桑の葉茶の効能とは?栄養、効果的な飲み方やタイミング、作り方も。

桑の葉茶とは、ビタミンやミネラルが豊富な健康茶です。

健康、美容の維持に役立つ栄養素が豊富なことで人気ですが、特に「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」という桑の葉特有の成分が 、糖の吸収・血糖値の上昇を抑制する効果があるとされ注目されています。

また、ノンカフェインで副作用がないのでお子さんや妊婦さん、授乳中の方でも安心して飲めます。

ここでは、桑の葉茶の栄養効果効能効果的な飲み方桑の葉茶の淹れ方などをご紹介します。

桑の葉茶とは?味は?

桑の葉茶は、クワ科クワ属の落葉高木の桑の木の葉を、緑色が鮮やかなうちに収穫し乾燥させたものです。
桑の葉は、元々、蚕の飼料として有名です。

桑の歴史は古く、桑の葉を乾燥させたものを中国では「神仙茶」として、不老長寿の妙薬として中風(脳梗塞の後遺症)や滋養強壮に用いられてきた歴史があります。
日本書物にも、桑粥や桑湯、桑の葉で冷えや腹痛の症状が緩和された、という記述があり、様々な書物の中で桑が取り上げられています。

桑の葉は、煎じて飲むことで優れた健康効果があると言われており、これが桑の葉茶の原点となっています。 また、桑の実は「マルベリー」、漢方としては「桑白皮(ソウハクヒ)」と言われており、桑の葉茶に含まれる成分が、健康茶の中で大きく注目を浴びる存在になっています。

味は、「苦味の少ない抹茶のような味」「ほうじ茶に近い味」など、クセがなく飲みやすい味です。


桑の葉茶の栄養

桑の葉に含まれる主な成分は、桑の葉特有の成分1-デオキシノジリマイシン(ⅮNJ)や、ケルセチンマロニルグルコシド(Q3MG)、食物繊維、カルシウム・鉄・亜鉛などのミネラルやビタミンB類、ビタミンC、GABAやルチンなど、人間に必要な栄養素をバランスよく豊富に含んでいます。
桑の葉の栄養成分を詳しくみてみましょう。


1-デオキシノジリマイシン(ⅮNJ)

1-デオキシノジリマイシン(ⅮNJ)は、桑の葉に含まれる血糖値上昇抑制物質です。
糖の分解を阻害することで、糖の吸収・血糖値の上昇を抑制する働きがあります。


ケルセチンマロニルグルコシド(Q3MG)

ケルセチンマロニルグルコシド(Q3ⅯG)は、フラボノイドの一種で、抗酸化物質です。
動脈硬化の原因の一つである悪玉コレステロールが作られるのを抑える働きがあります。


ルチン

ルチンはポリフェノールの一種で、ビタミンPと呼ばれています。
強い抗酸化作用があり、老化の原因である活性酸素の働きを抑えます。
また、高血圧の改善や血糖値の回復作用があるといわれています。
細菌の侵入を防ぎ、ビタミンCの吸収を助けます。
ルチンを含む植物は昔から生薬として利用され、炎症や出血を抑えたり腰痛をやわらげるためにも利用されていたそうです。


GABA(ギャバ)

GABAとは、ガンマアミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略称で、アミノ酸の一種です。
哺乳類では、特に脳や脊髄に多く存在しており、興奮状態を抑え精神を安定させるなどの、抑制系の神経伝達物質です。

GABAを摂取すると、興奮している時や緊張している時、イライラしている時に働く交感神経を落ち着かせることができます。
GABAは人間の体内で作られるものですが、ストレスを過度に感じていると多くのGABAが使われてしまいGABA不足になります。


★参考:日本栄養・食糧学会誌 「GABA経口摂取により自律神経活動の活性化」
 

カリウム

カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。
ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。
カリウムが不足すると、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。


食物繊維

食物繊維は、人の消化酵素では消化することができない成分で、「第六の栄養素」といわれています。
桑の葉には、食物繊維が豊富に含まれており、ホウレンソウの約72倍、ゴボウの約8倍、緑茶の約3倍と言われています。
食物繊維には不溶性と水溶性があります。
不溶性は胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促進します。
水溶性は粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくくなり食べ過ぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後の血糖値の急激な上昇を抑えます。


桑の葉茶の効果・効能

「茶は養生の仙薬なり」で始まるのは、鎌倉時代の代表的な医書のひとつ「喫茶養生記」で、禅僧・明庵栄西が記し、鎌倉幕府3代将軍・源実朝に献上したことで知られています。
この書には「五種の病を桑をもって治療する」という内容で、桑の飲み方や効能が書かれています。
五病とは、「飲水病、中風、拒食、瘡(ただれなど)、脚気」のこと。現在の症状では飲水病=糖尿病、中風=脳梗塞の後遺症、拒食=食欲不振を意味します。
昔からたくさんの効能があるとされてきた桑の葉の優れた効果をみてみましょう。


血糖値上昇を抑制

血糖値上昇抑制物質である「1 デオキシノジリマイシン(DNJ)」を豊富に含む桑葉エキスが、食後の血糖値上昇を抑制し、一ヶ月以上の連続摂取でも低血糖を起こさないことを世界で初めてヒトで明らかにしました。これにより、桑の葉の糖尿病予防効果の解明が期待されています。


