心とカラダを癒す「カモミール」の効能は?カモミールティーやラテの作り方。

爽やかな甘い香りで、世界中でハーブティーとして親しまれている人気のハーブ「カモミール」は、 心身を癒し、リラックスさせる効果、ほかにも、 冷えの改善や生理痛の緩和など女性にうれしい効果がたくさん!

ここでは、さまざまな効果が期待できるカモミールのハーブティーやラテの作り方、また、ドリンクとしてだけでなく、日常的に香りを楽しむ方法などをご紹介します。

カモミールとは?

カモミールとは、キク科シカギク属の植物で、ヨーロッパから西アジアに分布しています。
カモミールには、一年草の「ジャーマンカモミール」と、多年草の「ローマンカモミール」がありますが、一般的にハーブとして用いられているのは、「ジャーマンカモミール」です。

「Chamomile(カモミール)」の語源は、ギリシャ語で「地上のリンゴ」を意味し、カモミールの小さな白い可憐な花から爽やかなリンゴの香りが漂うことから名付けられたといわれています。
江戸時代にポルトガルやオランダから日本に持ち込まれたカモミールは、オランダ語由来の和名『カミツレ』という名でも知られています。


カモミールの花言葉

カモミールの花言葉は「逆境に耐える」「逆境で生まれる力」「親交」「仲直り」など、寒さや雨風に強く、とても丈夫で、どのような環境でも育つことができる生命力から由来する花言葉をもっています。
また、ジャーマンカモミールは、香りがとても豊かで癒やし効果が高いとされていることから、「あなたを癒す」といった花言葉もつけられています。

「逆境」といった言葉があることから、ネガティブなイメージを持つ方も多いですが、花言葉に怖い意味はありません。花言葉の意味としてはポジティブなものばかりなので、贈り物やガーデニング用に選んでも問題ありません。


カモミールの効能

カモミールは、世界中で親しまれているハーブのひとつで、抗菌・抗炎症作用などに優れ、胸やけや胃炎、疝痛(腹部の臓器が痛むことによって起こる腹痛)、生理痛、冷え症、不眠など幅広い薬効があるため、さまざまな国で「緑の薬箱」の定番ハーブになっています。
カモミールの効能を詳しくみてみましょう。


抹消皮膚温度の上昇・リラックス効果

カモミールは温めた状態で摂取した場合、末梢皮膚温度が上昇することがわかりました。
また、リラックス感の増加、心拍数の低下や副交感神経優位(心身のさまざまな部分の活動性を下げ、回復、修復へと導きます)の傾向になります。


★参考:北海道大学大学院教育学研究科「総説 植物カモミールの効果が心身に及ぼす効果」


★参考:天使大学「夕方摂取のカモミール茶によるストレス軽減効果の検討」

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頭痛や生理痛の緩和・皮膚炎の抑制

カモミールには鎮痛作用があり、頭痛や神経痛、生理痛を和らげる効果が期待できるとされています。また、ニキビや皮膚炎、口内炎などの炎症を抑える抗炎症作用もあるため、肌の調子を整えてくれる効果も期待できるとされています。


★参考:東京理科大学薬学部「ジャーマンカモミール」


消化機能の改善

カモミールには、フラボノイド(アピゲニン、ルテオリン)や、消炎成分であるカマズレンに変化するマトリシンなどが含まれます。また、アピゲニンには強力な鎮痙作用があります。
さらに、胃の粘膜を修復してくれるアズレン誘導体という成分が含まれています。アズレン誘導体は消化器官の不調を改善してくれるとされており、特にストレスによる胃潰瘍や過敏性腸症候群などに効果的といわれています。


★参考:東邦大学メディアネットセンター 薬草園の世界 ハーブとアロマテラピー「ジャーマンカモミール」


★参考:特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会 メディカルハーブ事典「カモミールの植物学と栽培 世界各国に多数存在する‘’カモミール‘’と名のつく植物」

カモミールの副作用

▽キク科アレルギーの方は注意!
・カモミールはキク科の植物のため、キク科アレルギーの人は注意が必要です。厚生労働省によると、カモミールについて、「ブタクサ、キク、マリーゴールドやヒナギク等のキク科の近縁植物にアレルギー反応を起こす人は、カモミールにもアレルギー反応を起こす可能性がある」とされています。

▽妊娠中の方は控えてください!
・カモミールには子宮収縮作用があるといわれており、妊娠中の摂取は避けたほうが良いでしょう。カモミールを原料とした精油の使用も控えましょう。

▽ノンカフェインで子どもにも安心!
・ヨーロッパでは、抗酸化作用があるため子供の初期風邪予防として愛飲されています。ノンカフェインで、穏やかに効くハーブであることから、子どもにも安心のハーブです。


カモミールティーの作り方

1.カモミールをティースプーンに山盛り1杯(約1g)に熱湯160mlほどを注ぐ
2.蓋をして、3分ほどそのまま蒸らす
3.茶こしを使って、ティーカップに注ぐ

リンゴのようなフルーティーな香りが漂うハーブティーです♪
ハーブティーが持つ独特の苦みが苦手な人は、はちみつをプラスするのがおすすめです。カモミールのリンゴのような甘さがより際立ち、飲みやすくなります。
また、レモンを加えたり、冷え性の人はショウガをすりおろして加えるのもおすすめです。体の芯から温まり、冷えからくる頭痛や月経異常などの改善が期待できると言われています。
また、冷やしてアイスティーとして、ミルクを加えてカモミールミルクティーとしても楽しめます。


