くるみの驚異の健康・美容効果とは?栄養や効率のよい食べ方、レシピも。
くるみは、まろやかなコクと自然な甘みを楽しめるナッツです。お菓子やパンなどに使われるなど口にする機会の多い身近な食材ですが、オメガ3系脂肪酸のα-リノレン酸や食物繊維など豊富な栄養成分を含み、美容や健康、ダイエットなどに効果的な食材として注目されているナッツです。
ここでは、くるみの栄養とカロリー、食べる量の目安、生とローストの違いを解説します。ピーカンナッツやアーモンドとの比較、簡単な食べ方、保存方法も紹介します。
くるみとは?
くるみは、クルミ科クルミ属の木になる実で、硬い殻の中にある種子の部分を食べるナッツです。噛むほどにまろやかなコクが広がり、ほろっとした食感を楽しめます。自然な甘みと、薄皮由来のほのかな渋みも特徴です。味や食感は品種や加工方法によって異なります。
そのまま食べるほか、パンや焼き菓子、サラダ、和え物など、さまざまな料理に使われています。
くるみにはいくつかの種類があり、現在広く食べられている西洋系のくるみのほか、日本にはオニグルミなども自生しています。
くるみの歴史
くるみの原産地は古代ペルシャ地方、現在のイランであるといわれています。
紀元前7000年頃から食用とされていた最古のナッツで、後に、現在の主な生産地であるアメリカのカリフォルニアを中心に栽培されるようになりました。
世界に流通しているくるみの約2/3がカリフォルニア産になります。
日本でも、縄文時代の三内丸山遺跡からくるみが出土しています。当時利用されていた日本のくるみと、現在広く流通している西洋系のくるみは種類が異なりますが、くるみが古くから人々の食に関わってきたことがわかります。
現在も、くるみだれやくるみを使った郷土料理などに、その食文化が受け継がれています。
くるみの栄養・効果
くるみは、オメガ3脂肪酸がナッツ類の中で最も多く含まれています。
他にも、ビタミンEなどのビタミン類やマグネシウム、銅、亜鉛などのミネラルをはじめ食物繊維などバランスのよい栄養素が豊富です。
さらに、ポリフェノールやトリプトファンなどの抗酸化値がナッツ類の中で最も高く、また、コレステロールゼロ、低糖質でグルテンフリーな食材です。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、血液中の脂質濃度を下げ、コレステロールや中性脂肪を下げる効果があります。
それにより、血流をよくし、高血圧や動脈硬化などの心血管疾患の予防になります。
脂肪は敬遠されがちですが、エネルギーを産生し、水溶性ビタミンや抗酸化作用を持つカロテノイドの吸収を助けたりと、身体に必要な栄養素です。また、満腹感がえられるため食べ過ぎを予防できます。
約ひとつかみのくるみ(約28g)で、一日のオメガ3の摂取量が摂れます。
身体の中では作ることができないので食事からの摂取が必要です。
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化力をもつ栄養素です。
細胞の老化を防ぎ、血管や皮膚を健康に保ってくれます。
また、末梢血管を広げ血行をよくするので冷え性の改善が期待されます。
ビタミンB群
ビタミンB群は、糖や脂質、たんぱく質の代謝を助ける重要な栄養素です。
ビタミンB群と呼ばれるビタミンは8種類ありますが、その中でもくるみに多いとされているのは、葉酸、ビタミンB1、B6です。
葉酸は、ⅮNAの合成に必要で、妊婦さんが特に注意して摂るべき栄養素です。
また、「造血のビタミン」とも呼ばれ赤血球を作るのに必須なビタミンです。
ビタミンB1は疲労回復効果が期待できます。
ビタミンB6は皮膚や髪の毛の再生を助けてくれる働きがあります。
ミネラル類
ミネラル類は、身体の調子を整える栄養素のことで、無機質とも呼ばれます。
ミネラルは身体の中で作ることができないので食事から摂取しなくてはいけません。
くるみに豊富なマグネシウムは、骨を形成する成分のひとつで、他にも神経機能、筋肉の収縮、体温や血圧を正常に調整する助けをします。
亜鉛は、新陳代謝やエネルギー代謝などさまざまな働きをする栄養素です。
細胞の生まれ変わりに大きく関係しています。
体内のビタミンAの代謝も促進します。
亜鉛が不足すると肌の状態が悪くなり、抜け毛が増えたりします。
食物繊維
食物繊維は、腸内にたまった老廃物を体外へ排出する働きや、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあり、便秘の改善をしてくれます。
また、血糖値やコレステロールが上がるのを抑え、生活習慣病の発症を予防する効果が期待できます。
くるみの健康・美容効果とは?
