カシューナッツの美肌と健康にうれしい栄養とは?食べ過ぎによるリスク。
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軽い食感と独特のクリーミーな味わいのカシューナッツは、世界中で広く食されている人気のナッツです。
良質なたんぱく質や脂質、食物繊維やビタミン、ミネラルなど、優れた健康効果が期待できる栄養素が豊富で、成長期のおこさんや妊婦さんのおやつにもぴったりです。
ただし、食べ過ぎには注意が必要です。
ここでは、カシューナッツの栄養や効果、効果的な食べ方や食べ過ぎによるリスクなどをご紹介します。
カシューナッツとは?歴史や特徴
![カシューナッツとは?歴史や特徴](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/08/10468234.jpg)
カシューナッツは、ウルシ科カシューの木の種子です。
果実はリンゴのような形をしていることから「カシューアップル」と呼ばれています。カシューアップルは傷みやすいため日本では入手困難ですが、原産地では、そのまま食べるだけでなく、ジャムやピューレ、ジュースなどに加工され食されています。
そのカシューアップルの先端に灰褐色の殻に覆われた勾玉型の種子を付けます。この種子がカシューナッツです。
その形から、日本では『勾玉(まがたま)の木』と呼ばれることもあります。
原産地は南米ブラジルで、16世紀にボルトガル人がインドや東アフリカ、東南アジアに伝え、幹の下部からたくさんの枝を出すカシューの特徴を利用して、沿岸部における防風林として植樹され、果実や種子は食用として重用されました。
その後、インドのゴアに大規模なカシューナッツの加工工場が建設され、カシューナッツの製品がさまざまな国に輸出されたことから世界的に有名になりました。
カシューナッツの種子は生の状態だと、アナカルディウム酸やカルドールなどの刺激成分、青酸配糖体であるアミグダリンなどの毒物を含んでいるので危険です。
またウルシ科であるため、殻には触れるとかぶれる「ウルシオール」という成分が多く含まれています。
加熱することで、これらの成分を除去し食べられるようになります。天日干しして加熱乾燥した後に、ドライロースト、殻割り、殻むき、品質選別を行い出荷されます。
日本で一般的に販売されているカシューナッツは、「生」カシューナッツと表示されていても、すべてしっかりと加熱処理されているため、安心して食べられます。
カシューナッツの栄養成分
![カシューナッツの栄養成分](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/08/43494548.jpg)
カシューナッツには、たんぱく質、脂質、鉄、亜鉛、銅、ビタミンK、ビタミンB1やB6、葉酸や食物繊維などの栄養が含まれています。
詳しくみてみましょう。
カシューナッツは、100gあたり591kcalです。
不飽和脂肪酸
カシューナッツに含まれる主な脂肪酸はオレイン酸です。
オレイン酸は、一価不飽和脂肪酸に分類される油で、オリーブ油などに多く含まれています。オレイン酸の名前は、オリーブの油から単離されたことに由来します。
他の脂質に比べて酸化しにくいため、長期保存や加熱にも強いことが特徴です。
オレイン酸は悪玉(LDL)コレステロールを抑制する働きがあります。人間の皮膚にも含まれており、化粧品の原料としても使われています。
たんぱく質
人の体は、約15~20%がたんぱく質でできています。
たんぱく質は、筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行います。
たんぱく質が不足すると、成長障害、体力や免疫機能の低下などが起こる可能性があります。
ビタミンK
ビタミンKは、主に血液凝固に関わっています。
ビタミンKが不足すると、出血したときに血が止まりにくくなることがあります。また、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促進するため、骨を丈夫にしたり、骨粗しょう症の予防に役立ちます。他に動脈の石灰化を抑制する作用もあります。
ビタミンB1
ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変換するときに必要な栄養素です。糖質の摂取量が多い人や運動量の多い人は、より多くのビタミンB1が必要となります。
ビタミンB1が不足するとブドウ糖から十分にエネルギーが産生できなくなり、疲労感やだるさを感じたり、スポーツをする人では持久力に影響するといわれています。
