library of Ⅿedicine
参考:「ピスタチオの心血管疾患リスク因子への影響と潜在的な作用機序:用量反応研究」National Library of Ⅿedicine
参考:「木の実、ピーナッツ、大豆ナッツの摂取が血圧に及ぼす影響:ランダム化比較臨床試験の系統的レビューとメタアナリシス」National Library of Ⅿedicine
ガン予防
ピスタチオには、ポリフェノールやビタミンB群、γ-トコフェロール、ルテイン、ゼアキサンチン、食物繊維など、健康を促進する生理活性成分が含まれており、これらの栄養成分により、大腸ガンリスクの低減が期待できるとされています。
参考:「生および焙煎ピスタチオの大腸発癌に対する化学予防効果」National Library of Ⅿedicine
ピスタチオの効果的な食べ方

ピスタチオ1粒に含まれる栄養素の量は、ナッツの中でもトップクラスです!
ピスタチオの効果的な食べ方をご紹介します。
お酒のおつまみに!
お酒を摂取するとアルコールの利尿作用でカリウムも一緒に排出され、カリウムが不足しやすいと言われています。ピスタチオにはカリウムが豊富に含まれているため、一緒に摂ることで不足したカリウムを補うことができます。
またカリウムは、アルコール成分を体外に排出するサポートをしたり、また、豊富に含まれている食物繊維には、アルコールの吸収を遅らせる作用があります。
ピスタチオは、お酒のおつまみとして人気ですが、食べやすさや風味が良いだけでなく、栄養面においてもお酒との相性が抜群です!
普段のお食事に!
ピスタチオの抗酸化物質を効果的に摂取するためには、普段の食事と一緒に食べることがおすすめです。
食事に含まれる老化物質AGEが、ピスタチオの栄養成分とうまく結合し、AGEの生成を抑制する働きがあるといわれています。
AGEは体内に蓄積されると、肌トラブルや動脈硬化、認知症などの病気を引き起こす原因になるといわれています。
ピスタチオを普段の食事と一緒に摂ることで、ピスタチオの栄養を効果的に摂り入れることができます。
ピスタチオのおすすめレシピ

ピスタチオの濃厚で芳醇な風味は、さまざまな食材とも相性が良く、扱いやすい食材です。
鮮やかな緑色を活かして、お菓子作りや料理に取り入れてみましょう。
食卓を華やかにしてくれますよ。
ピスタチオは地域ごとにさまざまな料理やスイーツに活用されています。
中東:バクラヴァ(ピスタチオ入りの伝統的なお菓子)やピスタチオクリーム
イタリア:ピスタチオジェラートやペーストを使ったパスタ
アメリカ:ピスタチオ入りチョコレートやローストナッツ
日本:抹茶と並ぶ緑色スイーツとして、ケーキや和菓子に活用
ピスタチオのはちみつ漬け
・ピスタチオ(ロースト) 5g
・くるみ (無塩) 30g
・ピーカンナッツ (無塩) 30g
・アーモンド (無塩) 30g
・カシューナッツ (無塩) 30g
・はちみつ 100ml
1.クッキングシートを敷いた天板にピスタチオ以外のナッツを並べ、160℃で予熱したオーブンでほんのりと焼き色がつくまで10分ほど焼く
2.煮沸消毒した容器に①とピスタチオを入れて、はちみつを注ぐ
蓋を閉めたら完成♪
作っておくと、ヨーグルトに混ぜたり、パンケーキに添えたり、色々なアレンジに使えます。
※はちみつは、ナッツが浸かるように量を調節してください。
※ご使用のオーブンの機種により、焼き加減が変わりますので、焼き時間は目安で、調整してください。
焼き色が付きすぎてしまう場合は、アルミホイルをかけてください。
自家製ピスタチオペースト
【200mlの瓶1個分】
・ピスタチオ(ロースト) 180g
・ぬるま湯 50ml
・砂糖 大さじ2
1.ボウルにピスタチオ、かぶるくらいのぬるま湯を入れ、2時間ほど置く
2.ピスタチオがふやけたらよく洗い、水気を切る(薄皮がついていたら取り除く)
3.ボウルに②、ぬるま湯、砂糖を加えたらミルミキサーなどで撹拌し、ペースト状にする
消毒した保存瓶に移して完成♪
※2〜3日を目安に早めにお召し上がりください。
トーストやホットミルク、お菓子作りの材料としても使えます。
ピスタチオの香ばしい香りとほどよい甘さがたまらないひと品です。
料理に使用する場合は砂糖ではなく、オリーブオイルと塩で味を調整してみてください。
ペーストの硬さはぬるま湯の量を調整して、お好みの硬さに仕上げてください。
ピスタチオアイスクリーム

