クミンシードとパウダーの違いは?効果・効能や使い方、レシピも。

カレー作りに欠かせないスパイス、「クミン」。カレー以外にも肉料理、炒めもの、煮込み料理などさまざまな料理に使うことができます

入手しやすく使い方も簡単なので、手軽に使え、料理のアクセントにもなるクミンには、健康や美容効果、またダイエットにも効果的な栄養素が豊富に含まれています。

身近なスパイスだけどあまり知らなかったクミンの効果、効能や、クミンシードとクミンパウダーの違い、普段の生活に取り入れたい「スパイス白湯」やおすすめのレシピをご紹介します。

クミンとは?歴史

クミンは、セリ科クミン属の一年草で、エジプト原産の植物です。
日本では「ウマゼリ」とも呼ばれ、国によって呼び方が異なる植物で、他にも「キュラン」「ジーラ」とも呼ばれています。
スパイスに使われているのは種子の部分で、長さ5~6㎜の長楕円形をしており、種皮は淡黄色をしています。

紀元前16世紀に著された医学書にもその名が登場するほどに、長い歴史を持つクミン。
古代ギリシャや古代ローマでは薬用や美容、食卓に備え付ける薬味として用いられていました。
古代ローマでは、当時の富裕層が重用するスパイスとして、ラムのシチューやレバーペーストなどの料理にも使われていたとの記述が残っています。
紀元前6~3世紀にはインドへ持ち込まれ、インド料理に欠かせないスパイスとなります。それから、クミンはインドを起点に世界中へと広がっていきました。
今では、カレーに欠かせないスパイスとして、また、料理の味付けに使うのはもちろんのこと、油で炒めて香りを出すという使い方もされています。


クミンシードとクミンパウダーの違い

クミンには、クミンシードとクミンパウダーがあります。違いをみてみましょう。


クミンシード

クミンシードはクミンの種子のことをいいます。
料理に使う際は、低温の油でじっくりと炒めるとより香りが引き立ちます。
煮込み料理や炒め物、揚げ物の香り付けによく使われるスパイスです。
香りを強く出したいときにはシードを使うとよいでしょう。


クミンパウダー

クミンパウダーは、クミンシードを挽いて粉末状にしたものです。
粉末状なので、料理の下準備の段階で食材と混ぜ合わせたり、料理の途中で加えたり、料理の仕上げに振りかけたりと、手軽に使えるのが魅力です。
クミンの香りを活かして食材の臭み消しや、パン生地や肉ダネに練り込んだりするなど多様な使い方があります。
食材にクミンの風味をプラスしたい時にはパウダーを使うとよいでしょう。


ブラッククミンシード

最近、知名度が上がっているスパイスに「ブラッククミン」があります。これはクミンの仲間とよく間違われますが、ちがう植物のスパイスです。
クミンはセリ科、ブラッククミンはキンポウゲ科です。別名「ニゲラ サティバ」、「カロンジ」などと呼ばれることもあります。

見た目は、黒ごまのようでクミンとは全く違う見た目をしております。

詳しくは、こちらから↓↓
『★ブラッククミンは最強のスパイス!?使い方やおすすめの食べ方とは』

クミンの代用品

クミンは、わずかな苦みと辛みが特徴で、独特で刺激の強い芳香があります。
エスニック風味を出してくれるクミンがない場合、代用品になるものを紹介します。


ナツメグ

ナツメグは、ほんのりとした甘い香りとほろ苦さが特徴のスパイスです。
辛みはクミンと同じくらいでわずかに感じる程度です。香りも強いので香り付けにはぴったりです。特にほろ苦さはクミンと似ています。
ただ、加熱すると甘みが増すので、生姜やニンニクを一緒に使うと辛みを加えることができます。

炒め物の場合は、ナツメグパウダーといっしょに、おろし生姜やおろしニンニクを加えて食材を炒めるようにしましょう。

ガラムマサラ

ガラムマサラは、数種類のスパイスが配合されたインドのミックススパイスといわれている香辛料です。
クミンをはじめ、ブラックペッパー、カルダモン、コリアンダー、ナツメグなどの10種類程のスパイスが配合されているので、奥深くスパイシーな香りが特徴です。

ハンバーグなどに混ぜ込む時は、少量で香り付けとして使うことができます。
カレーや野菜炒めなどの場合には、仕上げに少量加えることで香りを飛ばさず香り付けすることができます。


カレー粉

カレー粉にはクミンをはじめとして様々なスパイスが含まれています。

カレー粉には、クミン以外にも多くのスパイスが含まれているので、香りが強く味も濃いので少しずつ使うようにしましょう。
クミンパウダーと同じように、練り込むか、最後の仕上げに振りかけて使えます。


