美味しくて健康的!パンプキンシードの栄養とは?おすすめレシピなど。

かぼちゃの種「パンプキンシード」は、カリカリ、ぷちぷちとした食感を活かし、料理やスイーツのアクセントとしてよく利用されていますが、ご家庭でかぼちゃを調理する際、種は捨てられてしまうことが多いと思います。

かぼちゃ自体も栄養豊富ですが、実は! 種であるパンプキンシードにも天然の栄養素がたっぷり詰まっており、美容や健康に優れた効果が期待できます

ここでは、パンプキンシードの栄養健康効果ローストパンプキンシードの作り方おすすめレシピなどをご紹介します。

パンプキンシードとは?

パンプキンシードとは、ウリ科カボチャ属に属するかぼちゃの種子のことです。
アジアのさまざまな地域では、ウリ科の種は食用とされ、なかでも日常的にカボチャ、ヒマワリ、スイカの種がよく食べられています。

かぼちゃ自体、栄養価が高いですが、実は、種子であるパンプキンシードもとても栄養が豊富な食材で、漢方では「南瓜仁(ナンカンニン)」と呼ばれ、生薬として用いられています。


サンフラワーシード(ひまわりの種)との違い

どちらも高カロリーで栄養豊富ですが、比較するとサンフラワーシードの方がより高カロリーで、脂質も多く含んでいます。
どちらもビタミンEが含まれており、含有量はサンフラワーシードの方が豊富に含まれていますが、パンプキンシードには抗酸化作用のある「リグナン」が含まれ、サンフラワーシードには含まれていません。


パンプキンシードの栄養

パンプキンシードは、栄養価の高い食材として、特に欧米諸国では日常的に食べられています。
リノール酸やα-リノレン酸などの不飽和脂肪酸、ビタミンE、B1、B2、ナイアシンなどの栄養素が多く含まれます。ミネラル類も豊富で、亜鉛や鉄分はくるみの2倍以上、マグネシウムは100g当たり530mgにもなります。ほかにも、健康成分「植物ステロール」や、フィトエストロゲンの一種「リグナン」など、美容と健康をサポートする栄養素がバランスよく摂取できます。
パンプキンシードの栄養素を詳しくみてみましょう。


不飽和脂肪酸

パンプキンシードには、不飽和脂肪酸である、リノール酸とα‐リノレン酸が含まれています。
リノール酸は、オリーブオイル、コーン油、大豆油といった植物油のほか、豆や穀類などにも含まれる脂肪酸です。体内で合成することができず食物から摂取しなければならないため、必須脂肪酸の一つとされています。
リノール酸には、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす作用があります。
また、肌の細胞間脂質の約50%を占めるセラミドの構成成分で、肌のバリア機能を維持して水分が蒸発するのを防ぐ働きで、高い保湿効果が期待できます。

α‐リノレン酸も必須脂肪酸の一つで、亜麻やエゴマ油などに含まれています。
体内ではDHAやEPAに変換され、血流改善や動脈硬化の予防に効果的な成分とされています。


ビタミンE

ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎます。「若返りのビタミン」と呼ばれ、動脈硬化や血栓の予防、血圧上昇の抑制、LDL(悪玉)コレステロールの減少、細胞膜を健全に保つなどの働きがあり、加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立つ成分とされています。
さらに、紫外線や外的刺激から肌を守り、適度な潤いを保つために必要なバリア機能を安定させる働きや、皮膚の新陳代謝を高め、メラニンの排出を促す血行促進作用があります。


ビタミンB1・B2

ビタミンB1は、チアミンとも呼ばれる水溶性のビタミンです。
糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要な成分で、糖質やアルコールを多く摂取する人、また、運動によってエネルギー消費が多い人はより多くのビタミンB1が必要になります。なかなか痩せない、疲労回復が遅いと感じる人は積極的に摂った方がよい成分です。

ビタミンB2は、水溶性のビタミンで、糖質や脂質、タンパク質の代謝、エネルギー産生に関わる補酵素として働きます。
ビタミンB1が糖質の代謝に関わるのに対して、ビタミンB2は特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。「発育のビタミン」とも呼ばれています。
特に脂質を分解しエネルギーに変えるため、ダイエットをしている人や脂っこい食事が多い人には重要な栄養素です。


ナイアシン

ナイアシンは水溶性のビタミンで、ビタミンB群の1種です。
500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、DNAの修復や合成、肪酸やステロイドホルモンの生合成、アルコールの代謝など様々な機能に関わっています。
ナイアシンは体内で必須アミノ酸のトリプトファンから合成することができます。
神経伝達物質の一つで精神を安定させるといわれている「(幸せホルモン)セロトニン」は、ナイアシンと同じ必須アミノ酸のトリプトファンから生成されます。トリプトファンはナイアシンの生成に優先して使われてしまうため、ナイアシンが不足するとセロトニンが生成されなくなります。心の安定のためにも重要な成分です。


