松の実とは?栄養や健康・美容の効果効能、食べ方レシピ。
松の実は、「1日3回食べると長生きできる」とされ、古くから「仙人の食べ物」として重宝されてきた食材です。
漢方薬や薬膳にも使われている松の実は、ジェノベーゼソースなど身近な料理にも使われています。
最近は、有名モデルがおやつ代わりに食べてダイエットしたということでも話題になり、また、 健康にも美容にも嬉しい栄養が豊富で、多くの効果効能が期待できることからも注目されています。
松の実の健康・美容への効果効能、エイジングケア食として話題になっている松の実ペースト、簡単レシピをご紹介します。
松の実とは?味は?
松の実とは、松の木の実である「松ぼっくり」の中にある種の一部を取り出したものです。
種の中でも、植物の養分を貯めるところである「胚乳」という部分で、栄養素がたっぷり含まれています。
アーモンドやナッツ類も、この胚乳の部分を食用としており、松の実もナッツ類に分類されます。
約2000年前の中国の古書には、漢方や薬膳に利用され不老長寿の食べ物として珍重されていたことが書かれており、「1日3回食べると長生きできる」とされ、「仙人の食べ物」とも呼ばれていました。
漢方薬や薬膳料理に使われるときは、「海松子(かいしょうし)」「松子仁(しょうしにん)」「松子(しょうし)」と呼ばれます。
最近は、有名モデルなどが「おやつ代わりに松の実を食べてダイエットに成功した」と注目したことから、健康食品としての需要が高まっています。
味は、苦みなどはなくほんのり甘く、ピーナッツのような味です。
食べた後口の中に少し油分が残る感じがします。
松の実の栄養・効果
松の実は、ビタミン類、亜鉛・鉄・銅などの多くのミネラル、食物繊維が含まれており、健康やエイジングケアに役立つ栄養素が豊富です。
亜鉛
亜鉛は体内で作り出すことができないため、食品から摂る必要があります。
新しい細胞を作り出す際に必要となるミネラルであるため、特に妊娠中の方はきちんと摂取することが推奨されています。
また、免疫細胞を活性化させる働きがあり、免疫力がアップします。
ⅮNAやたんぱく質の合成や、免疫機能・味覚の維持など多くの役割を持っている栄養素です。
松の実は、100gあたり6.9㎎と、「陸の牡蠣」と呼ばれるほど豊富な亜鉛が含まれています。
鉄
赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというたんぱく質の構成成分で、酸素を全身に運ぶ働きをします。
不足すると鉄欠乏性貧血の原因となったり、思考力や記憶力、運動能力にも影響を及ぼす可能性があります。
銅
銅は、ヘモグロビンを作るための鉄を必要な場所まで運ぶ働きをします。
銅が不足すると鉄が足りていても貧血になることがあります。
また、体内の多くの酵素となって活性酸素を除去し、骨の形成を助ける働きをします。
ビタミンE
ビタミンEにある抗酸化作用は、体内の脂質の酸化を防ぎ、シミ、シワなどのエイジングケアに役立ちます。
また、血行を改善する効果があり、それにより新陳代謝が高まり皮膚のターンオーバーを整え肌の健康を維持し、血色をよくする効果が期待できます。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質を燃やしエネルギーに変える時に必要な栄養素です。
不足すると、速やかに糖質をエネルギーに変えることができなくなるため、疲れがたまりやすくなります。
また、皮膚や粘膜を健康に維持するのに必要な栄養素なので、不足すると肌荒れの原因となることもあります。
松の実の健康と美容に期待する効果効能
薬膳料理や漢方にも使われている松の実には、オレイン酸やリノール酸、松の実にしかないピノレン酸といった良質な脂肪酸が豊富に含まれており、これらは健康や美容をサポートするのに重要な栄養素です。
それらの栄養をもとに松の実の効果効能をご紹介します。
髪を健康に保つ効果
松の実に豊富に含まれる亜鉛には、毛髪の主成分である「ケラチン」というたんぱく質を合成する働きがあります。
髪にツヤを与え、潤った髪にする効果があります。
また亜鉛は、育毛の分野でも注目されている成分で、髪を強くし薄毛や抜け毛を改善する効果も期待されています。
生活習慣病の予防
生活習慣病とは、がんや糖尿病、動脈硬化を原因とする心疾患・脳血管疾患などの疾患の総称です。
これらの発症には、活性酸素が体の細胞を傷つけることが関係しているとされています。
松の実に含まれるオレイン酸には、活性酸素を抑える働きがある抗酸化作用があり、また、ビタミンEにも同じく抗酸化作用があります。
オレイン酸は、不飽和脂肪酸という良質な脂質で、松の実には他にも、リノール酸という不飽和脂肪酸が含まれています。
これら不飽和脂肪酸は、血中のコレステロール値を下げる効果があるので、動脈硬化のリスクを減らし、心疾患や脳血管疾患の予防の効果が期待できます。
エイジングケア
エイジングケアに重要な抗酸化作用は、生活習慣病の予防にも効果がありますが、美容面でも重要です。
抗酸化作用のあるオレイン酸やビタミンEは、体中の細胞や成分の酸化を抑え、細胞を紫外線の刺激から守り、シミやシワができるのを防いでくれます。
また、リノール酸は、皮膚や髪に潤いを与える効果があります。
アレルギーや炎症の抑制効果
松の実にしか存在しない「ピノレン酸」という脂肪酸には、かゆみや炎症を抑え肌の細胞を活性化する作用があります。
アレルギーやアトピーにも効果が期待できるとされています。
ダイエット効果
松の実に豊富に含まれる食物繊維は腹持ちをよくし、ピノレン酸には食欲抑制ホルモンの分泌を促す作用もあるため、食べ過ぎを防止することができます。
また、エネルギー作りを促すビタミンB群やミネラルが豊富なので、代謝が上がり脂肪を燃焼しやすくする効果も期待できます。
松の実・くるみ・黒ゴマペーストは即効エイジングケア食!
