天然の抗生物質「エキナセア」とは?ハーブティーの効果や飲み方など。
殴米で人気の高いハーブ「エキナセア」。
日本ではあまり聞きなれないハーブですが、『天然の抗生物質』と呼ばれるほど抗菌・抗ウイルス作用に優れ、風邪やインフルエンザ対策に有効だと話題になっているメディカルハーブです。
ここでは、エキナセアの効果や、エキナセアハーブティーの飲み方などをご紹介します。
エキナセアとは?起源・由来
エキナセアとは、キク科ムラサキバレンギク属の多年草で、北米を原産とする薬用植物です。
アメリカのハーブ市場では最も人気の高いハーブのひとつです。
エキナセアは、花の中心部がウニのようにトゲトゲしいことから、ギリシャ語でウニを意味する「echinos」に由来しています。和名は「ムラサキバレンギク」、花言葉は「優しさ」です。
古くから北米の先住民族に用いられていたことから「インディアンのハーブ」と呼ばれ、先住民族インディアンは、傷を負った動物がエキナセアを食べるのを見て、痛みを和らげる効果があることに気づいたといわれています。
また、ヘビに噛まれた際の傷の洗浄や、病気の治療のための薬としても利用され、 特に歯やのどの痛み、風邪や伝染病の治療など幅広く利用されていました。
エキナセアの種類
エキナセアにはいくつかの種類がありますが、主要な種類として以下の3つが一般的に利用されています。
エキナセア・プルプレア(Echinacea purpurea)
プルプレアは、エキナセアの中でもっとも一般的に使用される種類で、アメリカやカナダで自生し、野生でも栽培でも見られます。
主に免疫機能を強化するために利用されます。風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症の予防や症状の軽減に対するサポートとして使用されます。また、抗炎症作用もあるとされています。
一般的に、根や花を乾燥させて、ティー、カプセル、液体エキス、軟膏などの形で製品化されます。
エキナセア・アングスティフォリア(Echinacea angustifolia)
アングスティフォリアは、北アメリカに自生する種類で、根の部分を利用することが一般的です。この種は免疫システムのサポートに用いられ、風邪や感染症に対するサポートとして使用されます。
主に根を使用して、ティー、カプセル、液体エキス、軟膏などの形で製品化されています。
エキナセア・パリダ(Echinacea pallida)
パリダは、アメリカの中西部および南部に自生しています。一部のハーブ療法や自然療法において、免疫サポートや健康増進のために使用されることがあります。一般的な用途は、風邪や感染症の症状を軽減し、免疫機能を活性化させることです。
根、葉、花を使用して、ティー、カプセル、液体エキス、軟膏などの形で製品化されています。
エキナセアの効果
エキナセアは、多くの植物に含まれる多糖類やアルカロイド類、フラボノイド類の他に、特有の成分としてポリフェノールの1種であるエキナコシドやエキナセインという成分を含んでいます。これら特有の成分には、抗炎症効果や穏やかな麻酔効果があるとされており、蛇に嚙まれた時の消毒としても利用されてきたといわれています。
他にも、あざや、やけど、虫刺され、歯痛、喉の炎症、咳、腹痛などに効果があるとし、幅広く用いられてきました。
『天然の抗生物質』といわれるほど免疫力を高め抗ウイルス作用に優れたエキナセアの効能をみてみましょう。
風邪予防・インフルエンザ予防
エキナセアには、風邪の抑制、再発感染に対する抑制といった予防効果、また、タミフルと同等の効果があるとされています。
インフルエンザウイルスAのようなウイルス性呼吸器感染症は、二次的な細菌感染と炎症(肺炎)を発症するリスクがあるが、エキナセアはこのような下気道炎発症や重症化に対する補完療法となりうる可能性があるとされています。
また、ガンやHIVの治療薬としても注目を浴び、研究が進められています。
