ハーブの女王「よもぎ」の効果・効能や活用法。よもぎ茶やアレンジレシピも。

世界中で愛される春の薬草「よもぎ(蓬/ヨモギ)」。

日本ではお灸の「モグサ」や、よもぎ餅やよもぎ茶として親しまれていますが、 実はカラダが喜ぶ栄養がたっぷり詰まっています。

ハーブの女王』『和製ハーブ』とも称され、〖飲んで良し、嗅いで良し、つけて良し、浸かって良し、燃やして良し〗の五拍子揃った薬草と言われるほど優秀!

ここでは、美容や健康に良い効果がたくさん詰まったよもぎの活用法や栄養効果効能よもぎ茶の淹れ方残った茶葉のアレンジレシピもご紹介します。

よもぎ(蓬/ヨモギ)とは?歴史

よもぎは、キク科の多年草で、河原や道端、アスファルトの裂け目でも生育できる生命力の強い植物です。
よもぎの旬は3月~5月で、春先に若葉を摘んで茹でてから草餅や草団子に入れることから、別名「モチグサ」と呼ばれています。
ヨモギの葉は先がとがり、表面は緑色で裏には灰白色の細かい綿毛があるのが特徴で、この綿毛を乾燥させて、お灸の「モグサ」としても利用されています。

古くから身近な薬草として民間でも利用され、万能薬草として用いられるほど薬効が高く、栄養価も高い植物と知られていました。
ヨーロッパでは、「ハーブの母」「ハーブの女王」とも呼ばれ、女性の悩みに効く薬草としても知られています。
民間療法として、よもぎの葉を揉んで出た汁は止血や虫刺されに、煎じて飲めば胃腸の不調や貧血に効くとされていました。
漢方では、艾葉(ガイヨウ)といい、止血薬として使われています。

日本では、よもぎの優れた生命力にあやかろうと、食したり、煎じて飲んだりしてきました。
また、生命力の強さに「子孫繁栄」を願い、端午の節句によもぎを餅に練り込んで食べさせるようになったことが、よもぎの草餅の由来といわれています。
近年では、デトックス効果や美容効果の高さにも注目され、韓国の伝統的な民間療法「よもぎ蒸し」は、日本でも人気がでてきています。


よもぎの栄養・効果

よもぎは、色素成分クロロフィルや、βーカロテンやビタミンK・ビタミンB類・ビタミンCなどのビタミン類、カリウム・カルシウム・リン・鉄・亜鉛などのミネラルが豊富に含まれている緑黄色野菜です。
よもぎに含まれる主な栄養素をみてみましょう。


クロロフィル(葉緑素)

クロロフィルは、葉緑素とも呼ばれ、植物や海藻などに含まれる色素成分です。
ヒトや動物の血液の色素ととても似た構造をしています。
クロロフィルは、体内でヘモグロビンの生成を助け造血作用を促進し、貧血の予防・改善に作用するとされています。
コレステロール値を下げ、血中脂質を正常にする働きがあります。


ビタミンK

ビタミンKは「止血のビタミン」とも呼ばれ、出血したときの血液の凝固を促す働きがあります。
また、骨の形成を促す働きもあるため、骨粗しょう症の治療薬にも使われる栄養素です。


食物繊維

よもぎには、特に不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸の動きを活発にする効果があります。
水溶性食物繊維は、胃腸内をゆっくり移動して空腹感を抑え、食べすぎを防ぐ働きがあります。
どちらの食物繊維も、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える効果が期待できます。
バランスよくとることで便秘の改善に役立ちます。
また、糖の吸収を抑えたり、コレステロールや有害物質を吸着して排出することで、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防にも役立ちます。


β-カロテン

β-カロテンは、抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ったり免疫を増強させます。
必要な分だけ体内でビタミンAに変換され、髪や粘膜、皮膚の健康を維持して美肌・美髪効果が期待できます。
また、視力維持、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるといわれています。
β-カロテンの吸収をよくするためには、加熱したり、油を使って調理するといいでしょう。


葉酸

葉酸は、たんぱく質や細胞をつくるのに必要な核酸を合成する栄養素です。
ビタミンB12と共に血液をつくる造血作用があり、赤血球の細胞形成を助ける働きがあります。
細胞分裂が活発な胎児の発育を助ける働きがあるため、妊娠を望んでいる方、妊婦さん、授乳中も積極的に摂るべき栄養素です。


カリウム

カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら常に一定した良い体の状態を維持する役割のある栄養素です。ナトリウムの体外への排出を促し、高血圧を防ぎ、むくみを解消する働きがあります。
塩分過多な食生活を取りがちな現代人には、大切な栄養素です。