キャラウェイ シード

キャラウェイシードは、クミンと同じセリ科で見た目がよく似ています。
甘い清涼感のある香りが特徴で、料理やお菓子作りにもよく使われるスパイスです。
ナツメグと同様、生姜やニンニクと一緒に使うと辛みを加えることができます。

加熱する際におろし生姜やおろしニンニクを一緒に加えて使います。ハンバーグなどに練り込みたい場合は、すり鉢などで粉状にしてから使うとよいでしょう。


代用品に向かない物

ターメリック・・・ターメリックもカレー粉などに含まれますが、主に色付けの役割をするのでターメリックだけで苦味や辛味といった風味を出すのには向いていません。

シナモンシュガー・・・シナモンはガラムマサラに含まれていますが、シュガーが入ったものはお菓子や紅茶など向きです。甘味があるので、クミンの代わりとしては不向きです。


クミンの効果・効能

ハーブ療法では皮膚発疹、免疫機能の改善、痔疾などにも使用するというクミン。
ビタミンA、B2、B6、C、Eなどビタミン豊富で、優れた健康・美容効果が期待できます。


消化促進効果

クミンの成分には、消化酵素を増加させ、消化を促進させる効果があります。
また、肝臓からの胆汁の分泌を促すことで脂質の代謝も促進させる働きが期待できます。


免疫力アップ

クミンに含まれるビタミンAには、粘膜を健康に保つ働きがあります。粘膜には、細菌やウイルスが体内へ侵入するのを防ぐ役割があります。粘膜の機能が正常に働くことで外敵から体を守り、免疫力アップにつながります。


エイジングケア効果

クミンには、テルペン、フェノール、フラボノイド、ビタミンEという抗酸化作用のある成分が豊富に含まれているため、身体の酸化を防いで老化を抑制してくれる効果が期待できます。
また、コラーゲンの生成をサポートするビタミンCも含まれているため、内側から肌を支えてハリのある肌を作る効果が期待できます。


リラックス効果・ダイエット効果

クミンに含まれる香り成分「リモネン」は、柑橘類の皮に多く含まれる成分で、体内に吸収されると、リラックスしているときに脳内に出るα波を出現させるといわれ、リラックス効果が期待できます。
また、リモネンには代謝機能を高める働きもあるといわれており、さらに、「植物ステロール」というコレステロールの吸収を抑える天然成分も含まれているので、この二つの成分の相乗効果で高いダイエット効果が期待できます。


クミンの使い方・一日の摂取量

クミンは、根菜やラム肉などクセの強い食材と相性がよいスパイスです。
ナッツ類やローズマリーなどの風味の強いハーブとも合います。

唐揚げなどの下味や、炒飯や野菜炒めなどの炒め物、チリコンカンなどの煮込み料理、エスニックな味のスープやシチュー、お酢とも相性が良いのでマリネ液やドレッシングの材料として使うのもおすすめです。

クミンシードが余ったら、お茶にして飲むのもよいです。
胃腸をすっきりさせてくれるので、食後に飲むとより効果が感じられるでしょう。

摂取量の目安は、1日にクミンシード小さじ1杯程です。 毎日少しずつとり続けることが大事です。


生活に取り入れたい『スパイス白湯』

体の冷えなどを防ぐ白湯。
白湯にスパイスを加えて飲むことでより効率的に効果が得られ、さらに効果が持続します。その日の体調や目的に合わせて飲むのがおすすめです。


肌の老化抑制・便秘解消・冷え性改善には! 〖クミンパウダー+ジンジャーパウダー〗

クミンには、腸のぜん動を活性化させる働きや代謝をアップさせる効果があり、ジンジャーには血流を促進して体を温める働きがあります。
お腹の中から温まり内臓が活発に動き出すので、身体がポカポカしてくるでしょう。
特に、便秘がちの人にはおすすめで、便秘解消により、腹部の血流が回復し下肢の冷え解消にもつながるといわれています。

さらに!
クミンとジンジャーは肌老化の大敵「糖化」を防ぐ最強食材といわれています。
たんぱく質と余分な糖がくっつくとAGESという老化物質ができます。これが増えると肌も体も老化します。
糖化を阻害する働きで肌を若々しく保つ効果が期待できます。

