ピーカンナッツの驚くべき栄養とは?くるみとの違いや効果的な食べ方。

濃厚でまろやかなあじわいが魅力のピーカンナッツは、アメリカでもピーナッツに次ぐ人気のナッツです。

バターの木」とも呼ばれるほど良質な脂質や、19種類以上のミネラルなど優れた栄養素を豊富に含んでいますが、中でも特に注目なのが、抗酸化物質です。ピーカンナッツはナッツの中で一番多く抗酸化物質を含み優れたエイジングケア効果が期待されています。

ピーカンナッツは見た目はくるみに似ていますが、その違いとはどんなものなのでしょうか?

ここでは、ピーカンナッツの栄養や効果くるみとの違い効果的な食べ方食べ過ぎによるリスクなどをご紹介します。

ピーカンナッツとは?

ピーカンナッツとは、北アメリカを原産とするナッツの一種です。
「pecan nuts」と表記するので、「ペカンナッツ」と呼ばれることもあります。
脂質が多いことから別名『バターの木』とも呼ばれています。

クルミ科のヒッコリーという木にできる実の核の部分がピーカンナッツになります。
ピーカンナッツは、ネイティブアメリカンが1500年前から利用し、貴重な栄養源とされていました。
19世紀に入ると、アメリカではピーカンナッツの商業栽培が始まり、特に南部地域では、気候や土壌条件がピーカンナッツ栽培に適していたことから、大規模な生産が盛んに行われるようになりました。アメリカのピーカンナッツ産業は急速に発展していき、20世紀には、アメリカのピーカンナッツ生産量は世界の95%を占めるまでになりました。
現在は、その美味しさや栄養価の高さから、世界中で愛されるナッツとなり、アメリカではハロウィーンでおなじみのお菓子「ピーカンパイ」にも使われ、ピーナッツに次ぐ人気のナッツです。



ピーカンナッツとくるみの違い

ピーカンナッツとくるみはどちらもクルミ科に分類される植物の種実です。
違いをみてみましょう。


原産地の違い

ピーカンナッツ・・・北アメリカが原産で、現在はアメリカ南部を中心に栽培されています。

くるみ・・・中央アジアや地中海沿岸が原産で、現在は世界中で栽培されています。

同じクルミ科の植物ですが、原産地は全く違います。


味の違い

ピーカンナッツ・・・くるみに似た味わいですが、苦みが少なく、より甘く感じられます。また、食感はくるみよりもサクサクとした歯ごたえがあります。殻の表面はつるっとしていて、堅そうに見えますが手で剝けるのが特徴です。細長い形をしています。

くるみ・・・噛みしめると独特の苦みや渋みがあり、少しクリーミーな食感が特徴です。殻はゴツゴツしていて丸く、とても堅いので殻割機がないと剥けません。


栄養素の違い

ピーカンナッツ・・・血液中の悪玉コレステロール値を抑制する効果がある「一価不飽和脂肪酸」、体内では作り出すことのできない必須脂肪酸の「多価不飽和脂肪酸」がバランスよく含まれています。また、くるみよりビタミンEや亜鉛、マンガンが豊富です。

くるみ・・・多価不飽和脂肪酸が豊富。ピーカンナッツより食物繊維がやや多く含まれています。


ピーカンナッツの栄養

ピーカンナッツは、不飽和脂肪酸や食物繊維、ビタミンEなどのビタミン類、亜鉛やマンガンなどのミネラルなど、効果が注目されている栄養が豊富に含まれています。
栄養成分をみてみましょう。


一価不飽和脂肪酸(不飽和脂肪酸)

不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。
ピーカンナッツに含まれる一価不飽和脂肪酸には、オリーブオイルにも含まれているオレイン酸があります。
オレイン酸には、強い抗酸化作用があり、さまざまな病気のリスクとなる細胞の酸化を抑える働きがあります。
また、悪玉コレステロールを抑え、コレステロール値の改善にも効果が期待できます。


多価不飽和脂肪酸(不飽和脂肪酸)

多価不飽和脂肪酸は、オメガ3系とオメガ6系に分類されます。
ピーカンナッツに含まれる多価不飽和脂肪酸には、α‐リノレン酸やリノール酸があります。
α‐リノレン酸は、えごまオイルや亜麻仁油に含まれることから最近注目されているオメガ3脂肪酸の一種です。動脈硬化の予防や血流改善に効果が期待できます。
リノール酸は、オメガ6脂肪酸の一種です。コレステロール値を下げる働きがあり、皮膚を健康に保つ効果も期待できます。


ビタミンE

ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。
血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球の破壊を防ぐ働きがあります。また、細胞の酸化を防ぐため、エイジングケアにも効果が期待できます。


食物繊維

ピーカンナッツは主に不溶性食物繊維が豊富です。
腸で水分を吸収し膨らむことで腸を刺激し、便通を良くする働きがあります。腸内環境の改善にも役立ちます。


亜鉛

亜鉛は、主に骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などにある成分で、たんぱく質の合成に関わる酵素の材料として使われます。
人間の体に必要とされている必須ミネラルの一つで、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。