SNSでツヤ肌ツヤ髪になると注目されている松の実・クルミ・黒ゴマで作るペーストは、
“1週間食べて効果がでる!”と、簡単にできるのに即効性がある美肌美髪ケアとして評判になっています。
さらに、美肌美髪ケア以外にも嬉しい効果があるのでご紹介します。
松の実・クルミ・黒ゴマペーストの嬉しい効果
・肌や髪の潤い・ツヤがアップ
・白髪の改善・育毛効果
・目の下のクマ改善
・便秘の改善
・妊活にもおすすめ
「クルミ」には、ビタミンやミネラルが豊富で、“強い髪”を作ります。特にビタミンB群は、体の組織をキレイに保つ効果があり、美肌効果が期待できます。
また、食物繊維で便秘改善、腸内環境を整えます。
「黒ゴマ」には、強い抗酸化作用があるセサミン、アントシアニン、ビタミンEが豊富なので、シワやたるみの原因となる活性酸素を抑制し、活性酸素そのものを取り除く働きをしてくれます。
ペーストのつくり方・食べ方
松の実・クルミ・黒ゴマを1:2:2の割合でミキサーなどで細かく挽いて混ぜ合わせるだけです。
これを毎日スプーン1杯食べる。
サラダにかけたりヨーグルトに混ぜたり、パンに塗ったり。
もちろんそのまま食べてもOK!
はちみつと一緒に食べると、さらに肌や髪に潤いが増します。
ペースト作りのポイント
・松の実とクルミはローストされていない生のものを使う
・塩がついてないものを選ぶ
・黒ゴマは粒、擦り、ペーストなんでもOK。擦りかペーストを使う場合は、挽く工程は省く
・作り置きは2週間分まで
ローストされたものより、生の方が潤す力が大きく美肌効果が期待できます。
また、作ってから時間が経ち過ぎると油が酸化してしまい、活性酸素が発生してしまうので、2週間以上の保存はやめましょう。
〈2週間分の量めやす〉
・松の実 大さじ2
・クルミ 大さじ4
・黒ゴマ 大さじ4
松の実の食べ方・レシピ
身体に嬉しい成分がたっぷり入った松の実は、そのままおやつとして食べてもいいですが、ソースにしたりお菓子や主食にも、手軽に取り入れて栄養アップすることができます。
松の実の間食の目安は、1日10~20g程度で、10gは50粒程です。
松の実は100gあたり690kcal程なので、食べ過ぎるとカロリーの過剰摂取になるので注意してください。
松の実ごはん
松の実をフライパンで薄く焼き色がつくまで煎ったら、お米と一緒に炊くだけ。
目安は、米2合に松の実30~40g程。
滋養によい主食になります。
雑穀感覚で取り入れてみてください。
ジェノベーゼソース
・バジル 50g
・松の実 10g
・ニンニク 1片
・粉チーズ 30g
・塩 小さじ1/2
・オリーブオイル 100㎖
1.フードプロセッサーに、松の実、ニンニク、オリーブオイル半量、粉チーズ、塩を入れ、細かくなるまで挽く
2.バジル、オリーブオイル残りの半量を1に加えてさらにペースト状にする
パスタやサラダ、揚げ物など、何にでも合う万能ソースです。
松の実とオートミールのクッキー
・松の実 20g
・オートミール 200g
・小麦粉 50g
・アーモンドプードル 50g
・ココナッツオイル 大さじ5
・水 大さじ6
・チョコレート 100g
・バナナ 2本
1.オートミール、小麦粉、アーモンドプードルを混ぜ、水、ココナッツオイルを入れ粉っぽさがなくなるまで混ぜる
2.バナナを輪切りにして少し潰す
3.チョコレートを包丁で細かくする
4.バナナ、チョコレート、松の実を1に加えて混ぜる
5.天板にスプーンで落とし形を整える
6.170℃のオーブンで20~25分焼く
オートミールで作る栄養アップのお菓子です。
まとめ
古くから薬膳や漢方にも使われ重宝されてきた「松の実」は、健康にはもちろん、美容やダイエットにも役立つ栄養素を豊富に含む万能食材です。
そのまま食べることはもちろん、ペーストやソースにすると、簡単に普段の料理に使えて便利ですよ!