クコの実(ゴジベリー)とは?栄養や期待される効果、1日の目安・食べ方を解説

クコの実またはゴジベリーと白器

杏仁豆腐の上に添えられた、小さくて赤い実。それがクコの実です。

海外では「ゴジベリー」とも呼ばれ、ほんのり甘酸っぱい味わいと鮮やかな赤色が特徴です。中国料理には欠かせない食材で、古くから「長寿の果実」や「不老不死の実」と呼ばれ、薬膳に使われるなど栄養バランスの優れたスーパーフードとして海外セレブにも注目されている果実です。

ここでは、クコの実の特徴や栄養、美容や健康に期待されてい効能、食べ方や簡単レシピをご紹介します。

クコの実とは?

クコの実は、中国やモンゴル原産のナス科の植物になる果実です。
枸(カラタチ)のようなトゲがあり、杞(コリヤナギ)のように枝がしなやかであることから枸杞(クコ)と名付けられたといわれています。
1cmほどの楕円形の赤い実をつけ、この赤い実を乾燥させたものが枸杞子(クコシ)と呼ばれています。

海外では「ゴジベリー」という名で広く親しまれています。日本では、杏仁豆腐の上に添えられた赤い実として見かけることが多いでしょう。


クコの実の味や食感

生でも食べられますが、独特の苦みがあるため、一般的に流通しているのは乾燥させたドライフルーツです。
乾燥させたクコの実は、ほのかな甘みとやさしい酸味があり、噛むとほどよい歯ごたえがあり、干しブドウのような食感が特徴的です。そのままでも食べられますが、水やお湯で戻すとふっくらとやわらかくなります。味の主張が強すぎないため、ヨーグルトやお粥、スープなどにも合わせやすい果実です。


クコの実の歴史

クコの実の歴史は古く、中国では紀元前200年頃にはすでにクコに関する記載が存在していたと言われています。古代中国では「長寿の果実」「不老不死の実」として珍重され、薬膳や漢方の世界で重要な果実だったとされています。

特に有名なのが、世界三大美女の一人、楊貴妃が、美しさを保つために毎日クコの実を食べていたという伝説は、現代まで語り継がれています。

中国医学においては、数千年にわたって「滋陰」の効果を持つ生薬として活用され、体の内側から健康を保つための食材と重宝されていました。

日本に伝わったのは平安時代とされ、健康志向が高かったといわれる徳川家康も愛用していたことが知られています。

近年では、海外でも「ゴジベリー」という名でスーパーフードとして注目され、美容や健康志向の高い方たちから人気を集めています。


クコの実の主な栄養成分・効果・効能

乾燥したクコの実には、ゼアキサンチンなどのカロテノイドのほか、食物繊維や20種類以上のビタミン、ミネラルが含まれています。
クコの実に含まれる栄養成分を詳しくみてみましょう。


ミネラル

ミネラルは無機質ともいわれ、5大栄養素のひとつです。
それぞれ健康を維持する様々な機能を持ち、多くのミネラルをバランスよく摂取することが重要です。

クコの実には多くのミネラルが豊富に含まれ、特にカリウム・鉄・マンガン・銅・亜鉛・マグネシウムはドライフルーツの中でもトップクラスの含有量です。

カリウムは、細胞の浸透圧を維持し、水分を保持する働きがあります。余分な塩分を尿中へ排泄し血圧を下げる働きがあるとされています。

マンガンは、体内でのさまざまな代謝の酵素活性にかかわるため、体内の機能維持に必要な栄養成分です。

鉄は、ほとんどが、赤血球を作るヘモグロビンの成分となります。
赤血球のヘモグロビンは酸素と結びついて全身をめぐり、体のすみずみまで酸素を運ぶ働きがあります。
それにより、貧血の予防や、肌のたるみやシワしみ、抜け毛を防いでくれるはたらきが期待できるとされています。
成人女性の5人に1人は鉄欠乏といわれており、積極的に摂取したい成分です。