ヨモギの健康・美容の効果効能

「ハーブの女王」と呼ばれるほど万能な薬草とされているよもぎは、漢方では「艾葉(ガイヨウ)」という名前で知られ、「艾」とは「疾(やまい)を艾する(止める)」の意味であるとされています。
止血薬として使われていますが、他にも、浄血・造血作用や抗菌作用、デトックス効果や美容効果など、さまざまな効能が期待できると言われています。


参考:国立研究開発法人農林総合研究所構造利用研究領域 「木材の香りがもたらすリラックス効果ー生理指標を用いた再発見」

血液の浄化・造血作用

よもぎに含まれるクロロフィルは、血液の造血を助ける働きや、血液をさらさらにし血液をきれいに保ってくれる効果があります。
さらに鉄分も豊富なので、クロロフィルとの相乗効果で造血作用を促進する効果が期待できます。

ビタミンKは、血液凝固に関わる成分で、出血時には止血してくれる作用があります。
古くから、よもぎは止血剤の治療薬草として用いられてきました。


デトックス・ダイエット効果

よもぎには利尿作用があり、体に蓄積した老廃物を体外に排出して新陳代謝を高めてくれる働きがあります。
クロロフィルの成分が血液を作り浄化してくれるため、血液循環がよくなり身体にたまった有害物質を外に排出してくれるデトックス効果が期待できます。
また、食物繊維の整腸作用によって便秘の解消にも役立ち、身体の機能を整えてくれるので、ダイエット効果も期待できます。


体を温める効果・冷え性の改善

よもぎには身体を温める効果があり、古くから入浴剤として活用されてきました。
血行促進効果や発汗作用があり、体表面だけでなく体の芯から温まるので冷え性を改善する効果や、肩こりからくる頭痛などにも効果があると言われています。


リラックス・安眠効果

春を感じさせるような爽やかな香りのよもぎは、アロマとしても人気があります。
主な芳香成分はシネオール、αツヨンという成分で、シネオールは高ぶった神経を鎮静化しイライラ解消、安眠作用、利尿作用があります。
αツヨンには高い殺菌・防腐効果があり、爽快感とリラックス効果をもたらしてくれます。


生活習慣病の予防

よもぎに含まれるβ‐カロテンには抗酸化作用があり、血液中の悪玉コレステロールを減らし、血管を若々しく保つ働きがあります。
血管の不調を予防し生活習慣病を予防する効果が期待できます。
また、食物繊維は小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。それにより、糖尿病などを予防する効果が期待できます。


美肌・美白効果

よもぎのクロロフィルには強い殺菌作用があり、ニキビの原因であるアクネ菌の繁殖を防いだり、肌の炎症を抑える効果が期待できます。
また、よもぎにはβ-カロテンやビタミンCなどの抗酸化作用をもつ栄養素が豊富に含まれています。
老化の原因である活性酸素を抑え、シミ・しわを予防する効果が期待できます。
さらにこれらの成分の相乗効果で、美白効果も期待できます。


よもぎの活用法

よもぎは、東洋では古くから食用だけではく、日々の生活の色々なシーンで使われてきました。その多彩な利用方法をみてみましょう。


よもぎ茶として

よもぎの栄養をおいしく取り入れるには、よもぎ茶が一番簡単です。
よもぎ茶には、アンチエイジングや美肌、ダイエット、貧血や更年期障害の改善、体内の血行を良くする効果などが期待されています。またヨモギ茶はノンカフェインで、さらに胎児の成長に必要なビタミン、ミネラルが多く含まれていることから妊婦にオススメのお茶とも言われています。
※ただし妊婦は摂る量に気を付けてください。日常で摂る量であれば問題ありません。


料理やお菓子に

よもぎは、よもぎ餅が有名ですが、他にも、天ぷらにしたり炒め物にしたり、おひたし、ゴマ和えなどさまざまな料理に使えます。
風邪をひいたときなどは雑炊にするのもいいですね!
よもぎのデトックス効果や発汗作用で悪いものを外にだし、身体の回復を助けてくれる効果が期待できます。


お酒に

よもぎをホワイトリカーや焼酎につければ、よもぎの薬草酒になり、よもぎ成分がお茶の何倍も抽出されます。
漬けた後取り出した葉は、入浴剤として利用できます。


よもぎのレシピ

よもぎの栄養を簡単に摂れるよもぎ茶や、その後の茶葉の活用法を紹介します。


よもぎ茶の淹れ方

【急須やティーポットで淹れる場合】

1.よもぎをひとつまみ程度(約1g)を急須に入れる
2.約80~90℃のお湯250㎖を注ぐ
3.3~4分程蒸らす

【やかんや鍋で淹れる場合】

1.よもぎを2つまみ程度(約2~3g)と水1Ⅼを鍋に入れ中火にかける
2.沸騰したら弱火で10分程煮立たせる
3.茶こしで葉をこす

和製ハーブとも呼ばれることもあり、爽やかな良い香りが口に広がります。
ノンカフェイン、ミネラル豊富なカラダに優しいお茶です♪


よもぎ酒

・よもぎ 150g程度
・お酒 1.8ℓ(玄米焼酎やホワイトリカーを使用。度数が35度以上の物を使用してください。)