植物ステロール

植物ステロールとは、植物がもつ成分でフィトケミカルの一種です。フィトとはギリシャ語で「植物」という意味で植物に含まれる抗酸化物質のことをさします。
植物ステロールは、「フィトステロール」とも呼ばれています。ステロールとは脂質の一種で動植物の細胞膜に存在しています。
ステロールの中でも野菜や果物、穀類など植物の細胞膜の成分となっているものを総称して植物ステロールといいます。
コレステロールと形は似ていますが、植物ステロールは小腸では吸収されません。
植物ステロールはコレステロールの吸収を抑え、血中の悪玉(LDL)コレステロールの割合を下げる働きがあるといわれ、生活習慣病予防を目的として食品に利用されています。
医薬品や食品添加物、化粧品など多様な用途を持ち、様々な場面で活用されている成分です。


フィトエストロゲン

フィトエストロゲンとは、女性ホルモンのように機能する外因性エストロゲンのことで、「植物エストロゲン」とも呼ばれます。
豆類の成分イソフラボンもフィトエストロゲンで、パンプキンシードには『リグナン』というフィトエストロゲンが含まれています。
リグナンには、抗酸化作用や炎症を抑える働きや、女性ホルモンのバランスを整える作用があります。


マグネシウム

マグネシウムとは、必須ミネラルの一種で、生命維持に必要なエネルギー代謝に関与する重要な成分です。
体内には、約20~30g存在しており、約6割が骨や歯に含まれています。
マグネシウムはリンやカルシウムとともに骨を形成したり筋肉収縮や神経伝達、血圧や体温の調節などに関わっており、不足すると疲れやすくなったり不眠症の症状が現れる事もあります。
現代人が不足しがちな栄養素です。


パンプキンシードの健康効果とは?

パンプキンシードは、漢方医学では「南瓜仁(ナンカニン)」と呼ばれ、低血圧の改善や回虫駆除に利用されてきました。
さまざまな栄養素が含まれており、他にも高い効能があると言われています。
ここからは、パンプキンシードを食べることによって得られる効能をご紹介します。


コレステロールの低減

植物ステロールは小腸内腔でコレステロールの吸収を阻害し、血中コレステロール濃度低下作用があるとされています。
大腸癌抑制作用や前立腺肥大抑制作用などについての研究も進んでいます。


★参考:日本食品分析センター「植物ステロールについて」


骨粗しょう症予防

骨粗しょう症の原因のひとつは、女性ホルモンのバランスの乱れによるものです。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の中のカルシウムが必要以上に溶け出すことを防ぐ役割を担っています。
閉経後の女性は、女性ホルモンのバランスが著しく減少するため、カルシウムが骨から溶け出しやすくなり、骨粗しょう症へとつながりやすくなります。
パンプキンシードには、女性ホルモンのように機能するフィトエストロゲンが含まれ、また、リグナンには、女性ホルモンのバランスを整える作用があるため、骨粗しょう症の予防に効果的です。
また、パンプキンシードには骨づくりに重要なカルシウムなどのミネラルやたんぱく質が含まれており、丈夫な骨づくりにも効果が期待できます。


体力増強・疲労の抑制

パンプキンシードには、リン、カルシウム、カリウム、鉄、セレン、亜鉛など、豊富なミネラルが含まれています。
ミネラルは五大栄養素のひとつとして、体全体の機能維持や増強、疲労の抑制、体温保持や抵抗力、免疫機能の向上などの様々な生命活動に関与しています。
これらのミネラルは、体全体の機能を高め、疲労の抑制や体力の増強に効果が期待できます。


エイジングケア

パンプキンシードは、ビタミンEやβ‐カロテン、セレンなど、高い抗酸化作用を持つ栄養素が豊富に含まれています。
これらは、体内の活性酸素を除去し、体の酸化を防ぐ働きで体を若々しく保つ効果が期待できます。
また、リノール酸には高い保湿効果が期待でき、ビタミンEには紫外線から肌を守る働きや、血行促進作用により全身の細胞に栄養や酸素を行き届かせ新陳代謝を活発にする働きによりシミ、しわなどを予防、美肌効果が期待できます。


ダイエット効果

パンプキンシードは高たんぱく、低糖質な食材です。
たんぱく質は筋肉量を増やし代謝を促す働きがあり、ビタミンB1やB2、ナイアシンには、糖質や脂質をエネルギーに変えてくれる働きがあるなど、パンプキンシードにはダイエット中に必要な栄養素が豊富に含まれています。
さらに、リノール酸には中性脂肪を減らす働きもあり、ダイエット効果が期待できます。


排尿障害・過敏性膀胱の改善効果

パンプキンシードの油脂を摂取することで、起床から就寝までの尿の回数、就寝後から起床までの尿の回数、尿意切迫感、尿失禁のすべてが改善されます。


★参考:「カボチャ種子油継続摂取がヒトの脂質異常症、排尿障害、過敏性膀胱など生活習慣病に与える影響に関する臨床試験」

パンプキンシードの副作用や注意点・一日の摂取量

【副作用】
・パンプキンシードは摂取量を守れば副作用はないとされています。ただし、リノール酸とオレイン酸の過剰摂取はアレルギーや炎症を大きくする可能性があります。

