桑の実(マルベリー)の栄養や効果とは?おすすめの食べ方も。

桑の実とはマルベリーともいわれ、見た目はブラックベリーやラズベリーに似ている、桑の木にできる果実です。

桑の葉も栄養豊富な健康茶として有名ですが、桑の実もビタミンやアントシアニンなどのファイトケミカルが豊富なことでスーパーフードとして注目されています。

桑の実は傷みやすく日持ちしないので、生で市場に出回ることは少なくドライフルーツとして流通しています。

ここでは、桑の実の栄養や効果効能ドライ桑の実の使い方や食べ方をご紹介します。

桑の実とは?味は?

桑の実とは、クワ科クワ属の落葉樹になる果実で、原産はイランです。
英語では「マルベリー」といいます。
桑はさまざまな品種があり、品種ごとに果実の大きさや甘み酸味のバランスなどが異なります。
桑の実は、小さな粒が集まって一個の果実になっていて、成り始めは白く、徐々に赤くなるとラズベリーのような見た目になり、完全に熟すと黒紫色に変わりブラックベリーのような見た目になります。

味は、熟したものはクセのない甘さでキイチゴのようなさっぱりとした味わいです。糖度は8~15度ほどですが、品種によっては25度を超えるものもあります。

種もなく食べやすいのが特徴ですが、傷みやすく日持ちがしないので、主にドライフルーツとして流通しています。

桑の葉は、ビタミンやミネラルが豊富な桑の葉茶として利用され、美容・健康維持に役立つ健康茶として人気です。
★桑の葉茶の効能とは?栄養、効果的な飲み方やタイミング、作り方も。
 

桑の実の栄養

桑の実には、多くのビタミンが含まれますが、特にビタミンエースと呼ばれる抗酸化ビタミン、ビタミンA、C、Eが豊富です。
他にもミネラルやアントシアニンなどのファイトケミカル(植物が紫外線、有害物質、害虫、外敵などから自身を守るためにつくりだす物質)なども豊富です。
詳しく見てみましょう。


ビタミンA

ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンです。 目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める役割があり、暗いところでの視力を保つ働きがあります。
欠乏状態になると、暗がりで視力が著しく衰える夜盲症を発症したり、皮膚や粘膜の乾燥、子どもの場合は成長障害などにつながる可能性があり注意が必要です。


ビタミンC

ビタミンCは、水溶性ビタミンのひとつです。アスコルビン酸ともいわれ、コラーゲンの生成に必須の化合物です。
毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあるほか、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ働きや、ストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
ビタミンCが不足すると、コラーゲンが合成されないために、血管がもろくなり出血を起こす壊血病のような病を引き起こす可能性もあります。
ほかにも、いらいらする、顔色が悪い、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などの症状があらわれます。


ビタミンE

ビタミンEは、脂溶性ビタミンです。
抗酸化作用が非常に強く、過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防いだりする作用もあることが知られています。
ビタミンEが不足すると、神経や筋障害の症状がみられることがあります。そのため、血行が悪くなり、冷え性や頭痛、肩こりなどを起こしやすくなります。


アントシアニン

アントシアニンは、ポリフェノールの一種で、青紫色の天然色素成分です。ビルベリーやブルベリーなどベリー類に多く含まれます。
アントシアニンには、植物が紫外線などの有害な光によるダメージから自らの体を守るという働きがあります。
人間は太陽からの紫外線をメラニンという色素によって肌を黒くし体内に紫外線が入ることを防ぎ、細胞が傷つかないように守ります。同じように、植物もアントシアニンという色素によって紫外線などから実を守っているのです。

アントシアンには、視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされており、目のサプリメントなどにも利用されています。


鉄は、体に必要な「必須ミネラル」の一種です。
体内では赤血球の一部として血液中の酸素を運搬するといった重要な働きをしています。

鉄が不足すると全身に十分な量の酸素を運ぶことができなくなり、頭痛や動悸、倦怠感、めまい、顔色が蒼白になるなどの症状が表れることがあります。
特に女性は不足しがちなので積極的に摂りましょう。


カリウム

カリウムは、体内に最も多く存在するミネラルで、生命維持に欠かせない栄養素の1つです。
体液の水分を一定に保つ働きがあり、浸透圧を調整する役割や、塩分(ナトリウム)の排出を促す作用があります。
また、筋肉の収縮、神経伝達を助ける働きもあります。
カリウムが不足すると、嘔吐や便秘、けいれんや筋力低下などの症状がおこることがあります。


桑の実の効果・効能

桑の実は、漢方では桑椹子(ソウジンシ)といい、五臓の「腎」を補い強くする働きがあるため、エイジングケア全般にいいとされています。強壮薬あるいは鎮痛薬的な目的で、便秘、耳鳴り、糖尿などに利用されています。
中国では桑の実だけをほとんど水を使わず煮詰めペースト状にした「桑椹膏(ソウジンコウ)」というものがあり、エイジングケアの妙薬として人気があります。
その他の効能も詳しく見てみましょう。


眼精疲労予防・眼病予防

桑の実に含まれるビタミンAは、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きや、抵抗力を強めたりする働きがあり、眼病予防に効果が期待できます。
アントシアニンには眼精疲労を回復させ、視力を改善する効果があります。また、抗酸化作用が目に悪影響を及ぼす活性酸素を除去してくれます。網膜の血流を改善する効果も期待できるので、白内障や緑内障、加齢黄斑変性を予防するとされています。
さらに、ルテインやゼアキサンチンも有害な光であるブルーライトや紫外線から目を守る働きがあります。