マンガン

マンガンは、地表や海水、淡水など地球上に広く分布する元素です。多くの動植物にも存在し、健康な体を維持するのに必要なミネラルのひとつです。
酸化還元酵素など体内の代謝で重要な多くの酵素を活性化させる働きがあります。
マンガンが欠乏すると、骨代謝、糖脂質代謝、皮膚代謝などに影響がでます。


ピーカンナッツの効果

注目のオメガ3脂肪酸や抗酸化物質など優れた栄養素が豊富に含まれているピーカンナッツの健康・美容効果をみてみましょう。


エイジングケア効果

ピーカンナッツには強い抗酸化作用があるビタミンEが豊富です。
ビタミンEの血流を改善する働きにより、全身に血液が供給されることで細胞の新陳代謝も活発になり、皮膚のカサカサ感を改善したり、肌に色つや・ハリを維持する効果も期待できます。
さらにビタミンEは、紫外線による害から肌を守る働きがあり、シミやそばかすにも効果が期待できます。
また、ピーカンナッツには亜鉛も豊富です。
亜鉛は体内のビタミンAの代謝を促す働きがあります。ビタミンAの抗酸化作用を活性化し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こすと言われる過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあります。
さらに、亜鉛はたんぱく質の代謝も活性化します。新陳代謝をスムーズにさせ、皮膚や髪の健康維持に役立ちます。

ピーカンナッツは、抗酸化物質を多く含むことで知られるブルーベリーやブロッコリーよりも高いと言われています。


便秘解消効果

ピーカンナッツに豊富に含まれる不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激してぜん動運動を活発にします。それにより、便秘を解消する効果が期待できます。
また、大腸内で発酵・分解されることにより、ビフィズス菌などが増え、腸内環境を整える効果が期待できます。


免疫力の向上

亜鉛は、粘膜を保護する働きがあるビタミンAを活性化し、粘膜から入り込むウィルスや細菌から身体を守る働きがあります。
ウイルスや細菌が体内に入り込んだときに闘ってくれる白血球にも亜鉛が含まれています。


子どもの発育・成長を助ける

新陳代謝が活発な子どもには、亜鉛は欠かせません。
タンパク質とともに、適切な量の亜鉛を摂取することで、全身の新陳代謝が活発になります。

特に新陳代謝が活発な成長期の成長を助けてくれます。


ピーカンナッツの選び方

ピーカンナッツにもいろいろな種類があります。購入する際の選び方をチェックしてみましょう!


生・素焼き・加工タイプから選ぶ

ピーカンナッツには「生」「ロースト」「コーティング加工」などの種類があります。用途や好みに合ったタイプのものを選ぶと良いでしょう。

【生】ナッツのそのままの味を楽しみたい方には「生タイプ」がおすすめです。 ピーカンナッツの濃厚でまろやかな奥深い味わいが楽しめます。苦みや渋みがないので生のままでも食べやすく、ピーカンナッツの本来の味を堪能できる食べ方です。
また、ピーカンナッツの栄養をそのまま摂ることができます。ローストや加工されたものは栄養素が減るので、生タイプは健康や美容の意識が高い人におすすめです。

【ロースト】ピーカンナッツはローストすることによって香ばしさや甘みが増し、食感もよくなります。
ローストすることで栄養素が減ってしまうことがあります。
生ナッツ独特の食感や味が苦手な人は、素焼きタイプを選ぶと抵抗なく食べられるでしょう。

【コーティング加工】チョコやキャラメルなどでコーティングしているため食べやすく、万人受けされるので、お茶請けやちょっとしたギフトにもおすすめです。


オーガニック商品を選ぶ

本場アメリカでは、土壌の環境や栽培方法にこだわって作られたピーカンナッツが多くあります。
生のピーカンナッツを購入する場合は、農薬や化学肥料など化学物質を使わず、自然の力を活かして作られたオーガニック認証を受けたものがおすすめです。


ピーカンナッツの効果的な食べ方

《ピーカンナッツは生で食べるのがおすすめ!》

ピーカンナッツに豊富に含まれているオメガ3系不飽和脂肪酸は熱に弱い特徴があります。
美容や健康のためにピーカンナッツを食べる時は、熱を通してない生をそのまま食べたり、サラダのトッピングやシリアルに混ぜるなどして食べるとより効果的に栄養を摂ることができます。

ローストすると、香りだけでなく食感も良くなりますが、脂肪分は火を通すことによって酸化しやすくなります。


ピーカンナッツのおすすめレシピ

【殻付きのピーカンナッツを食べる際】
ピーカンナッツの殻は薄いので、素手で割ることができます。
ピーカンナッツ同士を押し付け合わせて割ると簡単に割れます。

生のピーカンナッツはそのまま食べるのはもちろん、その甘さとサクサクとした食感から、デザートやスイーツ、サラダなどによく使われます。特にアメリカ南部では、ピーカンパイという伝統的なデザートに使われています。