ビタミンA

クコの実には、10gあたり約800μgのβカロテン(ビタミンA)が含まれています。
これは、成人女性が1日に必要とされる摂取量に相当します。
βカロテンは体内でビタミンAに変わります。皮膚や粘膜を健康に保つはたらきにより、シミやしわ、肌荒れなどのトラブルを防ぐと共に、細菌やウイルスなどの外敵に対する抵抗力を高め、かぜなどの感染症にかかりにくくするはたらきがあるとされています。


ビタミンE

ビタミンEは、細胞膜に多く含まれる不飽和脂肪酸が酸化して有害な過酸化脂質に変わるのを防ぎ、細胞や血管の健康維持、エイジングケアに力を発揮します。
また、末梢血管を広げ血行を促すはたらきにより、冷え性の改善が期待されています。


ビタミンB群

ビタミンB群には、ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・葉酸・パントテン酸などがあり、主に、エネルギー代謝、産生に関わる働きがあります。
特に葉酸は細胞分裂に重要で、妊娠初期には積極的に摂ることが薦められています。
また「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球を造るのに必要な栄養素です。


ベタイン

クコの主成分であるベタインは、天然に存在するアミノ酸の一種であり、食事による摂取でその摂取量に応じて血中濃度が高まることが確認されています。

吸湿性と保湿性が高く、浸透性に優れるため、化粧品などにも用いられ、肌や髪に弾力と潤いを与えてくれる成分です。

また、「トリメチルグリシン」とも呼ばれ、スポーツ向けのサプリメントやプロテインに配合されることもあります。成長ホルモンを活性化し、筋肉量の増加をサポート 、代謝を促し体脂肪の燃焼を効率的にするはたらきがあるとされています。


ゼアキサンチン

ゼアキサンチンとは、自然由来の黄色または赤色の色素であるカロテノイドの1つで、紫外線やブルーライトなどの刺激から目を守る働きがあるとされています。加齢とともに減少しやすいため、日常の食事で意識的に摂ることが大切です。

★参考:МDPI「クコの実の摂取は健康な成人の黄斑色素光学密度を増加させる」


クコの実のカロリーや糖質は?

乾燥クコの実は、100g当たり349kcal、炭水化物77.1g、食物繊維13.0gです。炭水化物から食物繊維を差し引いて計算すると、糖質は約64gになります。10g当たりに換算すると、約35kcal、糖質約6.4gが目安です。


★参考:米国農務省「USDA National Nutrient Database for Standard Reference, Release 28」(「Goji berries, dried」、NDB No. 09110)


クコの実の「肝と腎」に効く優れた美容・健康効果とは?

クコの実は、「肝と腎」によいとされる生薬のひとつです。
「腎」とは腎臓のみをさしているわけではなく、「泌尿器系・ホルモン系・免疫系・生殖系・水分代謝・骨代謝・髪・耳・足腰」などの機能や状態を支え、「生長・発育・老化・生殖」などを指します。
「肝」は、「美容と眼」です。
小さな実ですが、「生命の根本」に優れた効果がある果実なのです。
その効果をみてみましょう。


美白美肌・美髪・保湿効果

クコの実には、強い抗酸化作用をもつカロテノイドという色素成分の一種である「ゼアキサンチン」が豊富に含まれています。
抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンA、Eも豊富で、ストレスや紫外線などで増えた活性酸素の働きを抑えてくれます。
さらに、美容のビタミンと呼ばれるビタミンB2も豊富で、髪、皮膚、爪などの再生を助けてくれます。
また、アミノ酸の一種の「ベタイン」には、保湿効果がありお肌や髪の潤いを守ってくれます。
美白効果もあるといわれ女性には嬉しい効果がいっぱいです。


ダイエット効果

アミノ酸の一種の「ベタイン」には、糖が吸収されるのを防いで血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。それにより、糖質を体脂肪にするのを抑えてくれます。
さらに、代謝に関わるビタミンが多く含まれ、糖質をエネルギーに変えてくれるので、ダイエット効果が期待できます。


眼精疲労の改善

ビタミンAとゼアキサンチンには、ブルーライトなどの有害な光を吸収して眼を守る働きがあります。
クコの実は、中国では「明眼子」ともいわれ、眼精疲労の生薬としても使われています。