くるみといえば、「オメガ3脂肪酸」ですが、他にも、ポリフェノールやトリプトファンも多く含まれており、健康維持や健康増進、また美容やダイエットなどに役立つ効果がたくさんあります。
生活習慣病の予防
生活習慣病とは、がんや糖尿病、心疾患や動脈硬化を原因とする心疾患・脳血管疾患などの疾患の総称です。
オメガ3脂肪酸には、悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロールを増やして、血液をサラサラにし、高血圧や動脈硬化の心疾患を予防する効果が期待できます。
さらに、ビタミンEやポリフェノールの抗酸化作用や食物繊維は、ガン発症や糖尿病の予防にも期待できることが明らかになってきています。
精神の安定・睡眠の質の向上
くるみに含まれるトリプトファンという成分は、代謝の途中でセロトニンを分泌します。
セロトニンは、脳内の神経伝達物質のひとつで、自律神経のバランスを整え精神を安定させる働きがあります。
また、「幸せホルモン」とも呼ばれ、心のバランスを整えストレスを軽減してくれるため、睡眠の質を高めてくれます。
さらに、くるみを食べるとメラトニンというホルモンの血中濃度が上がるといわれいます。
メラトニンには、体内時計を整え、夜になると自然と眠りに誘う効果があります。
★参考:National Library of Medicine「原発性睡眠障害の治療におけるメラトニンの効果」
美肌・美髪・エイジングケア効果
くるみには、ポリフェノールやビタミンEといった抗酸化作用をもつ栄養素が豊富です。
紫外線から肌を守りシワやシミを予防してくれるなど、細胞が酸化して錆びつくのを防いでくれる効果があります。
またオメガ3脂肪酸やビタミンB群は、皮膚の健康を保ち、ハリのある肌に導いてくれる効果があります。
髪の毛を作るのに必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルも豊富で、これらはハリのある強い髪を作る効果が期待できます。
特に亜鉛は、血行を良くし、育毛にも期待されています。
ダイエット効果
クルミには代謝を促すビタミンが豊富で、カロリーをエネルギーに換えやすくしてくれる効果があり、代謝が上がるので痩せやすい身体に近づきます。
また、くるみに含まれる良質な脂質、食物繊維やたんぱく質は、満腹感を与えてくれるので間食を抑えることができます。
疲労回復
くるみは、血流をよくする働きのあるビタミンEや抗酸化作用のある栄養素を多く含むので、細胞の新陳代謝を上げ、疲労した筋肉や細胞を回復させる効果があると考えられています。
また、ビタミンやミネラルは運動で消費したエネルギーを素早く補給します。
認知機能の改善
オメガ3脂肪酸は、脳の情報伝達に関わる細胞の膜に含まれ、神経の伝達に重要な役割をしています。
そのため脳の発達に必要な栄養を供給し、認知機能を助けます。
それにより認知機能の低下を改善してくれる効果が期待できます。
★参考:日本脂質栄養学会「ω3系脂肪酸と老化抑制」
くるみは1日何粒?食べる量の目安・効率のいい食べ方
くるみの効果を効率よく発揮するには、食べる量やタイミング、食べ合わせに注意するとよいでしょう。
くるみの適量・食べるタイミング
一日の理想的な摂取量は、ひとつかみくらいの7粒(約28g)がおすすめです。
多くても10粒程にしましょう。
これで約200kcal程度です。間食として摂るのにおすすめの量です。
食べ過ぎるとカロリー過多になるので注意しましょう。
食べる時間帯は、基本的にはいつ食べても大丈夫ですが、くるみは食物繊維が多く消化に少し時間がかかるので寝る直前は控えた方がよいです。
小腹が空いたときに食べれば少量で満腹感がえられます。
くるみの栄養成分を効果的に取り入れる食べ合わせ
[緑茶 or ブロッコリー]
・肝臓脂肪を減らす働きを高める食べ合わせ
[緑茶 or ラズベリー or りんご]