ビタミンB6
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝の補酵素として働きます。
免疫機能を維持したり、皮膚の抵抗力を強めます。不足すると皮膚炎や口内炎をひき起こすことがあります。
葉酸
葉酸は、ビタミンB群の仲間で、赤血球の生産に必要なビタミンで、『造血のビタミン』と言われています。
また、代謝に関与しており、細胞の産生や再生を助けることから、体の発育にも重要なビタミンです。葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分であるといえます。妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができると言われています。
銅
銅とは、様々な酵素の構成成分として生命活動に不可欠なミネラルです。体内では、たんぱく質と結びついて鉄の働きを助けています。
銅は体内に約80mg存在し、その約半分が骨や筋肉に、1割が肝臓中に存在します。
銅が不足すると、鉄が十分に足りていても赤血球で酸素を運ぶ役割をするヘモグロビンをうまく合成できず、ヘモグロビンの量が減ったり、赤血球が小さくなり貧血が起こることもあります。
また、骨がもろくなったり、毛髪の色素が抜けたり、コレステロールや糖質の代謝に異常が起こるなどといった症状がみられることもあります。
亜鉛
亜鉛とは、酵素の活性化、細胞分裂、ホルモンの合成、免疫反応の調整などに作用する重要な役割を果たす栄養素です。
亜鉛が不足すると、味覚が正常に機能しなくなったり、免疫機能の低下に繋がります。
食物繊維
食物繊維は、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせない栄養素です。また、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるため、これらを摂り過ぎることによって引き起こされる肥満や高脂血症・糖尿病・高血圧など生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。
カシューナッツの健康効果とは?
![カシューナッツの健康効果とは?](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/08/iStock-833394882.jpg)
カシューナッツには健康効果に優れた栄養素が豊富に含まれています。
カシューナッツの優れた効果をみてみましょう。
美肌・美髪効果
カシューナッツに含まれるオレイン酸の抗酸化作用により、細胞の酸化が抑えられエイジングケアに繋がります。
また、豊富に含まれるビタミンB1には、新陳代謝を良くする働きがあります。体の中の毒素を排出し、肌トラブルを防いでくれる効果が期待できます。
さらに、亜鉛は髪の主成分であるケラチンを作る働きがります。
それにより、髪にハリやツヤを与え美髪効果が期待できます。
ダイエット効果
カシューナッツに含まれるビタミンB1には、糖質の代謝を促しエネルギーを作る働きがあります。代謝を上げて脂肪を燃焼させ、痩せやすい体を作るサポートをしてくれます。
また、他のナッツに比べて水溶性食物繊維が多く含まれています。腹持ちを良くし、糖の吸収を緩やかにし、脂肪がたまるのを予防する効果が期待できます。
疲労回復効果
カシューナッツに含まれるビタミンB1には、体内に取り込まれた糖質をエネルギーに変え、エネルギー変換率をアップします。それにより、疲労回復効果が見込めます。
また銅には、活性酸素を取り除く働きがあります。ストレスや疲労によって活性酸素が増えると、元気で健康な細胞を傷つけて体の不調を招く原因にもなります。
活性酸素を抑えることで疲れにくい健康的な体づくりへ繋がります。
骨粗しょう症予防
丈夫な骨を作るには、カルシウムだけでなく、タンパク質やコラーゲンも重要です。
カシューナッツに含まれるビタミンKは、骨を作るタンパク質を合成するビタミンといわれています。
また、カシューナッツには歯や骨を形成するために重要なリンも含まれています。
ビタミンKとリンの働きで、骨粗しょうの予防効果が期待できます。
カシューナッツの種類【生とローストの違い】
![カシューナッツの種類【生とローストの違い】](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/07/1359534428.jpg)