疲労回復・免疫力アップ効果

クコの実に含まれる豊富なビタミンやミネラルは、代謝を促しエネルギーを作り出してくれます。
疲労回復や疲れにくい身体づくりに役立ち、また、ビタミンCは免疫力を上げる働きがあります。


その他

・男女の生殖器の働き、ホルモンバランスなどのコントロール
・背筋や腰の筋肉、下半身の力
・排尿排便の調節

など、男性にも女性にも助かる効果が期待できます。


クコの実は1日何粒?食べる量の目安

一日の摂取量の目安は、10~20粒程です。
健康効果があるとされているクコの実ですが、食べ過ぎると副作用が起こることがあります。
また、以下の方たちは注意が必要です。

《妊娠中や授乳中の方》 クコの実に含まれるベタインの作用で、早産のリスクが高まる可能性があるといわれています。妊娠中や授乳中の方は控えた方がいいでしょう。

《低血圧の方》 血圧を下げる作用があります。注意が必要です。

《胃腸の弱い方》 クコの実はナス科の果実です。ナス科は身体を冷やす作用があり、食べ過ぎるとお腹を下してしまう可能性があります。胃が弱っている時やお腹を下しやすい方は注意が必要です。

《薬を服用している方》 血圧の薬、糖尿病の薬、抗凝血剤などの薬を服用している方は医師とご相談ください。


クコの実の戻し方

乾燥したクコの実は、水で戻さずにそのまま食べられます。やさしい甘みと、少し噛みごたえのある食感を楽しめるので、おやつやシリアルのトッピングにもおすすめです。かたさが気になる場合や、料理になじませたい場合は、水分を含ませてから使いましょう。


戻し方

1.クコの実をサッと水で洗う
2.容器にクコの実と適量の水を入れ20~30分程おく

このくらいの時間で芯が残るくらいに戻ります。
お好みで時間は調節してください。
早める場合はお湯で戻してもОKです。

戻し汁は、お茶やスープに加えて楽しむこともできます。


スープやヨーグルトに使うときの戻し方

スープやお粥に入れる場合は、乾燥したまま加えても、調理中に水分を吸ってやわらかくなります。
ヨーグルトに混ぜる場合は、冷蔵庫で数時間から一晩置くと、ふっくらとした食感に。サラダや杏仁豆腐など、水分の少ない料理にやわらかい実を添えたいときは、先に水で戻しておくと使いやすくなります。

《用途別》
・サラダに使う ➡ 酢で5~10分程戻す
・スープに使う ➡ そのまま一緒に鍋に入れて煮る
・焼き菓子に使う ➡ ブランデーやラム酒で一晩漬ける


クコの実の食べ方・簡単レシピ

クコの実はそのまま食べるほか、ヨーグルトやオートミールに加えたり、温かいスープやお粥には、調理中に加えると実が水分を含んでやわらかくなります。サラダに散らせば、彩りとほのかな甘みを添えられます。かたさが気になる場合は、先に水で戻してから使いましょう。
また、紅茶やハーブティーに少量加えると、飲み物と一緒にクコの実も楽しめます。
スムージーに使う場合は、水で戻してから果物などと一緒に混ぜると、なじみやすくなります。


クコの実とナッツのヨーグルト

【材料】
・プレーンヨーグルト 100g
・クコの実 10粒程度
・お好みのナッツ 5g
・はちみつ お好みで少量

【作り方】
①器にヨーグルトを入れ、クコの実と刻んだナッツをのせる
②甘みを足したい場合は、はちみつを少量かける

クコの実をやわらかくしたいときは、ヨーグルトに混ぜて冷蔵庫でしばらく置いてから食べましょう。


クコの実の薬膳グラノーラ

【材料】
・オートミール 200g
・カシューナッツ 40g
・松の実 20g
・アーモンド 30g
・クコの実 30g
・レーズン 30g
・クランベリー 30g
・プルーン 4個
・なつめ 4個
・はちみつ 20g
・メープルシロップ 40g
・ココナッツオイル 40g
・米粉 20g