1.乾燥したよもぎの葉を瓶容器に入れる
2.1にお酒を入れる
3.瓶を密封して2~4ヶ月程度、冷暗所に保管する
4.よもぎの葉を定期的に混ぜる(週に2,3回程度振る)
5.茶葉を取り出す

よもぎ成分が凝縮された薬膳酒のできあがりです。
瓶容器は4L以上の容器がおすすめです。梅酒などに使う広い口のビンが便利です。
よもぎは5ヶ月以上漬けておくと成分戻りがあるみたいなので、4ヶ月には取り出しましょう。
取り出した葉は入浴剤に使えます。捨てないで小分けにして使用するとよいでしょう。
暑くならないところで保存すれば数年持ちます。


残った茶葉で混ぜご飯

よもぎ茶の淹れた後の茶葉を刻み混ぜご飯を作るときの具材に混ぜたら、よもぎの混ぜご飯ができます!
また、ハンバーグに混ぜ込んでも良いです。


残った茶葉でよもぎの佃煮

・よもぎ茶の残った茶葉 100g
・ごま油 適量
・水 2カップ
・かつお節 10g
・醤油 大さじ1
・しらす干し 大さじ2
・白ごま 適量

1.茶葉を細かく刻み、ごま油で炒める
2.水とかつお節、醤油、しらす干しを加え、水気がなくなるまで煮詰める
3.塩で味を調節し、仕上げに白ごまをたっぷり加える

おにぎりの具材にも使えます。
よもぎを最後まで美味しく♪


よもぎ餅

・よもぎ(生葉で) 40g
・塩 少々
・米粉 130~150g
・水 130cc位
・餡子 適量
・片栗粉 適量

1.ザルによもぎを入れて水でよく洗う(硬い茎は取り除く)
2.鍋でお湯を沸かし塩を入れ、よもぎを入れ1~2分茹でる
3.茹でたよもぎをザルにあげ水で冷やしよく絞る
4.分量の水とよもぎを容器に入れブレンダーにかける
5.ボウルに米粉とよもぎ汁をいれ、耳たぶくらいのかたさになるように粉の量を調節しながら混ぜる
6.米粉とよもぎが均一に混ざったら、適度な大きさに丸めて、湯気がたった蒸し器に一個ずつ入れ、15分程蒸す
7.中まで火が通ったら取り出して粗熱をとる
8.手にくっつかないようにまな板の上に片栗粉を薄く敷いて平たく伸ばす
9.真ん中辺に餡を少し絞り出し包みながら丸める

春の香りがするよもぎ餅のできあがりです。


よもぎの保存方法

生のよもぎの葉の保存方法をご紹介します。


よもぎの冷蔵保存

冷蔵での保存期間は、5日程です。
採取したよもぎの葉は、水で軽く全体を濡らしてから保存袋やタッパーに入れます。
採取する際に、葉だけでなく、茎ごとまたは根っこごと採ると、保存期間が10日程延びます。


よもぎの冷凍保存

冷凍での保存期間は、1ヶ月程です。
よもぎは生のまま冷凍するとエグミや苦みが出やすくなるので、生のままの冷凍はおすすめできません。湯がいてから冷凍しましょう。

【冷凍の手順】
1.採取したよもぎをきれいに洗う
2.沸騰したお湯に少し多めの塩を加え湯がく
3.冷水にさらして、しっかりと水気を絞る
4.小分けにしてラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ
5.使うときは、冷蔵庫や常温に移して自然解凍する


よもぎの副作用・注意点

【副作用】
○ヨモギには「ツヨン」という子宮を収縮させる成分が含まれているため、妊婦さんは食べる量に気を付ける必要があります。よもぎ茶やヨモギ餅など、普段の食事で口にする程度なら問題ありません。過剰に摂取すると流産や早産につながる危険性があるといわれています。

○デトックス効果が高く、稀に便秘・腹痛・下痢などの症状が起こる場合があります。不快な症状が現れた場合には、速やかに飲食をやめてください。

【注意点】
○ヨモギはキク科の植物なので、過敏症の患者さんやキク科の植物にアレルギーを持つ人は使い方に注意が必要です。
また、初めて取り入れる際は、少量から始めて様子をみましょう。


まとめ

生命力の強い「よもぎ」は、ハーブの母とも呼ばれ、薬効・栄養価が非常に高い万能薬草です。
健康や美容効果に優れているので、自分に合った活用法をみつけて日々の生活に取り入れてみてください。
よもぎ茶は簡単に栄養が摂れておすすめです♪


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