生とローストの違いは、「栄養素の含有量」です。
カシューナッツには高温に弱い栄養成分が多く含まれているため、熱を加えることで含有量が減ったり失われたりします。
特に酵素は高温に弱い性質です。 そのためローストされたカシューナッツは、酵素のほとんどが失われてしまいます。
一方、生のカシューナッツはそのままの栄養価が保たれています。
また、「香ばしさと食感」も変わります。
ローストすることで水分が抜けてカリッとした食感になり、香ばしさが増します。
生のカシューナッツは水分量が多くしっとりした食感で、素材本来の優しい甘みが楽しめます。
どちらにも良さがあるのですが、近年ローフードが注目され、生タイプの需要が増えています。
カシューナッツの効果的な食べ方
カシューナッツの栄養を効率よく摂るポイントをみてみましょう。
カシューナッツの選び方
カシューナッツは、スーパーやコンビニで手軽に買うことができます。
しかし、スーパーやコンビニで販売しているカシューナッツは油を使用しているものが多いです。
そのため、美容や健康には不向きといえます。
また、カロリーも高くなるので太りやすくなります。
カシューナッツに含まれる栄養素を効率よく摂るには、生タイプを選ぶとよいでしょう。
一日の摂取量
カシューナッツの1日の摂取量は、10粒程度が目安となります。
間食の摂取カロリーの目安は、1日200kcalとされています。
カシューナッツは100gあたり576kⅽalで、1粒あたり約7~9kcalです。
10粒食べると約100kcaを摂取するため、食べ過ぎたとしても20粒までに抑えるようにしましょう。
また、カシューナッツを食べるときはよく噛んで食べることをおすすめします。
咀嚼回数が増えると、満腹中枢が刺激されるので、少量でも満足感が得られます。
食べるタイミング
カシューナッツは、食前30分~1時間ほど前に食べるのがおすすめです。
食前に食べることで、食事による血糖値の急上昇を抑えられます。
血糖値の上昇を緩やかにすることで、肥満の防止につながります。
また、運動の前後に食べると、汗と一緒に体から失われやすいビタミンやミネラルを補えます。
カシューナッツのおすすめレシピ
![カシューナッツのおすすめレシピ](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/07/1323310352.jpg)
お菓子やおつまみのイメージが強いカシューナッツですが、実はメイン料理にもピッタリの食材です。
いつもの料理に加えるだけで一味違った風味や食感が楽しめます。
簡単でおいしいおすすめレシピをご紹介します。
まぐろのユッケ
・マグロ(赤身・刺し身用) 300g
・にんにく 1かけ
・しょうが 1かけ
・ねぎ 10cm
・卵黄 4個分
・長いも 10cm(約200g)
・レタスの葉 適宜
(たれ)
・しょうゆ 大さじ2
・ごま油 大さじ2
・オイスターソース 大さじ1
・酒 大さじ1
・砂糖 小さじ2
・カシューナッツ 30g
1.まぐろは細切り、ねぎはみじん切り、長いもは長さ5~6cmのせん切り、カシューナッツは粗めにカット、にんにくとしょうがはそれぞれすりおろす。
2.ボールにまぐろを入れ、にんにく、しょうが、ねぎと、たれの材料を加え、全体をよく混ぜ合わせる
3.4枚のお皿にレタスを敷き、まぐろを1/4量ずつ盛り、まぐろの中央に卵黄を1個ずつのせ、長いもを添える
ごま油とカシューナッツの香ばしさが効いたおつまみのできあがりです♪
卵黄をつぶし、まぐろにからめてお召し上がりください。
残った卵白はスープなどの具などに使えます。
カシューナッツ入りカレー炒飯
・ご飯 800g
・玉ねぎ 1/2個
・にんにく 2かけ
・トマト 1/2個
・ウインナー 6本
・カシューナッツ 100g
・クミンシード 小さじ1
・カレー粉 大さじ1と1/2
・固形スープの素 1個
・塩 小さじ1/3
・油 大さじ2
1.玉ねぎとにんにくは薄切り、トマトは5㎝角、ウインナーは1㎝のななめ切りにする
2.フライパンで油を弱めの中火で熱し、玉ねぎ、カシューナッツ、にんにく、クミンシードを炒め、少し茶色になったらウインナーを加えて中火で2~3分炒めたら、ご飯をほぐしながら加えてさらに炒める
3.ご飯全体がぱらりとしてきたら、塩、カレー粉と固形スープの素をほぐして加え、よく混ぜながらさらに3~4分炒め合わせる
4.トマトを加え、全体に混ぜ合わせたら火を止める
にんにくの香りが食欲そそるカレー炒飯のできあがりです♪
いつもの炒飯にカシューナッツを加えるだけでもOK!