ジンジャーは、生のものやチューブタイプだと逆に体を冷やす効果があるため、乾燥のパウダーがおすすめです。


ダイエットには! 〖クミンパウダー+コリアンダーシード+ガラムマサラ〗

便秘を解消する働きがあるクミンとコリアンダーに、体を温めて内臓の働きを活性化するガラムマサラで、ダイエットをサポート。

ミックススパイスであるガラムマサラはフェンネルシード入りを選ぶと女性ホルモンの不調改善にも効果的です。
外出前に飲むと体がポカポカに。


胃腸トラブルには! 〖クミンパウダー+ コリアンダーシード+ ブラックペッパー〗

胃腸を温めるブラックペッパーは消化不良や食欲不振、下痢などの胃腸トラブルに効果があるといわれています。
ガス太りにも効果的です。


スパイス白湯を取り入れる際のポイント

☆空腹時に少しずつ飲む
吸収率が高まる空腹時に飲むことがポイント。朝の起きたてがおすすめです。

☆飲みきれる量で
お湯の量は80~150ccほど、スパイスはだいたい2振り程度(約0.6g)の量を加えて飲みます。飲み切れる量からスタートしましょう。


クミンのおすすめレシピ

クミンはカレーだけでなく、他にもさまざまな料理に活用できます。
普段の料理にスパイシーな香りがプラスされ、いつもと違った風味が楽しめます。


スパイスで作る本格カレー

・玉ねぎ 1/2個
・トマト缶 1個
・クミン 小さじ1
・ターメリック 小さじ1
・コリアンダー 小さじ1
・塩 小さじ1
・鶏むね肉 1枚(300g)
・水 100cc
・ヨーグルト 50g

1.玉ねぎをクシ切りに切り、火がとおるまでじっくり炒める
2.トマト缶を加え2分程炒める
3.クミン・ターメリック・コリアンダー、塩を入れ弱火で1分程炒める
4.一口大に切った鶏むね肉と水を加え弱火で10分程煮る
5.火を止めヨーグルトを加え混ぜあわせる

辛みを足したい場合はチリペッパーを加えてください。
3つのスパイスだけで簡単本格カレーができあがります。


クミン香るエスニック炒飯

・白飯 400g
・卵 2個
・ハム 2枚
・長ねぎ 10cm
・サラダ油 大さじ2
・塩 小さじ1/2
・フラックペッパー 少々
・クミンシード(ホール) 小さじ1
・醤油 小さじ1
・ごま油 小さじ1/2
・クミン(パウダー) 小さじ1/4

1.卵は割りほぐし、ハムは5mm角に切り、長ねぎはみじん切りにする
2.フライパンにサラダ油とクミンシードを入れて弱火で熱し、焦がさないように炒める
3.香りがたったら卵を流し入れて大きくかき混ぜる
4.卵が半熟のうちに白飯を加え、手早く全体を混ぜ炒める
5.卵と白飯がむらなく混ざったら、ハムを加えて炒め、塩、ブラックペッパーを振りさらに炒める
6.醤油を周囲から加えて手早く混ぜ、長ねぎ、ごま油、クミン(パウダー)を加えて全体を手早く炒め合わせる

白飯は人肌くらいの温かさのものを使うと作りやすいです。
クミンの香ばしさが食欲そそるエスニック炒飯のできあがりです。


クミン風味鶏唐揚げ

・鶏もも肉 1枚(250g)
・醤油 大さじ2
・クミンシード 小さじ2
・おろししょうが 小さじ1
・片栗粉 大さじ4
・サラダ油 適量
・レモン 1/4個分

1.鶏もも肉を一口大にきる
2.ボウルに醤油と鶏もも肉を入れ全体にからめたらザルにあげ水気をきる
3.別のボウルにクミンシード、おろししょうがを入れ、2を加えて全体になじませ、さらに片栗粉をまぶし、バットに広げて、粉っぽさがなくなるまでしばらくおく
4.170度の揚げ油に3を入れ、浸かっている部分の衣がかたまり、軽く色づいたら裏返す
5.全体が色づいたら、上下を返しながら火を通す
6.油をきって器に盛り、レモンを添える

油であげることでクミンの香りがよりひきたちます。
お好みで衣にコリアンダーを加えても美味しいですよ。


クミンの副作用

クミンはセリ科の植物なので、セリ科の植物にアレルギーがある人はアレルギー症状が出る可能性があります。ちなみに他のセリ科の野菜は、セロリやニンジンなどがあります。これらにアレルギー症状が出る人はクミンは食べない方が良いでしょう。
クミンによるアレルギー症状は喉のかゆみや蕁麻疹などが多いです。

まとめ

カレーに欠かせない身近なスパイスのクミンは、いつもの料理に加えるだけで一味違った風味が楽しめます。
シードとパウダーを使い分けて、それぞれの美味しさを活かして活用してみてください。
日々の食生活にプラスするだけで、健康、美容、ダイエットに役立ちますよ。


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