【作り方】
①オーブンを160℃に予熱し、なつめ、プルーン、カシューナッツ、アーモンドは食べやすい大きさに切る
②ボウルにオートミール、なつめ、カシューナッツ、アーモンド、松の実を入れ、はちみつ、メープルシロップ、ココナッツオイル、米粉を加え、全体にからむようによく混ぜる
③オーブンシートを敷いた天板に薄く広げ、160℃のオーブンで25〜30分焼く
④途中で2回ほど全体を混ぜ、焼き色を均一にする
⑤焼き上がったら粗熱を取り、クコの実、レーズン、クランベリー、プルーンを混ぜ合わせる

完全に冷めてから密閉容器に入れてください。

ナッツの香ばしさと、クコの実やドライフルーツの甘酸っぱさを楽しめるグラノーラです。
ナッツやドライフルーツの種類は、お好みや手に入りやすいものに替えても楽しめます。


クコの実と塩昆布茶

【材料】
・クコの実 3~5粒くらい
・塩昆布 ひとつまみ

【作り方】
①カップにクコの実と塩昆布を入れる
②お湯を注ぐ

注ぐだけのカフェインレス美肌茶のできあがりです!
少しおくとクコの実が柔らかくなり食べやすくなります。


杏仁豆腐

【材料】
・牛乳 300㎖
・杏仁霜 20g
・砂糖 30g
・粉ゼラチン 5g
・クコの実 4粒

【作り方】
①クコの実を水に10分ほど浸して戻し、粉ゼラチンは水大さじ2に振り入れ、ふやかしておく
②鍋に杏仁霜と砂糖を入れ、牛乳を少しずつ加えながら、ダマにならないように混ぜる
③中火にかけ、ヘラで混ぜながら沸騰直前まで温め、火を止め、ふやかしたゼラチンを加えてよく溶かす
④器に注いで粗熱を取り、ラップをして冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める
⑤水気を切ったクコの実をのせる

クコの実の赤色が映える、ぷるんとした食感の杏仁豆腐です。

牛乳は沸騰させず、ゼラチンが溶けたら火を止めましょう。


手羽元で作るサムゲタン風スープ

【材料(2人分)】
・クコの実 6粒
・手羽元 2本
・長ねぎ 1/3本
・米 20g
・水 500ml
・すりおろしにんにく 小さじ1/3
・すりおろししょうが 小さじ1/2
・鶏ガラスープの素 小さじ2
・白ごま お好みで

【作り方】
①米を軽く洗い、長ねぎは5cmほどの長さに切り、縦に細く切る
②鍋に水、米、にんにく、しょうが、鶏ガラスープの素を入れて火にかける
③沸騰したら手羽元を加え、ふたをして弱火で20〜30分ほど煮る
④米がやわらかくなり、手羽元の中心まで火が通ったら、長ねぎとクコの実を加え、さらに1〜2分煮る
⑤器に盛り、お好みで白ごまを振る

手羽元と少量のお米を煮込んだ、やさしい味わいのスープです。クコの実が彩りのアクセントになります。

煮詰まった場合は、途中で水を少し足して調整してください。


クコの実・くるみ・松の実のはちみつ漬け

【材料】
・クコの実 20g
・くるみ 30g
・松の実 30g
・はちみつ 適量

【作り方】
①くるみと松の実をフライパンで乾煎りする(焦げないように注意)
②1を容器に入れ、クコの実を入れる
③はちみつを浸るまで入れる

1週間程したらできあがりです。
エイジングケア抜群のはちみつ漬け!そのままでも、トーストしたパンの上にのせても美味しいです。


クコの実と卵の中華スープ

【材料(2人分)】
・クコの実 10〜15粒
・卵 1個
・水 400ml
・鶏ガラスープの素 小さじ1
・刻みねぎ 適量

【作り方】
①鍋に水と鶏ガラスープの素を入れて火にかける
②沸いたらクコの実を加え、3〜5分ほど煮る
③溶き卵を少しずつ流し入れ、卵に火が通ったら器に盛り、刻みねぎを散らす

クコの実の赤色が映える、やさしい味わいのスープです。


まとめ

「肝と腎」の生薬「クコの実」は、生命に重要な効果が期待できる栄養素が豊富な果実です。
一日の摂取量を守り、健康な体作りに取り入れてみてください。


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