栄養バランス抜群のスパイス「フェヌグリーク」の効果とは?副作用など。

あまり聞きなれないスパイス「フェヌグリーク」。

香りを嗅いでみると、嗅いだことがあると感じる方が多いかもしれません。なぜならあのカレーの香りのもとになっているのが、フェヌグリークだからです。

豊富なたんぱく質を含むフェヌグリークは、宗教上お肉が食べられない方やベジタリアンの貴重なたんぱく源として重宝され、ほかにも強い抗酸化作用を持つサポニンやビタミン、ミネラル、食物繊維などバランスのとれた栄養を含み、優れた健康効果が期待できます。

ここでは、フェヌグリークの栄養や効果摂りすぎによる副作用などをご紹介します。

フェヌグリークとは?

フェヌグリークとは、マメ科の一年草で、東南ヨーロッパや西アジアが原産の植物です。
最古のハーブともいわれており、紀元前の太古から食用や薬用に用いられてきました。その種子は、カレーを作るときの隠し味としても利用されるチャツネの原料ともなっており、インド料理に欠かせないスパイスのひとつです。
日本に伝来したのは江戸時代で、薬草や漢方薬として利用されましたが、栽培はされませんでした。
インドでは「メティ」と呼ばれ、中国では「胡廬巴」、そして日本では「コロハ」と呼ばれています。

黄色い花が咲き、その後10〜12cmほどの曲がったさやができます。そのさやの中に10〜20粒の種があり、この種を乾燥させたものがスパイスとして利用されています。

スパイスとして用いられる種子は、カラメルのような甘い独特の香味と強い苦みがあります。じっくり火を通すと苦みが弱まり、メープルシロップのような甘い風味になります。


フェネグリークの栄養と効果とは?

フェヌグリークは、スパイスの中でも非常にバランスのとれた栄養素を含んでいることでも知られています。
主な成分は、クマリン、トリゴネリン、サポニンや、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
特に、食物繊維とたんぱく質が豊富でベジタリアンの栄養源として用いられています。
中東などでは豆として食する地域もあり、スパイスの域を超えた存在とも言えます。
コレストロール値も低く、スーパーフードであるフェヌグリークの優れた効果をみてみましょう。


脂肪蓄積を抑制

糖尿病予防

フェヌグリークは水溶性の食物繊維が豊富です。食物繊維の多い食物を多く食べている人は、まったく食べない人に比べると、2型糖尿病だけでなく、心臓病や脳卒中、がんなどの慢性疾患のリスクが低下すると言われています。


育毛効果

フェヌグリークの豊富な鉄分とタンパク質、フラボノイドやサポニンの抗酸化作用と抗真菌作用によって、健康な髪の毛を育てる効果が期待できます。


体力向上・性機能を高める

男性ホルモンのひとつ「テストステロン」は、年齢とともに低下するとされ、男性の場合30歳以降、一歳年を取るごとに1%くらいずつ低下していくそうです。
これにより、性欲の減退などが引き起こされます。また、このホルモンは筋肉量にも影響します。そのためテストステロンの減少は筋肉量や筋力の低下の原因にもなります。最近では、肥満、糖尿病といった循環器病にも影響することが分かってきました。
フェヌグリークは、テストステロンを高め、体力の向上や性機能を高める効果が期待されています。


スキンケア・育毛効果

フェヌグリークには、細胞組織を再生し、保湿する働きがあるといわれ、スキンケアに用いられています。
特に、シミやソバカスを薄くする効果が期待されています。
また、抜け毛やフケの予防にも適しているとされ、髪が元気に丈夫になるといわれています。


「フェヌグリーク」と「フェンネル」の違い

フェンネルとフェヌグリークは、それぞれ異なる香りや風味を持ち、異なる地域や料理において使用されています。違いをみてみましょう。

【フェンネル】
・フェンネルは、セリ科でアニスのように甘くスパイシーな香りが特徴的なハーブです。細長い楕円形や卵形をしており、やや平たい面があります。一粒一粒が小さく、2〜4㎜程度の大きさです。
サラダやスープ、魚料理、肉料理など、さまざまな料理に使用されます。特にヨーロッパの地中海料理やイタリア料理でよく見られる食材です。また、お茶としても利用されています。

【フェヌグリーク】
・フェヌグリークは、マメ科でカラメルのような甘い香りが特徴です。小さな平たい楕円形をしており、一粒一粒がやや厚みを持っています。種子の一辺の長さは3〜5㎜程度の大きさです。
インドや中東の料理、特にカレーやスパイスブレンドによく使用されます。また、地中海料理や一部のアジア料理にも利用されることがあります。