・糖尿病の予防効果を高める食べ合わせ
緑茶は、糖と脂肪の代謝を助ける働きを高めるので、健康効果が得やすい飲み物です。
くるみとピーカンナッツ・アーモンドの違い
くるみとピーカンナッツは、どちらもクルミ科のナッツです。形は似ていますが、味わいや栄養の特徴には違いがあります。アーモンドはバラ科の植物の実で、細長い形をしています。
【味・食感の特徴】
・くるみ ➡やさしい甘みとまろやかなコク、皮にほのかな渋みがある。
・ピーカンナッツ ➡くるみより渋みが少なく、まろやかな甘みとなめらかな口当たりが特徴。
・アーモンド ➡ほどよい歯ごたえがあり、噛むほどに風味を楽しめる。
【注目したい栄養素】
・くるみ ➡オメガ3脂肪酸の一種、α-リノレン酸
・ピーカンナッツ ➡一価不飽和脂肪酸
・アーモンド ➡ビタミンE、食物繊維
パンや料理にコクを加えたいときはくるみ、まろやかな甘みを楽しみたいときはピーカンナッツ、歯ごたえを加えたいときはアーモンドというように、好みや使い方に合わせて選んでみてください。
生くるみとローストくるみの違い
生くるみとローストくるみの主な違いは、焙煎の有無による香りと食感です。
生くるみは、やさしい甘みとまろやかなコクがあり、比較的やわらかな食感です。
そのまま食べるほか、ヨーグルトやサラダに加えたり、食べる直前に軽く煎って香ばしさを加えることもできます。
一方、ローストくるみは、香ばしさが引き立ち、カリッとした食感になります。
そのままおやつにしたり、料理やお菓子の仕上げのトッピングとしても使うことができます。
生くるみを家庭でローストする方法
生くるみは、フライパンやオーブンで手軽にローストできます。油は使わず、食べる分だけ加熱すると、できたての香ばしさを楽しめます。
どちらの方法でも、焼き上がりはしっかり冷ましてから食べると、カリッとした食感を楽しめます。
フライパンでローストする方法
〈手順〉
①油をひかないフライパンに、くるみを重ならないように広げる
②弱めの中火で2〜3分、絶えず混ぜながら炒る
③香ばしい香りが立ったらすぐに皿へ移し、冷ます
フライパンでは短時間で焼き色がつきます。火を止めた後もフライパンに置いたままだと余熱で焦げるため、焼けたらすぐに取り出してください。
オーブンでローストする方法
〈手順〉
①オーブンを150℃に設定し、くるみを天板に重ならないように並べる
②約15分焼き、途中で焼き具合を確認し、焼きむらがあれば軽く混ぜる
③香ばしい香りが立ったら取り出し、冷ます
オーブンの機種やくるみの大きさによって焼き上がりは変わります。
特に小さな欠片は焦げやすいので、10分ほど経ったらこまめに確認し、香ばしい香りが立ったところで取り出してください。
くるみの食べ方・簡単レシピ
くるみはそのまま食べるのが一番手軽で、くるみのおいしさを感じることができますが、素朴でクセのない味なのでお料理にも活用できます。刻んでサラダやヨーグルトに加えたり、野菜と和えたりと、くるみを加えるだけでアクセントになります。
やさしい風味を楽しみたいときは生のまま、香ばしさを加えたいときは軽くローストして使うのがおすすめです。
くるみとトマトの簡単サラダ
【材料(2人分)】
- ベビーリーフ 60g
- ミニトマト 4個
- くるみ 20g
- オリーブオイル 小さじ2
- レモン汁 小さじ1
- 塩 少々
【作り方】
①ミニトマトを半分に切り、くるみを粗く刻む
②ベビーリーフとミニトマトを器に盛り、くるみを散らす
③オリーブオイル、レモン汁、塩を混ぜてかける
くるみを軽くローストしてから加えると、香ばしさと歯ごたえが引き立ちます。
小松菜のくるみ和え
【材料(2人分)】
- 小松菜 約100g
- くるみ 20g
- しょうゆ 小さじ1
- 砂糖 小さじ1/2
【作り方】
①小松菜をさっとゆでて冷水にとり、水気をしっかり絞って食べやすい長さに切る
②くるみを細かく刻み、しょうゆ、砂糖と混ぜる
③小松菜を加えて和える