★参考:島根県産業技術センター「島根県機能性食品産業化 プロジェクトの取り組み」
 

★参考:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構「1-デオキシノジリマイシン高含有桑葉エキスは食後の血糖値上昇を抑制する」
 



動脈硬化の進行を抑制

桑の葉を摂取することで、高脂肪食摂取による動脈硬化の進行を抑制し、この効果が主に桑の葉に含まれる主要なフラボノイドである「ケルセチンマロニルグルコシド(Q3MG)」の抗酸化作用であることが示されました。


★参考:島根県産業技術センター「島根県機能性食品産業化 プロジェクトの取り組み」 
 

ダイエット効果

桑の葉に含まれる「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」のアプローチにより、糖質の吸収をブロックしてくれるので、糖質制限ダイエットにも向いています。
日本人の食生活は糖質過多になりやすいとされ、過剰な糖質の摂取は肥満・体重増を引き起こす原因に。
また、中性脂肪の蓄積抑制をしてくれる「ケルセチンマロニルグルコシド(Q3MG)」との相乗効果も期待されます。


便秘改善

桑の葉には食物繊維も豊富に含まれており、便秘解消や腸内環境改善が期待できます。
腸内環境が整うことにより、肌質の改善や免疫力アップにもつながります。


エイジングケア

桑の葉に含まれる抗酸化物質「ケルセチンマロニルグルコシド(Q3MG)」が、シミ・シワのもととなる活性酸素を抑制して、体の中からサビを取り除く働きをしてくれます。
また、コラーゲンの生成に必須のビタミンCも含まれており、肌を健康に保つ効果が期待できます。


白髪予防

桑の葉に多く含まれるカルシウムや亜鉛、ビタミンB群、マグネシウムには、血行を促進してホルモンバランスを整える働きがあります。
これにより肌のターンオーバーがスムーズになります。
また、カルシウムや亜鉛はメラニン(髪の毛の色素)の生成を助け黒髪を美しく保つ効果が期待できます。


桑の葉茶はこんな方におすすめ!

・血糖値が気になる方
・ダイエット中の方
・糖質制限中の方
・甘い物が好きな方
・カルシウム、鉄分不足が気になる方
・食生活が不規則な方
・疲れが溜まってる方

このような方以外でもさまざまな効果が期待できるので、幅広く健康茶として飲むことができます。


桑の葉茶の副作用

桑の葉茶に副作用はありませんが、桑の葉茶には多くの食物繊維が含まれているため、過剰に摂取するとお腹が緩くなる場合があります。

ノンカフェインなので、お子さんや妊婦さんも安心して飲んでいただけます。


桑の葉茶の効果的な飲み方

桑の葉がこれほどまでに注目されている大きな理由は、「1 デオキシノジリマイシン(ⅮNJ)」という成分!
このⅮNJの栄養を効率的に取るには、『食前』に飲むことが重要です。
ⅮNJは、食事によって体内に入ってきた糖質に働きかけ、小腸内で糖質が吸収されるのをブロックしてくれます。
食前に飲むことで、後から入ってきた糖質の吸収をブロックし、血糖値の上昇を抑えてくれます。
また、継続して飲むことが大事です。

〖ポイント〗
・食前(15~20分程前)から飲み始めて食事中も飲む
・毎日、継続的に摂る
・お湯で作る

ⅮNJは水よりもお湯に溶けやすい性質を持っているので、冷茶として飲む場合も、一度お湯で作ってから冷まして飲みましょう。

また、桑の葉茶はノンカフェインなので、寝る前の水分補給にも適しています。


桑の葉茶の選び方

安全面から

健康面を考えるなら茶葉の安全性に気をつけましょう。
・農薬不使用
・国産100%
・添加物が入っていない

これらの茶葉を選ぶことが重要です。


茶葉タイプから

量や飲むシーンに合わせて茶葉のタイプを選ぶとよいでしょう。

やかんや急須で一度にたくさんの量を作りたい場合は、「茶葉タイプ」が向いています。
家族と日常的に飲みたい方にもおすすめです。

コップ1~2杯を作りたい場合は、「ティーパックタイプ」を選ぶとよいでしょう。
お湯を注ぐだけで簡単に楽しめるので、手軽に飲みたい方に向いています。


桑の葉茶の作り方

やかんでの作り方

1.桑の葉茶5~10gをお茶パックに入れる
2.やかんに1リットルのお水と桑の葉茶を入れ沸騰させる
3.沸騰したら弱火で5〜6分ほど煮出す

※お湯をしっかりと沸騰させて茶葉を煮出すことが、おいしいお茶を淹れるコツです。


急須やポットでの作り方

1.急須またはティーポットに茶葉2~3g程を入れ、90℃のお湯を注ぐ
2.2~3分程蒸らす

※茶葉が開いて成分が溶け出すまでしっかりと蒸らすことが、おいしいお茶を淹れるコツです。


まとめ

桑の葉茶は、人間に必要な栄養素がバランス良く含まれている人気の健康茶です。
ノンカフェインで副作用がないのでお子さんや妊娠中の方も安心して飲むことができます。
まずは食前に1杯から、継続的に続け健康習慣を作りましょう。


おすすめの 桑の葉茶/桑茶 農薬不使用はこちら