「フェヌグリーク」と「カスリメティ」の違い

『カスリメティ』は、フェヌグリークの葉を乾燥させたものです。「フェヌグリークリーフ」とも呼ばれます。
ジャガイモや豆の煮込み料理に用いられるほか、バターチキンカレーやサグカレーなどのカレーをはじめとしたインド料理の風味づけに用いられることが多く、味に深みを出し、香りを良くしてくれます。


フェヌグリークの副作用

他のハーブやスパイス同様、フェヌグリークにも副作用が起こる可能性があります。通常の食品としての利用は安全とされていますが、6か月以上の継続的な摂取や、サプリメントなどでの過剰摂取により、下痢、胃の不快感、腹部の膨満感、鼻づまり、咳、喘息、顔の腫れ、アレルギー反応、低血糖などの症状が起こることがあります。
また、以下の方は特に気をつけましょう。

妊娠中の方:食用以上の摂取は早産の危険があるので、適量を守りましょう
授乳中の方:母乳の出をよくすると言われますが、様子を見ながら短期間の摂取にしましょう
子ども:子どもへの直接的な影響に関しては、科学的な研究が限られているため一概に言及することは難しく、安全性については医師の意見を仰ぐことをおすすめします
マメ科植物のアレルギーの方:大豆、ピーナッツ、グリーンピースなどのアレルギーがある方はお控えください
糖尿病の方:血糖値を下げるので、低血糖症にならないよう気をつけてください


フェヌグリークティーの淹れ方

フェヌグリークは、お茶として飲むことで栄養を効率的に摂ることができます。

〈手順〉
1.フェヌグリーク大さじ1を鍋に入れて、水400mlを注いで沸かす
2.沸騰したら、フタをして5分ほど蒸す
3.漉してティーカップに注ぐ

少し苦味が強い麦茶のような感じです。
シードを粗めにパウダー状にして淹れると、苦味が減ります。
苦みが気になる方は、はちみつを加えたり、レモンを入れるのもおすすめです。
ハーブティー感覚でお楽しみください♪


フェヌグリークシードの使い方。

フェヌグリークの持つ甘い香りは、ソトロンという成分によるもので、低温だとメープルシロップやカラメル、高温だとカレーの風味に変身する芳香化合物です。
また、この香りは熟成香なので、お料理にコクを出してくれます。
バニラの代用品としてキャンディやお酒の香料、タバコのフレーバー、そしてイミテーションのメープルシロップの風味づけなどに利用されています。今回は様々な場面で活用できるフェヌグリークシードの使い方をご紹介します。


乾煎り(ロースト)する

フェヌグリークをゆっくり乾煎りします。こうすることで香ばしいナッツのような厚みのある香りがたち、苦味が抑えられます。

1.油を引かずにフェヌグリークをフライパンに入れ、弱火でゆっくり加熱する
2.ときどき木ベラなどでかき混ぜるか揺らし、全体に火がいきわたるようにする
3.色が濃いブラウンになり、甘い香りがしてきたら完成

ローストしたフェヌグリークは、香りの強いクミンやコリアンダーなどと合わせて使うと、苦味はほとんど感じません。

粉状にしたい場合は、乾煎りした後、粗熱を取ってからすり鉢やミルなどでつぶします。
カレーの仕上げに、このパウダーをひとつまみ振れば、カレーの香りにさらに深みがでます。


料理にコクを出す

フェヌグリークは、野菜料理やサッパリした肉料理に使うと、コクと深みを出してくれます。
オクラやピーマンなど、サッパリした野菜の炒めものなどに合います。


ドリンクに

フェヌグリークの甘い香りと強い苦みを活かして、お茶にしたり、コーヒーの代替として飲まれることもあります。
フェヌグリークの健康効果を効率的に摂取する方法としてもドリンクにするのはおすすめです。


水に浸して使う

アラブ料理でひよこ豆を使ったフムスという料理がありますが、フムスに乾煎りしたフェヌグリークを水に浸して、フードプロセッサーなどでペースト状にしたものを加えると、一味違ったフムスができます。