くるみのコクが小松菜によく合います。
くるみを細かく刻むと、全体に和えやすくなります。
くるみとチーズのポテトサラダ
【材料(2人分)】
・じゃがいも 2個(約250g)
・くるみ 20g
・クリームチーズ 40g
・きゅうり 1/3本
・マヨネーズ 大さじ1
・レモン汁 小さじ1
・塩・こしょう 少々
【作り方】
①じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、やわらかくなるまでゆで、湯を切り、温かいうちに軽くつぶす
②きゅうりは薄切りにし、塩少々を振って5分ほど置いてから水気を絞る
③くるみは粗く刻む
④じゃがいもにクリームチーズを混ぜ、粗熱が取れたらマヨネーズ、レモン汁、きゅうりを加える
④塩・こしょうで味を調え、最後にくるみを混ぜる
くるみを最後に加えると、歯ごたえが残ります。
香ばしさを楽しみたい場合は、くるみを軽くローストし、冷ましてから加えてください。
くるみ味噌
【材料】
・くるみ 40g
・味噌 大さじ2
・みりん 大さじ1
・砂糖 小さじ2
・水 大さじ1
【作り方】
①くるみを粗く刻む(生くるみを使う場合は、先にフライパンで軽く乾煎りして冷ます)
②小鍋に味噌、みりん、砂糖、水を入れて混ぜる
③弱火にかけ、焦がさないように混ぜながら2〜3分加熱する
④とろみがついたら火を止め、くるみを加えて混ぜる
くるみを最後に加えると、食感が残ります。味噌の塩味に合わせて、砂糖の量はお好みで調整してください。
くるみの香ばしさと味噌のコクが合う、甘辛い味付けの一品です。焼きおにぎりに塗るほか、ゆで野菜や豆腐に添えても楽しめます。
くるみとチョコの一口クランチ
【材料(約8個分)】
・板チョコレート 100g
・くるみ 30g
・コーンフレーク 20g
【作り方】
①くるみを粗く刻む(ローストする場合は、加熱後にしっかり冷ます)
②チョコレートを細かく割り、湯せんで溶かす
③くるみとコーンフレークを加えて混ぜ、クッキングシートの上にスプーンで8等分して置く
④冷蔵庫で20〜30分ほど冷やし固める
オーブンを使わずに作れる、くるみの食感が楽しいスイーツです。
ビターチョコレートを使うと、甘さを控えめに仕上げられます。
くるみを食べるときの注意点
くるみはカロリーが高いため、食べる量を決めて楽しみましょう。
くるみアレルギーがある方は食べないでください。
また、窒息の危険があるため、5歳以下の子どもには与えないようにしましょう。
くるみの保存方法
くるみは高温や湿気を避け、未開封の場合はパッケージの保存表示に従って保管しましょう。
開封後は袋の口をしっかり閉じるか、密閉容器に移して冷蔵庫へ。長く保存したい場合は、使う分ずつ小分けにして冷凍する方法もあります。風味を楽しむためにも、開封後は早めに食べ切りましょう。
よくある質問
Qくるみは生で食べられますか?
A.はい。そのままお召し上がりいただけます。軽くローストすると香ばしさが増すので、お好みに合わせてお楽しみください。
Q.くるみは1日何粒くらい食べればいいですか?
A.間食に取り入れるなら20〜30g程度を参考にするとよいでしょう。殻を除いたくるみ6〜7粒分が目安です。大きさによって差があるため、食べる量が気になる場合は重さで確認しましょう。
Q.生くるみとローストくるみは、どちらがおすすめですか?
A.やわらかな食感を楽しみたいなら生くるみ、香ばしさやカリッとした食感が好きならローストくるみがおすすめです。ヨーグルトやサラダには生のまま、お菓子や料理には軽くローストするなど、用途に合わせて選べます。
まとめ
くるみには、植物由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸や、食物繊維、ミネラルなどが含まれています。そのまま食べるほか、サラダやお菓子、くるみ味噌などにも使える食材です。食べる量を決め、毎日の食事に取り入れてみてください。