スーパーフード「カカオニブ」の栄養・効果、おすすめの食べ方を紹介!
健康や美容に対する効果が高く、スーパーフードとして世界的に注目されはじめてる「カカオニブ」。
カカオニブはチョコレートの原材料で、チョコレートよりもカカオ豆本来の良い栄養成分を効果的に取り入れることができます。
最近は、オーガニックのショップや輸入ショップで見かけるようになり日本でも注目されてきています。
ここでは、カカオニブの栄養・効果、食べ方やレシピ、ローカカオニブの魅力をご紹介します。
カカオニブとは?
カカオニブとは、カカオ豆を細かく砕いたものです。
具体的には、カカオの実[カカオポッド]の中には、果肉[カカオパルプ]と種子であるカカオ豆が入っているのですが、この果肉と種子をともに発酵・乾燥させ(これによりチョコレートの香りや風味がでます)、この種子[カカオ豆]を細かく砕き、胚芽[ジャーム]と皮・殻[ハスク]を取り除いたものが「カカオニブ」です。
カカオニブはカカオ豆の胚乳にあたり、カカオ豆そのものといえます。
カカオニブとカカオビーンズ(カカオ豆)との違いは?
カカオ豆(カカオビーンズ)は、チョコレートやココアの主原料となり、カカオ樹になる果実の中にある種子です。
カカオの学名は「テオブロマ・カカオ」。
テオブロマとは「神様のたべもの」という意味で、昔は王様や貴族、またはお金持ちだけが食べることができた大変貴重なものでした。
カカオニブとの違いについては、先にも述べたように、カカオニブはカカオ豆を砕いたものなので、カカオ豆そのものです。
カカオニブとカカオ豆は品質的には変わりはありません。
カカオの品種
カカオ豆は、産地、品種によって大きくことなります。産地が同じでも土壌や気候によって違いがあります。
最近では、こだわりのチョコレートということで産地や品種を説明して販売していることが増えてきています。
品種は、栽培カカオの系図は3種が源流といわれています。
・クリオロ種
・フォラステロ種
・トリニタリオ種
以下で特徴を説明します。
クリオロ種(CRIOLLO)の特徴
メキシコ、中央アメリカ、西部ベネズエラに昔から生育していたもので、特に、メキシコ南部からニカラグアで多く産出しています。
栽培が非常に難しい種で、病害虫に極めて弱く、ほとんどが病害で死滅しています。
豆は「フレーバービーンズ」として珍重され、独特の香りがあります。
品質が良く、大変貴重な豆として扱われています。
現在は、ペルー、エクアドル、ベネズエラ、メキシコなどにごく少量生産されています。
色は、成熟すると赤または黄色になります。豆は丸く、苦味がすくないのが特徴です。
フォラステロ種(FORASTERO)の特徴
原産地は南アメリカのアマゾン渓谷、オリノコ渓谷等です。
栽培は容易で、病害虫に耐性が強く、成長早くのが特徴です。現在、世界の主流となっている品種で、おもに西アフリカや東南アジアなどで栽培されています。
色は、緑から成熟すると黄色になります。豆は偏平型で、苦味が強いのが特徴です。
主なフォラステロ種の品種には、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、ブラジルがあり、これらは「アマゾンフォラステロ」とよばれることがあります。
派生種には、花の香りに特徴を持つエクアドル(アリバ)があります。
トリニタリオ種(TRINITARIO)の特徴
クリオロ種とフォラステロ種を交配させた品種で、良い特徴を受継いだハイブリッド種です。
栽培は容易であり、質も高く、チョコレートのブレンド豆として必要不可欠な豆です。
トリニダッド島で交配された品種で、おもにトリニダッド、ベネズエラ他の中南米地域で栽培されています。
カカオニブの栄養・効果
カカオニブには、食物繊維、マグネシウムや鉄などのミネラル、オレイン酸、カカオポリフェノール、テオブロミン、リグニンなど健康・美容をサポートする栄養素が豊富です。
カカオポリフェノール
カカオポリフェノールは、強い抗酸化作用により活性酸素を抑え、細胞の老化を防ぎ、シミ・しわを予防してくれる効果があります。
また、血管を拡げ血圧を下げ、血管に脂肪が溜まるのを防ぎ、動脈硬化などを予防してくれる効果も期待できます。
テオブロミン
テオブロミンとは、カカオの学名「テオブロマ・カカオ(神の食べ物)」から由来しています。
カカオ特有の苦み、香り成分のことで、
大脳を刺激して集中力や記憶力などを高めてくれる働きがあります。
また、幸せホルモンと呼ばれている神経伝達物質の「セロトニン」に働きかけ、精神を安定、安心させる効果があります。
血管拡張作用もあり、体温を上げてくれるので冷え性を改善してくれます。
また、利尿効果もあるといわれています。
リグニン
リグニンは、不溶性食物繊維の一つです。
体の中で消化せれないので、腸のぜん動運動を助け便秘を改善する効果や、腸内細菌を増やし腸内環境を整えてくれます。
また、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる働きもあります。
マグネシウム
カルシウムとともに骨や歯の材料となります。
体内で酵素を活性化させ代謝をサポート、体温を維持したりと様々な生体反応に関わっています。
オメガ9系脂肪酸
オメガ9(オレイン酸)は不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロールを減らし心疾患などの生活習慣病を予防する効果が期待できます。
オメガ9は酸化しにくい脂質です。
〈カカオニブ〉と〈ローカカオニブ〉の違い
カカオニブとローカカオニブ。
どちらもカカオ豆を発酵、乾燥させるところまでは同じで、その後の加工方法が違います。
ローカカオニブの魅力をみてみましょう。
ローカカオニブとは?
