ココナッツの栄養、効果効能、チップスやオイルなど、レシピも。

ココナッツ チップ オイル ファイン

ココナッツオイルミルクココナッツチップスなど、いろいろな形で楽しめる「ココナッツ」。

ココナッツはココヤシの実で、たくさんのミネラルや食物繊維、話題の中鎖脂肪酸など、カラダに嬉しい栄養素が豊富です。

ココナッツは、捨てる部分がなく地球環境に優しいエコな植物としても注目されています。

ここでは、ココナッツの栄養効果効能食べ方レシピをご紹介します。

ココナッツとは?歴史

ココナッツは、ヤシ科ココヤシ属で、「ココヤシ」という常緑高木にできる「ヤシの実」のことをいいます。
主な産地は、インドネシアやフィリピンなど熱帯性気候の暑い地域です。

ヤシ類は人類が誕生するよりも前の、1臆2000万年前の白亜紀に発生したといわれています。
全部で3000種類以上ある中の一つが「ココヤシ」です。
ココヤシは、ポリネシアから熱帯アジアが原産とされています。
成熟して落下したココナッツは海水によく浮かぶので、海水によって遠方の沿岸地まで運ばれて根付き、広がっていったと考えられています。

日本で、ココナッツの加工品であるココナッツミルクが食材として知られるようになったのは、1980年代のエスニック料理のブームからといわれています。


ココナッツとヤシの実の違いは?

本来ヤシの実は、様々なヤシ科の植物を指しますが、最も代表的なヤシ科の植物がココナッツのため、一般的にヤシの実というとココナッツの実を指すことが多いです。


ココナッツの生育条件と栽培環境

ココヤシの生育地域は東南アジアや中南米、南米、アフリカ西海岸などの熱帯・亜熱帯の地域で、赤道を挟んで南北25度のココヤシがよく育つ地域は「ココナッツベルト」と呼ばれています。
生育条件として、年間の平均気温が20℃以上、日照時間が2000時間以上、降水量は1500ml以上が必要です。


ココナッツはエコ!?

ココナッツは、地球環境への影響、廃棄物、生産性など、様々な面でエコな植物です。
《生命の木》と呼ばれ、昔から「ココヤシの木があれば家族が一生食べていける」といわれるほど生産性が高く、日常生活を支える重要な植物なのです。


農薬や化学肥料がいらない!

ココヤシは、海のそばに自生していることが多く、海水に含まれるミネラル類を吸収して成長します。
そのため、ココヤシの生育には農薬や化学肥料を使用する必要がありません。
通常の植物が塩害で育たない沿岸部でも生育することができ、内陸部のココヤシには肥料の代わりに塩をまくこともあります。
塩分は、ココヤシの生長を促し、雨が少ない時は保水性を高める役割をしてくれます。


自然や生態系に優しい!

ココヤシは、背が高いので適度な日陰を作り、また、根が横に広がらないので、他の植物のジャマをせず他の植物と共生することができます。
また、ココヤシの下では、マンゴーやバナナなどの果物、カカオやコーヒーなどのマメ科の樹木、サツマイモやカボチャなどの野菜や、ハーブなどの栽培ができます。
さらに、ココヤシの林の中では、鶏の飼育、牛やヤギなどの家畜も同時に行うことができ、土地を有効に使うことができます。
また、海のそばに生育しているため、大きな波をココヤシが受け止め内陸への被害を抑えるという役割も果たしています。


様々な材料に!

ココナッツオイルはバイオディーゼルへ、ココナッツの外側の殻は豆炭へ。
これにより、安価で二酸化炭素の排出量も最小限に抑えられ、木を伐採する必要がないので森林を守ることができます。
他にも、茎の葉は家屋、船舶、家具などの建材になり、外皮の繊維は家屋の断熱材に。
ココナッツを収穫した後の廃棄物は、土がなくても果物や野菜が育てられる園芸資材「ココナッツシート」が作られます。
ココヤシは捨てるところがない植物なのです。


ココナッツの栄養・効果効能

ココナッツは、海水に含まれる栄養を吸収して成長するため、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、カルシウムなどのミネラル類が豊富に含まれています。
さらに、ⅯCTオイルとして話題の脂質 ❝中鎖脂肪酸❞ や食物繊維など、身体に嬉しい効果が期待できる栄養素が豊富です。


ダイエット効果

ココナッツに含まれる中鎖脂肪酸は、一般の脂肪酸よりも
約4倍も速く分解され、短時間でエネルギーになるので、脂肪の蓄積を防止する効果が期待できます。
ココナッツは、体脂肪が気になる方や体型を維持したい方におすすめです。


免疫力のアップ

ココナッツの中鎖脂肪酸には、優れた抗菌・抗酸化作用があります。 ウイルスや細菌などから身を守り、免疫力を高めて健康な体を維持する効果が期待できます。


認知機能の改善

ココナッツに含まれる中鎖脂肪酸が肝臓で分解されるとき、ケトン体という物質が生成されます。
ケトン体とは、糖と同様に身体のエネルギーになるもので、加齢により糖を使う機能が低下するといわれていますが、その代わりに、ケトン体が脳のエネルギー源として使われると、認知機能が向上する効果があると考えられています。