また、乾煎りしたフェヌグリークを水に浸して軟らかくしてから、肉の香りの強い羊肉や牛肉を使ったカレーに加えると、さらに味に深みとコクを加えることができます。


フェヌグリークのおすすめレシピ

フェヌグリークの甘い香りと独特な苦みを活かしたレシピをご紹介します。


砂肝のスパイスカレー炒め

・砂肝 300g
・玉ねぎ 1/2個
・トマト 1/3個
・長ねぎ 1/2本
・にんにく ひとかけ
・生姜 にんにくと同量
・パクチー 1束
・油 大さじ4
・フェヌグリーク 小さじ1弱
・ターメリックパウダー 小さじ1/2
・クミンパウダー 小さじ1/2
・チリペッパーパウダー 小さじ1/2
・ガラムマサラ 小さじ1
・塩 小さじ2

1.玉ねぎは5m幅くらいにスライスし、トマトは粗めにカット、長ねぎは2~3cmくらいに斜め切り、にんにくとしょうがはすりおろし、パクチーは粗くみじん切り、砂肝は水洗いする
2.砂肝を沸騰したお湯に入れ、再度沸騰するまで煮たら、さらに強火で2,3分茹でる(炒める前に茹でることで柔らかくなります)
3.ザルにあけて熱を冷まし(水をかけてもOK)銀皮部分に刃を入れるようにスライスして一口大にカットする(コリコリ感をだすため銀皮は残して調理します)
4.鍋を中火にかけ、油大さじ1をひいて温まったら、砂肝を入れて炒める
5.砂肝が赤くなって身がしまってきたら、鍋から皿にうつす
6.鍋を中弱火にかけ、大さじ3の油を入れて温まったら、フェヌグリークを入れ黒くなるまで加熱する
7.玉ねぎを入れて強火にし、透き通るまで加熱する
8.砂肝を加え、玉ねぎに焦げ目が少しつくまで炒める
9.火を中火に弱めてターメリック、クミン、チリペッパー、ガラムマサラ、塩を入れてなじませ、玉ねぎが茶色になるまで炒める
10.強火にして長ねぎを入れて混ぜる
11.カップ1/3の水を入れてなじませたら、強火のままフタをして5、6 分ほど蒸す
12.味見して、塩気が足りなければ塩を足す
13.中火にしてトマトとパクチーを入れ、またフタをして3分ほど蒸し煮する
14.トマトが少し柔らかくなったらヘラなどでつぶし、フタをしてさらに2分蒸す

グレービーなカレーソースが美味しい砂肝のスパイス炒めの出来上がり♪
砂肝は高たんぱく、低カロリーで鉄分やビタミン豊富!
フェヌグリークとの相乗効果で健康効果バツグンの一品です。


海老とオクラのスパイスカレー

・海老 150g
・オクラ 8本
・しめじ 1/4株
・玉ねぎ 1個
・トマト缶 1缶
・おろし生姜 大さじ1
・おろしニンニク 大さじ1
・ココナッツミルク 60g
・無糖ヨーグルト 50g
・水 140cc
・油 大さじ2
・シナモン 小さじ1/2
■クミンシード 大さじ2
■フェンネルシード 小さじ1
■フェヌグリークシード 小さじ1
■カルダモン 2粒
★ターメリック 小さじ1
★クミンパウダー 小さじ2
★コリアンダー 小さじ5
★カイエンペッパー 小さじ1/5
★ガラムマサラ 大さじ2
★フェヌグリークパウダー 小さじ1
★塩 小さじ3/4

1.玉ねぎはみじん切り、オクラは1.5㎝幅にカット、しめじは石付きをカットしておく
2.フライパンに米油と■のスパイスを入れてから火をつける
3.パチパチ音がしてきたらニンニク、生姜、玉ねぎを入れ玉ねぎがきつね色になってきたら、トマトを入れ、水気を飛ばすように炒める
4.水分が無くなってきたら★のスパイスを入れ、よく混ぜる
5.海老、オクラ、しめじを入れ混ぜ合わせる
6.水、ココナッツミルクを入れ、よく混ぜたら蓋をして7分ほど煮込む
7.ヨーグルトとシナモンを入れ、軽く煮込む

海老とオクラのマイルドなスパイスカレーの出来上がりです♪
ココナッツミルクで、クリーミーな仕上がりに!
水は入れ過ぎないようにしてください。
冷凍の海老を使用する場合は、氷が沢山付いているようなら、水分を少なめにして下さい。


まとめ

日本ではあまり聞きなれないフェヌグリークですが、カレーなど身近な料理に利用されているスパイスです。
スパイスの中でもバランスのよい栄養素が豊富に含まれているので、普段の料理に加えたり、お茶として摂るだけで健康効果が期待できます。
摂りすぎには注意して、上手に取り入れてみて下さい。


おすすめの農薬不使用 フェヌグリーク (メティ) の購入先はこちら