・ピスタチオペースト(砂糖なし) 60g
・牛乳 200ml
・卵黄 2個分
・砂糖 60g
・生クリーム 200ml
・ピスタチオ(刻む) 適量
1.常温に戻しておいたピスタチオペーストをボウルに入れ、牛乳を4回に分けて加え、その都度ヘラで押し付けるようにしてなじませながらよく混ぜる
2.別のボウルに卵黄、砂糖1/2量(30g)を入れて、白っぽくふんわりするまで混ぜ、①を少しずつ加え、その都度よく混ぜる
3.②を鍋に入れ、弱火で常に混ぜながら2〜3分熱し、とろみがついたら火からおろす
4.粗熱がとれたら、底に氷水を当てて、混ぜながらしっかり冷やす
5.別のボウルに生クリーム、残りの砂糖(30g)を入れ、ツノが立つまで泡立て、④に3回に分けて加え、その都度さっくり切るように混ぜる
6.バットに流し入れ、冷凍庫で2時間以上冷やしたら、スプーンで全体を混ぜて空気を含ませ、さらに2時間以上冷やし固める
器に盛り、ピスタチオをトッピングしたら完成♪
自家製のピスタチオアイス!しっかりピスタチオが香る濃厚な味わいです。
チョコレートブラウニー
【15cm角型(底取)1台分】
・ブラックチョコレート 100g
・無塩バター 50g
・砂糖 40g
・卵 1個
・薄力粉 50g
・純ココア 大さじ2
〈仕上げ用〉
・ブラックチョコレート 50g
・お好みのナッツ(無塩) 50g
・ピスタチオ(刻む) 適量
1.耐熱容器に湯を入れて、湯の上に別の耐熱容器をのせ、刻んだブラックチョコレート(100g)、バターを入れ、湯煎しながら混ぜて溶かす
2.湯からおろし、溶いた卵を加えて混ぜる
3.②に薄力粉、ココアをふるい入れて混ぜる
4.型に流し入れ、平らにならし、170°Cで予熱したオーブンで20~25分焼く
5.粗熱がとれたら、スティック状に切る
〈仕上げの手順〉
6.耐熱容器に湯を入れ、耐熱容器をのせ、ブラックチョコレート(50g)を入れて混ぜて溶かす
7.⑤にチョコレートをかけ、お好みのナッツ、ピスタチオをトッピング
チョコレート好きにはたまらないチョコレートたっぷりブラウニーの完成♪
ドライフルーツやオレンジピールなどのトッピングもおすすめです。
※ご使用のオーブンの機種により、焼き加減が変わりますので、焼き時間は目安で、調整してください。
ピスタチオクッキー