牛肉のオイスター炒め
・牛ロース 200g
・パプリカ(赤、黄、オレンジ) 各1/4個
・カシューナッツ 1/4カップ
・レタス 1/2個
・油 大さじ2
(下味)
・にんにくのみじん切り 小さじ1/2
・塩、こしょう 各少々
・酒 大さじ1
(合わせ調味料)
・オイスターソース 大さじ1
・シーズニングソース 小さじ1と1/2
・ナンプラー 大さじ1
・砂糖 少々
1.牛肉は2cm角に切り、下味の材料をもみ込む
2.パプリカはそれぞれ1.5cm角に切る
3.合わせ調味料の材料を混ぜ合わせておく
4.フライパンに油大さじ1を熱し、牛肉を炒め、火が通ったらいったん取り出す
5.同じフライパンに油大さじ1を熱し、パプリカをさっと炒め、牛肉とカシューナッツを加えて混ぜ、合わせ調味料を加えて手早く炒め合わせる
お皿にレタスを添えて盛りつけたら出来上がり♪
カシューナッツで香ばしさとコクが増しますよ。
カシューナッツ味噌
・みそ 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・大葉 3枚
・カシューナッツ (無塩) 20g
・ごま油 大さじ1/2
・料理酒 小さじ1
材料を混ぜ合わせるだけで簡単味噌だれの出来上がり♪
焼きネギや焼きナスなど焼き野菜にかけてお召し上がりください。
カシューナッツバター
・カシューナッツ 200g
・アーモンドオイル 20〜25g
・メープルシロップ 20g
・塩 ひとつまみ
1.フードプロセッサーに材料を全部入れ、クリーム状になるまで混ぜる
バターの代わりにトーストに塗れば、リッチなナッツトーストの出来上がりです♪
オイルはココナッツオイルなどお好きなものを使って下さい。
メープルを入れなければ、料理にも応用できます。
カシューナッツの食べ過ぎによる問題やアレルギー
![カシューナッツの食べ過ぎによる問題やアレルギー](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/07/538167266.jpg)
カシューナッツはさまざまな効果が期待できる食材です。しかし、食べ過ぎることで生じる問題もあるので注意しましょう。
ここでは、カシューナッツを食べ過ぎることによるリスクを解説します。
ニキビができる
ナッツ類を食べ過ぎるとニキビなどの吹き出物ができやすくなると言われることがありますが、ナッツ類が直接肌に悪いわけではありません。
バターなどが使われている加工品の油や塩分が原因でニキビができやすくなっている可能性が高いです。
反対に、カシューナッツにはオレイン酸や亜鉛などの健康な肌を作るための栄養素が豊富に含まれています。加工されていない生のカシューナッツを適量摂る場合は、美肌効果が期待できます。
体重が増える
カシューナッツには、不飽和脂肪酸という良質な脂質が豊富に含まれています。
しかし、健康に良いからと食べ過ぎてしまうとカロリー過多になってしまいます。
また、カシューナッツはほかのナッツよりもカロリーは低いですが糖質が多くなっています。
1日の摂取量を守り、食べ過ぎには注意しましょう。
腹痛を起こす
カシューナッツには不溶性食物繊維が多く含まれています。便のカサを増やす作用のある不溶性食物繊維は、適量であれば便秘を予防してくれますが、過剰に摂取すると逆におなかの調子を悪くし、腹痛の原因になることもあります。
カシューナッツの保存方法
![カシューナッツの保存方法](https://online.santarosa.jp/wp-content/uploads/2023/08/947717972.jpg)
《未開封の場合》直射日光が当たらず、湿気のこもらない涼しい場所で保存する。
《開封済みの場合》密封できる容器に入れ、しっかり蓋をして保存する。長期保存の場合は冷蔵庫か冷凍庫に入れる。
カシューナッツは、湿気や光、熱に弱いです。
適切な保存方法を守ることで、カシューナッツの美味しさを長持ちさせることができます。
まとめ
カシューナッツは、良質な脂肪酸やミネラルなど、私たちの健康をサポートしてくれる栄養素が豊富に含まれています。そのまま食べるのはもちろん、料理にも活用できますので、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。