★参考:特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会
★参考:「新型コロナウイルス感染症(COVIT-19)対策における機能性食品成分の臨床的意義」
免疫力向上・アレルギーの改善
アレルギーは、本来排除する必要のないものにまで免疫機能が過剰に働くことによって引き起こされます。また、環境や体質のほかに、生活習慣の乱れやストレスなども原因とされています。
エキナセアは、自律神経を整え、免疫機能を高めることで、アレルギーの症状を改善する効果が期待できます。
尿に関するトラブルの改善
男性は年齢とともに、夜中に何度もトイレに行きたくなる、尿が一度にすっきり出ないといった排尿障害が増加します。これらの症状は、前立腺が肥大し、尿道が圧迫されることが原因とされています。
また、女性は男性に比べて尿道に雑菌が入りやすく、尿が出るときに痛みを感じる、残尿感があるといった症状が引き起こされやすいといわれています。
エキナセアには抗炎症作用があり、これらの尿に関するトラブルを改善する効果が期待できます。
肌のトラブル改善
エキナセアの特有の成分であるポリフェノールの1種「エキナコシド」や「エキナセイン」という成分には、酸化ストレスから肌を守るため、肌への刺激を緩和してうるおいを保ち、キメを整える働きがあります。肌にとって大切なヒアルロン酸の分解を抑制する効果もあるとされ、肌の水分補給としわの改善に効果が期待できます。
また、抗炎症作用や抗菌作用もあり、ニキビや繰り返す肌荒れなど頑固な肌トラブルを防いでくれる効果も期待できます。
エキナセアの副作用・注意点
エキナセアは、通常の使用の範囲では安心して使えるハーブです。
一般的に安全で、子どもにも利用できます。
授乳中の使用に関しては、問題は確認されていませんが、最終的な安全性は確立されていません。まれにアレルギーを引き起こす場合があります。
妊娠中・授乳中は、専門医のアドバイスのもと使用してください。
キク科アレルギーの人は注意してください。
また、8週間以上の連続使用は避けてください。
自己免疫疾患の方、免疫抑制剤を服用している方の使用は禁忌又は注意が必要です。
エキナセアハーブティーの飲み方
エキナセアはハーブティーとして利用するのがおすすめです。
エキナセアハーブティーは免疫力向上に効果が期待でき、風邪やインフルエンザの予防をしたい方や、季節の変わり目に体調を崩しやすい方、最近体力が落ちたと感じる方におすすめです。
エキナセアハーブティーは味にクセもなく、他とブレンドしやすいハーブです。カモミールなど印象深いハーブと合わせたり、お子さんが飲みにくいという時は、はちみつやレモンを加えると飲みやすくなります。
ハーブティーの淹れ方
1.カップとポットをお湯で温めておく
2.1杯分約130㏄に対してティースプーン1杯~1.5杯分のエキナセアをティーポットに入れる
3.沸騰したお湯(95°C程度)をティーポットに注ぐ
4.蓋をして3~5分程蒸らす
エキナセア茶はくせがなく、草木の香りがします。
後味はすっきりと爽やかです。
ブレンドティーとして
〈風邪やインフルエンザの季節に〉
・エルダーフラワー
・ローズヒップ
・ジンジャー
・カモミール
〈季節の変わり目に〉
・アイブライト
・エルダーフラワー
・ネトル
・スペアミント
ローズヒップのビタミンCで、より免疫力を高め風邪を予防してくれる効果が期待できます。
また、スペアミントなどミント系のハーブと合わせることで程よい清涼感が感じられ、さらに飲みやすくなります。
まとめ
「天然の抗生物質」と呼ばれるほど抗ウイルス作用に優れているエキナセアは、特に免疫機能を強化する働きに優れています。
ハーブティーとして、日常的に飲んでケアをするのにぴったりのハーブなので、規則正しい生活習慣に加え楽しみのひとつとして生活に取り入れ、毎日をアクティブに過ごしましょう。