美肌効果

桑の実にはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化3大ビタミンが含まれており、細胞を酸化させ老化の原因ともなる活性酸素の働きを抑え、肌を乾燥から守り、ツヤやハリを与えてくれる効果が期待できます。
特にビタミンCは、みかんよりも多く含まれています。ビタミンCはタンパク質からコラーゲンを合成するため美肌効果が期待でき、シミのもととなるメラニン色素を抑える働きがあります。


貧血予防

桑の実は、貧血予防に効果的な鉄分を多く含んでいます。
ただ、鉄分は体内で吸収しにくく、ビタミンCを一緒に摂ることで吸収率が上がります。
桑の実にはビタミンCも豊富なので、鉄分を無駄にすることなく吸収できます。

特に女性は貧血になりやすく、ふらつきなど明らかな症状が無くても貧血が進行する「かくれ貧血」の人が多いといわれています。疲れやすいといったかくれ貧血の方にも桑の実は効果的です。


エイジングケア

桑の実に含まれるビタミンACEやアントシアニンなどの抗酸化力の強い成分は、美肌などの美容効果だけでなく、体の内側から健康を保つ効果もあります。
抗酸化作用により脂質の酸化を抑制し、ガンなどの原因となる過酸化脂質の生成を抑えます。それにより動脈硬化の予防や、血管の健康を維持します。さらに、豊富なカルシウムにより、骨の健康を保つ働きもあります。


桑の実と‘’ブラックベリー‘’や‘’ラズベリー‘’との違いは?

熟している桑の実は、ブラックベリーと見間違うほど見た目が似ています。そして未熟な桑の実は、ラズベリーにそっくりです。

この似ている3つの果実の違いでまず挙げられるのは、種が異なるということです。
桑がクワ科クワ属なのに対して、ブラックベリーやラズベリーはバラ科キイチゴ属に属しています。また同じカテゴリに属しているブラックベリーとラズベリーでも、ブラックベリーの多くがツル性であるのに対して、ラズベリーは低木性果樹であり、桑は落葉樹に分類されています。

果実の形は、ブラックベリーやラズベリーが丸みを帯びた形をしていて、いちごのようなヘタがついています。
桑の実はスリムな円柱状をしており、表面を覆う毛がないことからラズベリーと区別することができます。
ブラックベリーの果実は、中に芯が残っていて食べるとちょっと苦味がありますが、桑の実は、ブラックベリーのような芯がなく、そのままでも食べやすく熟したものほど甘くなります。


桑の実の選び方

桑の実は傷みやすいので、鮮度が良いものを選びましょう。
収穫後時間が経つと軸がしなびて、色も悪くなります、綺麗な黄緑色でみずみずしいものを選ぶと良いでしょう。 また、果実から果汁がにじみ出ていないものを選びましょう。
また、桑の実を手軽に食べたいなら、ドライフルーツやジャムがおすすめです。

桑の実の食べ方・使い方

桑の実のおすすめの食べ方は、
ジャムにしたりシロップ漬けにしたり、サングリアタルトなどお菓子作りの材料に。
ヨーグルトやシリアルに混ぜるのは一番手軽な食べ方です。
また、シロップ漬けした桑の実を炭酸水に入れたり、お好みの果物と一緒にミキサーにかければジュースになります。
他にも甘さを生かして紅茶に浮かべたりなど。

桑の実は、生でもドライでもそのままおやつとして食べられますが、アレンジにもたくさん使えます。


桑の実ジャムの作り方

・ドライマルベリー 50g
・砂糖 25~40g

1.ドライマルベリーを鍋に入れ、しっかり浸るくらい水を入れる
2.ドライマルベリーを戻すため、3時間程置いておく
3.戻ったら鍋に砂糖を入れ、中火で15分程煮詰める(マルベリーを軽く押し潰しながら混ぜ続ける)
4.煮詰まったら火を消し、粗熱をとる

ブルーベリーのように甘酸っぱく、ぷちぷちとした食感が楽しめます♪
スムージーやヨーグルトのトッピングに、お菓子作りも使えます。


桑の実ジャムマフィン

・桑の実ジャム 100~150g
・無塩バター 100g
・砂糖 50g
・塩 1g
・卵 1個
・薄力粉 200g
・ベーキングパウダー 5g
・ヨーグルトまたは牛乳 80g

(下準備)
・バターと卵を常温に戻しておく
・薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるっておく
・オーブンを180℃に予熱する

1.バターに砂糖、塩を入れ泡だて器で混ぜ合わせる
2.1に溶き卵を3回に分けて加えながらよく混ぜる
3.薄力粉1/3を加えヘラで混ぜ合わせたら、ヨーグルト1/3を入れ混ぜ合わせる
4.残りの薄力粉とヨーグルトも同じようにして、すべて混ぜ合わせる
5.桑の実ジャムを入れ、ざっくり混ぜる
6.型に入れ180℃のオーブンで20分焼く

手作りジャムを使って作るマフィンです。
焼き時間はオーブンによって違うので焼き加減を見ながら調節してください。


まとめ

桑の実(マルベリー)は、女性に嬉しい栄養や効果効能がたっぷりのスーパーフードです。ドライの桑の実なら、ヨーグルトやシリアルに混ぜるなど手軽に食べれるので、初めての方にもおすすめですよ!
健康や美容のために桑の実を取り入れてみてくださいね♪

おすすめの 桑の実/マルベリー 農薬不使用はこちら