便秘の改善

ココナッツには食物繊維も含まれています。
食物繊維は、胃で消化されず大腸まで届き、腸のぜん動運動を活発にし排便を促します。
また、脂質、糖、ナトリウムなど老廃物を体外に排出する働きもあるといわれています。


むくみの解消

ココナッツのミネラルで特に注目なのが、カリウムです。
カリウムは、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。
また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、体外へ排出する働きがあり、むくみを解消してくれる効果が期待できます。
さらに、血圧を下げる効果も期待できます。


ココナッツの食べ方

ココナッツの実の内部には、固形の胚乳と液状の胚乳がつまっています。
この2つの胚乳が可食部で、未成熟のココナッツの固形胚乳は柔らかく、果肉として生食することができます。
ほかにも、様々な形で食品として楽しむことができます。
主な加工品をみてみましょう。


ココナッツチップス

ココナッツチップスは、ココナッツの固形胚乳を乾燥させたものです。
ココナッツのミネラル、脂肪酸、食物繊維など栄養素をそのまま摂ることができます。
スイーツに利用したり、そのままでもおいしく食べられます。


ココナッツファイン

ココナッツファインは、ココナッツの固形胚乳を粗挽きにしたものです。
サクサクとした食感で、グラノーラやクッキーのトッピングなどにも使われることが多いです。
ココナッツファインをさらに粉状にしたものがココナッツパウダーです。


ココナッツオイル

ココナッツオイルは、成熟したココナッツの胚乳を圧搾した後、水分と油分を分離させて油分だけを抽出したものです。
他の油と比べて酸化しにくく、脂肪の燃焼を助ける飽和脂肪酸が豊富に含まれているのが特徴です。
気温20℃で固形になり、25℃以上で透明の液体状に変化します。
ドリンクに混ぜたり、クッキー作りに使うなど食用として以外にも、食器用洗剤や、肌や髪の保湿剤としても使用されます。


ココナッツミルク

ココナッツミルクは、成熟したココナッツの胚乳を削って水と煮込み、裏ごししたものです。
繊維部分の多くは除去されますが、ミネラルや脂肪酸はしっかりと摂れます。
そのまま飲用することもできますが、カレーなどの料理にも使いやすくアジア料理やインド料理、南米料理など幅広く使われるなど、マイルドなコクをプラスしたい時におすすめです。
スパイスと一緒に使われることも多いです。
甘みとコクがあるので、タピオカやプリンなど、デザートの材料としても人気があります。


ココナッツウォーター

ココナッツウォーターは、未成熟のココナッツの実の液体胚乳のことです。
実が成熟するとなくなります。
ココナッツにストローを差して飲むことができる、まさに自然のジュースといえます。
脂質はほとんど含まれず、低カロリーでミネラルが豊富なのでダイエットやデトックスドリンクとしても人気です。
天然のスポーツドリンクとも呼ばれています。
ちなみに、これを凝固させたのがナタデココです。


ココナッツのレシピ

エビのトマトココナッツカレー

・むきエビ 100g
・トマト 1/2個
・玉ねぎ 1/2個
・赤パプリカ 1/4個
・黄パプリカ 1/4個
・ニンニク 1片
・サラダ油 小さじ2
・カレー粉 大さじ1/2
・ココナッツミルク 200㎖
・コンソメ顆粒 小さじ2
・砂糖 小さじ1/2
・パセリ 適量

1.玉ねぎは薄切りに、トマトとパプリカは1㎝角、ニンニクはみじん切りに切る
2.フライパンにニンニクとサラダ油を弱火で加熱し、香りが立ったら玉ねぎを加えてしんなりするまで中火で炒める
3.カレー粉を加え、香りが立ったらトマトとパプリカ、エビを加えて炒め、ココナッツミルクを入れて中火でひと煮立ちさせる
4.コンソメ顆粒と砂糖で味を整える
5.盛った後、お好みでパセリをかける

辛みをつけたい場合はカレー粉にチリパウダーを加えてもよいです。
ココナッツミルクは長時間煮立てると分離するので、サッと温める程度で。


ココナッツサブレ

・無塩バター 90g
・砂糖 80g
・塩 2つまみ
・卵黄 1個
・薄力粉 140g
・ココナッツファイン 70g

1.バターを室温にしておく
2.1をよく練り、砂糖と塩を加え白っぽくなるまで混ぜる
3.卵黄を入れて混ぜる
4.ふるった薄力粉とココナッツファインを加えて混ぜる
5.ラップの上に生地をのせ長方形の棒状に整える
6.3時間ほど冷蔵庫で冷やす
7.生地を5㎜幅にカットしたら、クッキングシートを敷いた天板に並べる
8.170℃に予熱したオーブンで20分程焼く

ココナッツが香ばしいサクサクサブレのできあがりです。
焼く前の生地は冷凍庫保存もできます。


まとめ

ココナッツはたくさんのミネラルや食物繊維、中鎖脂肪酸などを含む栄養豊富な果実です。
チップスやオイル、ミルクなどさまざまな形で楽しむことができるココナッツを、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。


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