・薄力粉 80g
・アーモンドプードル 20g
・ココアパウダー 10g
・無塩バター 50g
・砂糖 30g
・卵黄 1個分
・ピスタチオ(刻む) 30g
1.ボウルに常温に戻しておいたバター、砂糖を入れ、泡だて器で白っぽくなるまですり混ぜる
2.卵黄を2回に分けて入れ、都度よく混ぜる
3.ピスタチオを加え、薄力粉、アーモンドプードル、ココアパウダーをふるい入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜる
4.全体がよくなじみ、ポロポロとしてきたらひとまとめにし、ラップにのせて4cm角の直方体に成形し、冷蔵庫で30分ほど冷やす
5.1cm幅に切り、クッキングシートを敷いた天板に間隔をあけて並べ、180℃で予熱したオーブンで15分ほど焼き、粗熱を取る
ピスタチオをたっぷり入れたサクサク食感のクッキーの完成♪
さらに、チョコレートを溶かしてコーティングするひと手間を加えたら、美味しくおしゃれにできあがりますよ。
※ご使用のオーブンの機種により、焼き加減が変わりますので、焼き時間は目安で、調整してください。
焼き色が付きすぎてしまう場合は、アルミホイルをかけてください。
ピスタチオのクリームリゾット
・コンソメ(顆粒) 小さじ2と1/2
・水 800ml
・米 1合
・玉ねぎ 30g
・ハム 2枚
・白ワイン 50ml
・ピスタチオクリーム 70g
・オリーブオイル 小さじ2
・黒こしょう 少々
・ピスタチオ(刻む) 少々
・オリーブオイル 少々
1.鍋にコンソメと水をいれ、沸かす
2.玉ねぎとハムをみじん切りにする
3.フライパンでオリーブオイル小さじ2を熱し、中火で玉ねぎとハムを炒める
4.玉ねぎが透き通ってきたら、洗ったコメを加え中火で炒める
5.米が透き通ってきたら、白ワインを加えて香りを付け、①をひたひたになるまで注ぎ、表面がふつふつ沸くくらいの火加減で煮る
6.米が出てこないように都度①を足しながら15~20分ほど加熱する
7.ピスタチオクリームを加え、しっかり混ぜて乳化させる
8.器に盛り、ピスタチオダイスと黒こしょう、オリーブオイル少々をふる
ピスタチオクリームを使ったリゾットの完成♪
ピスタチオの香りが口いっぱいに広がる本格的リゾットです。
リゾットの濃度は沸かしたコンソメで調整してください。
ピスタチオトースト

・食パン 5枚
・卵 1個
・無塩バター 50g
・砂糖 50g
・アーモンドパウダー 50g
・ピスタチオペースト 小さじ2
・ピスタチオ(刻む) 適量
1.ボウルにバターと砂糖を入れ、しっかりとすり混ぜ、ホイップするように混ぜる
2.①に、卵を少しずつ入れてしっかりと混ぜたら、ピスタチオペースト、アーモンドパウダーを加えてさっくり混ぜる
3.食パンに②を塗り、刻んだピスタチオをトッピングして、トースターで5~10分ほど焼く(お好みの焼き加減で)
ピスタチオたっぷり!トーストの完成♪
スイーツのようなトーストです。朝ごはんにもおやつにも♪
作り置きして、冷凍もできます。
ピスタチオの一日の摂取量

ピスタチオの一日の摂取量は、20~30粒程です。
ピスタチオの可食部(殻を除いた部分)100gのカロリーは615kcalと高カロリーなので、食べ過ぎには注意が必要です。
20~30粒程で、約100kⅽaL前後なので、おやつとして適正な量でしょう。
ダイエット中は、食事前に数粒程度のピスタチオを食べるのがおすすめです。
ピスタチオに含まれる不溶性食物繊維が、胃の中で膨らんで満腹感が得られるため、食べ過ぎを防いでくれます。
ピスタチオの保存方法
ピスタチオの最適な保存方法は、常温保存です。
冷蔵保存は湿気を吸いやすく、カビの原因にもなるのであまり適していません。
すぐに使い切れない場合は、少し風味が落ちる可能性がありますが、冷凍保存も可能です。1食分ずつ密閉袋などに入れ、空気を抜いてから冷凍庫に入れてください。調理に使う場合は、凍ったまま刻んだり、加熱して加えるのがおすすめです。
未開封の場合は、高温多湿な場所は避けて保管しましょう。
まとめ
栄養価の高さやその洗練された風味から『ナッツの女王』と呼ばれているピスタチオ。
日本でも、実の美しい緑色とヘルシーさから、スイーツに使われ人気となっています。
そのまま食べてももちろん美味しいですが、豊かなコクや色彩を活かして、ぜひ普段の食事にも取り入れてみてください。