ローカカオニブの"ロー"とは、「Raw(生)」という意味です。
加熱されていない生のままか、低温加工して砕いたものが、ローカカオニブです。
通常のカカオニブは、発酵、乾燥したあと、焙煎し、砕きます。
焙煎は、120度以上の高温の加熱加工になるので、熱に弱い栄養素が失われたり、効果が減少したりします。
その点、ローカカオニブは、生のままか低温加工なので、優れた栄養素を損なわず摂ることができます。
特に酵素は熱に弱く、70度を超えると酵素の力は失われるといわれています。
またビタミンCなども熱により効力が減少します。
そのため、カカオニブの栄養を十分に取りたい方はローカカオニブがおすすめです。
恋愛ホルモン『フェニルエチルアミン(PEA)』
PEAは、恋愛ホルモンやときめきホルモンと呼ばれる物質で、人が恋をすると脳から分泌されて恋愛したときのウキウキした気分や高揚感を誘発します。
PEAには多くの効果があり、その一つにダイエット効果があります。
PEAの働きで満腹中枢を刺激し、空腹を感じにくくします。
恋をすると「食事が喉を通らない」と言うのは、PEAの食欲を抑える働きが影響しているのです。
さらに、脂肪の燃焼や代謝をよくし、痩せやすい体をつくるといわれています。
PEAは熱により減少してしまうので、ローカカオニブでは効率よく摂ることができます。
ローカカオニブを効果的に摂る方法は!
・高温での加工をしない
・乳製品を加えない
ローカカオニブは高温調理をすると栄養素が損なわれてしまうため、低温調理やそのままでの利用がおすすめです。
また、乳製品はローカカオニブに含まれている栄養素を吸収しづらくするため、合わせるのであれば乳製品の代わりに、豆乳かココナッツミルク、アーモンドミルクなどがおすすめです。
カカオニブの一日の摂取量
カカオニブの一日の摂取量の目安は、だいたい体重10kgあたり小さじ1杯程度といわれています。
カカオニブには、脂質・カフェイン・テオブロミンという成分が多く含まれています。
脂質は摂りすぎるとカロリーオーバーになります。
カフェインやテオブロミンは気管支拡張作用や利尿、興奮作用があり、リラックスさせたり、集中力をアップしてくれたりする成分なのですが、カフェインはお茶やコーヒーからも摂取されるので、食べ過ぎるとカフェインの摂りすぎになってしまう場合も。
とくに妊婦さんや小さいお子さんは注意が必要です。
カカオニブの食べ方・レシピ
カカオニブは、チップ状のチョコレートのような見た目で、食感は硬くナッツのようです。
甘みは一切なく、本来のカカオの苦みや香りが楽しめるのが魅力です。
ナッツやスナックのようにそのまま食べると栄養をダイレクトに補給できます。
甘みが欲しいという場合はお菓子作りの材料にするなどいろいろ活用できます。
カカオニブとオートミールのクッキー
・カカオニブ 20g
・豆乳 30㎖
・砂糖(甜菜糖など天然のもの) 15g
・オートミール 100g
・オリーブオイル 15㎖
1.ボールに材料を全部入れ、混ぜる
2.混ぜた材料をクッキングシートを敷いた天板に厚さ3~5㎜ほどに広げる
3.180℃に予熱したオーブンで15分~17分程度加熱する
4.温かいうちに包丁でお好みの大きさに切り分ける
甘さ控えめのチョコ風味のクッキーのできあがりです。
カカオニブのはちみつ漬け
・カカオニブ お好み
・はちみつ 適量
1.保存瓶にカカオニブをいれる
2.はちみつをカカオニブが浸る以上でお好み量いれる
3.蓋をして漬けておく
日ごとにカカオニブの苦みや酸味がまろやかになり、5日くらいすると高カカオチョコレートのような味わいに。
パンに塗ったり、アイスクリームにかけたりと作っておくと便利です!
カカオニブとごぼうのサラダ
・カカオニブ 大さじ2
・ごぼう 1本
・にんじん 1/2本
・マヨネーズ 大さじ3
・胡麻ドレッシング 大さじ2
・塩コショウ 少々
1.ごぼうとにんじんを千切りにし、3分程茹でる
2.お湯を切って水分をとり、塩コショウで下味をつける
3.冷めたらマヨネーズと胡麻ドレッシングを加え混ぜる
4.器に盛ったらカカオニブを散らす
いつものごぼうサラダにアクセント!
マヨネーズとも相性ヨシです。
まとめ
チョコレートの原材料であるカカオニブは、カカオ本来の栄養素をすべて摂ることができます。
ただし、高熱を加えたりなどの加工をするとせっかくの栄養が損なわれてしまいます。
スーパーフードとしての優れた栄養を全部摂りいれたいならローカカオニブがおすすめです!