ピーカンナッツのアーモンドタルト

・市販のタルト台 (6号) 1個
・アーモンドプードル 40g
・薄力粉 10g
・無塩バター 50g
・砂糖 40g
・溶き卵 (Mサイズ) 1個分
(キャラメリゼ)
・ピーカンナッツ 50g
・砂糖 30g
・水 大さじ1

1.無塩バター、溶き卵は常温に戻しておき、 オーブンは170℃に予熱しておく
2.フライパンに砂糖、水を入れ、中火に熱し、砂糖が色づいてきたらピーカンナッツを加えからめ、火から下ろしたらクッキングシートを敷いたバットに取り出し、粗熱をとる(キャラメリゼ)
3.ボウルに無塩バター、砂糖を加え白っぽくなるまで混ぜ合わせる
4.溶き卵を3回に分け入れ、その都度よく混ぜ合わせる
5.アーモンドプードルと薄力粉をふるい入れ、ゴムベラで切るように混ぜ合わせる
6.市販のタルト台に流し込み、2をのせる
7.170℃のオーブンで20分、こんがりと焼き色がつくまで焼く

ピーカンナッツたっぷりのタルトケーキの出来上がりです♪
市販のタルト台を使えば簡単にできます。
キャラメリゼしたピーカンナッツとアーモンド生地がとてもよく合います。


ピーカンナッツとバナナのマフィン

・ピーカンナッツ 40g
・バナナ 1本
・アーモンドミルク 50ml
・ココナッツオイル 50g
・バニラエッセンス 5~6滴
・メープルシロップ 大さじ1
・薄力粉 120g
・メープルシュガー 60g
・べーキングパウダー 小さじ1
・塩 少々
・シナモン ひとふり
・ナツメグ 少々

1.ボウルに潰したバナナ、アーモンドミルク、ココナッツオイル、バニラエッセンス、メープルシロップを入れて混ぜる
2.薄力粉、メープルシュガー、ベーキングパウダー、塩、シナモン、ナツメグを別のボウルに振るい入れて混ぜる
3.(1)を(2)のボウルに入れ混ぜ、荒みじんにしたピーカンナッツを入れる
4.マフィン型にグラシン紙を敷き、生地を流し込む
5.200℃に予熱したオーブンで18~20分焼く

熟してるバナナを使うと甘めに出来上がります♪


ピーカンナッツの摂り過ぎによるリスクやアレルギー

食べ過ぎると太る?

ピーカンナッツは、100gあたり約700kⅽalもあります!
ナッツ類は脂質が多く、太りにくいといわれている不飽和脂肪酸でできているとはいえ、摂りすぎは太ります。
適量ならダイエットにも効果的な食品とされています。一日の摂取量を守って摂るようにしましょう。
一日の摂取量の目安は、18粒程です。


食べ過ぎるとニキビができる?

ナッツは油脂分が多く、それによってニキビができやすいと言われることがあります。しかしピーカンナッツの脂肪分は不飽和脂肪酸で体内で固まらない特徴を持っており、ニキビができる原因にはならないといわれています。
ナッツがニキビができやすいと思われている主な原因は、ナッツを加工する際に使われている油や塩分が原因といわれています。ナッツを食べやすく美味しく加工する際の油やバター、塩分を過剰に摂取することによってニキビができやすくなっている可能性が高いです。

ニキビなどが心配な方は、加工されていない生タイプを選ぶことをおすすめします。


食べ過ぎるとお腹が緩くなる?

ナッツは、食べ過ぎるとお腹を下す原因になります。
食べ過ぎにより、腸内で脂肪分と水分が分離してしまうことによってお腹が緩くなります。
食べ過ぎには注意しましょう。


アレルギーは?

ピーカンナッツアレルギーは、ナッツアレルギーの一種で、ピーカンナッツやその成分に対する免疫反応が原因で起こります。ほかのナッツ類にアレルギーがある場合はピーカンナッツにも反応する可能性があります。
アレルギーのある方は、医師や栄養士と相談して摂取してください。


ピーカンナッツの保存方法

《未開封の場合》直射日光の当たらない涼しい場所で、常温で保存する。

《開封済みの場合》密封できる容器に入れ、しっかり蓋をして保存する。長期保存の場合は冷蔵庫か冷凍庫に入れ、その際、他の強い匂いのある食品と一緒に保存しないようにしてください。

ピーカンナッツは、湿気や光、高温に弱いです。
適切な保存方法を守ることで、ピーカンナッツの美味しさを長持ちさせることができます。


まとめ

ピーカンナッツは、健康効果に優れているオメガ3系脂肪酸や抗酸化物質が豊富に含まれています。他にもビタミン、ミネラル類や食物繊維などが含まれる栄養価の高い食品です。
甘くてクリーミーな味わいなので、そのままたべるのはもちろん、料理やお菓子作りにも使うことができます。
健康的なおやつとして、また料理やお菓子作りに取り入れて、さまざまな味わいを楽しんでみてください。


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