【注意点】
・緑茶や紅茶、ウーロン茶、コーヒーなどに含まれる「タンニン」は、鉄の吸収の妨げになります。食事中に濃いお茶やコーヒーは控えた方がよいでしょう。反対に、ビタミンCを含むいちごやキウイフルーツなどと一緒に摂ると鉄の吸収率を高めてくれます。
・加工されたパンプキンシードは、塩分やカロリーの摂りすぎになるので、無塩・無油・無添加を選びましょう。

【一日の摂取量】
・一日の摂取量目安は、10~15粒ほどです。 かぼちゃの種はサクサクして食べやすいですが、一粒あたり約3kⅽaLと、決して低くはないので食べ過ぎには気を付けてください。


ローストパンプキンシードの作り方

かぼちゃの種、捨てるのはもったいない!
ほんの一手間で栄養たっぷりの美味しいおつまみに♪

〈作り方〉
・パンプキンシード かぼちゃ1/2個分(約60g)
・オリーブオイル 大さじ1

1.かぼちゃの種を洗う(ワタは多少残っていても大丈夫)
2.キッチンペーパーの上に並べ、電子レンジで4~5分加熱(洗った時の水分が飛んで、キッチンペーパーからぱらぱらはがれるぐらいになればOK)※1
3.アルミホイルの上に並べ、オリーブオイルを垂らす
4.オーブントースターで焼き、ぱちぱちしてきたら出来上がり※2

※1 加熱時間は500w~600wでの目安です。
※2 7~8分程が目安ですが、ご家庭の機種に応じて対応して下さい。

熱いうちに、お好みで塩やブラックペッパー、チリパウダー、ガーリックパウダーなどスパイスやハーブを加えるのもおすすめです。


パンプキンシードのおすすめレシピ

パンプキンシードは、ナッツのようにそのまま食べるのも美味しいですが、スープやサラダ、グラノーラ、ヨーグルトなどにトッピングするのもおすすめです。
また、お料理やお菓子作りの材料にも使えるとても便利な健康食材です。
ここでは、おすすめレシピをご紹介します。


パンプキンシードのキャラメリゼ

・ローストしたパンプキンシード 30g
・砂糖 50g
・水 大さじ1
・塩 適量

1.フライパンに砂糖と水を入れ、火にかけカラメル色になるまで加熱
2.フライパンにパンプキンシードを入れ素早くからめ、クッキングシートの上に広げて塩をふって冷ます

そのまま食べても美味しく、またお菓子づくりの材料にも応用できます。


かぼちゃのパウンドケーキ

・薄力粉 120g
・卵 2個
・砂糖 40g~80g(かぼちゃの甘さにより調節)
・オリーブオイル 50g
・ベーキングパウダー 2g
・バニラエッセンス 適量
・キャラメリゼしたパンプキンシード 30g
・かぼちゃ 140g
・レーズン 40g

1.かぼちゃを一口大に切って、袋に入れ、柔らかくなるまでレンジで加熱し、熱いうちにフォークでつぶす
2.ボールに卵と砂糖を入れ、少しもったりするまで混ぜる
3.オリーブオイル、バニラエッセンス、レーズンを加えよく混ぜる
4.ふるった薄力粉とベーキングパウダーを入れ、さっくり混ぜる
5.生地をパウンド型に入れ、パンプキンシードをのせる
6.180℃に予熱したオーブンで約40分焼き、竹串を刺して生地がついてこなければ完成

かぼちゃまるごとつかったパウンドケーキの出来上がり♪
かぼちゃの栄養まるごと詰まった栄養満点のおやつです。


かぼちゃサラダ

・かぼちゃ 150g
・くるみ 2~3個
・ヨーグルト 大さじ1 
・マヨネーズ 大さじ1
・レーズン 少々
・塩 少々
・コショウ 少々
・パンプキンシード 小さじ2

1.かぼちゃは皮ごとひと口大に切り耐熱皿に並べ、ラップをかけて電子レンジで約5分、やわらかくなるまで加熱する
2.①のかぼちゃの皮をむきボウルに入れ、熱いうちにフォークで粗めにつぶして粗熱がとれるまで冷ます
3.くるみを粗めに刻み②に加え、ヨーグルト、マヨネーズ、レーズン、塩、コショウも加えよく混ぜる
4.冷蔵庫で冷やし、食べる直前にパンプキンシードを散らす

クリームチーズなどを混ぜても美味しいですよ♪


パンプキンシードの保存方法

パンプキンシードの賞味期限は、4ヶ月~10ヶ月ほどです。直射日光や高温多湿の場所は避け、冷暗所で常温保存してください。
開封後は酸化を防ぐため、密封して冷蔵庫か冷凍庫で保存し、なるべく早く使い切りましょう。


まとめ

パンプキンシードは栄養満点の健康食品です。
ダイエットにも効果的な食材ですが、より効果を得るためには、パンプキンシードをバランスの取れた食事に組み込むことが重要です。食べ過ぎはカロリー過多で逆効果になる可能性もあります。適量を守って食べるよう心掛けましょう。


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