カモミールの楽しみ方

心や身体に嬉しい効能がたっぷりのカモミールですが、日常的に香りを楽しむためにはどうすればいいのでしょう?
手軽に取り入れられる方法をご紹介します。


ハーブチンキとして

ハーブチンキとは、ウォッカなどのアルコールに漬け込んで成分を抽出したエキスです。アルコールに漬けることで、よりハーブのエキスが摂りやすくなります。

〈カモミールチンキの作り方〉

・カモミール(ドライ)10g程度
・ウォッカ(もしくはホワイトリカー) 100ml程度
・煮沸消毒した瓶
・茶こし(もしくはガーゼ)

1.瓶に、ドライカモミールを入れ、ウォッカ(ホワイトリカー)を注ぐ
2.蓋をしっかりと閉め、日付ラベルを貼っておく
3.1日1回、瓶を振って中身を混ぜながら2週間漬け込む
4.茶こし、またはガーゼなどを使ってハーブを濾し、保存容器に移す

保存する場合は冷暗所に置きます。保存期間は約1年です。
温めたミルクやお湯にハーブチンキを数滴(1~3mlほど)垂らし混ぜて飲みます。ほのかに甘いカモミールの香りが漂い、リラックスした気持ちに導いてくれるので、おやすみ前にもピッタリです。
また、お風呂に数滴入れて使用したり、精製水やグリセリンにごく少量を混ぜて、化粧水としても使用できます。


ポプリ・サシェとして

カモミールなどのハーブを使って、ポプリやサシェを作るのもおすすめです。
ポプリとは、乾燥させた花やハーブなどの植物に、精油やアロマオイルを垂らして保存したものです。
サシェとは、乾燥させたハーブを入れた小袋のことです。

瓶や袋に材料を入れ、好きなエッセンシャルオイルを数滴加えます。その際、芳香を長く持たせるための保留剤を入れても良いでしょう。
あとは、密閉して2週間から1か月熟成させれば出来上がりです。

リビングや寝室など、部屋に飾っておくだけで、ハーブの良い香りが広がって心地よい気分にさせてくれるでしょう。


蒸気浴として

・洗面器 1つ
・カモミール 1つかみ
・沸騰させたお湯 1ℓ
・大きなバスタオル 1枚

1.熱いお湯を洗面器に注ぎ、カモミールを蒔くように投入
2.洗面器に蓋をせず、そのままの状態で少し冷ます (やけどに注意)
3.湯気の熱さが、我慢できる温度まで下がったら、バスタオルを頭からすっぽりかぶるようにして、蒸気が逃げないようにし、 10~20分間程蒸気を浴びる

たっぷり蒸気の香りをお楽しみください。保湿ケアにも♪


入浴剤として

肌によいと言われるカモミールは、香りも良くリラックス効果もあり、入浴剤としてもおすすめです。

方法は、カモミールを木綿の袋かお茶パックに入れて、湯船に浮かべるだけです。
または、カモミールに熱湯を注ぎ、10分程度抽出して濃い目のハーブティーを作り湯船に入れても、手軽に楽しめます。

湯舟の中にタオルを入れカモミールの成分を含ませて、気になる部分に当てると、カモミールの抗炎症作用で温湿布のように使うこともできます。特に、眼精疲労などによいと言われています。

また、カモミールには誘眠作用もあるため、就寝前の入浴にもおすすめです。お風呂で身体を温めて、カモミールの香りでリラックスして自然と眠りに誘われることで、質の良い睡眠が期待できます。


カモミールのレシピ

カモミール酒

・カモミール(ドライ) 8g
・白ワイン 180ml
・35度のホワイトリカー 180ml
・きび砂糖 25g

1.洗浄した容器に材料を入れる
2.1週間ほど漬けておく(時々漉すことで、濁りや酸化を防ぎます)

カモミールの成分が抽出され、少しずつ飲むことでじわじわと効果が実感できるでしょう。
冷え性や月経痛に効果が期待できます。



カモミールシロップ

・水 400ml
・カモミール(ドライ)  約50g
・砂糖 200g
・レモン 2個(クエン酸大さじ2と代用可)

1.小鍋に水を入れ、沸騰したらカモミールを入れ、3分ほど煮込み、その後5~10分蒸らす
2.カモミールをきれいに取り除き、砂糖を入れ煮詰める
3.火を止める直前にレモン果汁を入れる
4.瓶に移し冷蔵庫で保存する

カモミールシロップはさまざまな使い方ができます。

▽水割りや炭酸割り、ハーブティーなどに入れる。
▽ヨーグルトや果物にかけたり、パンケーキなどのスイーツのシロップとしても使えます。アイスにかけたり、かき氷のシロップにしても美味しいです。
▽料理の甘みと風味づけにも使用できます。ケーキやゼリーといったスイーツの材料として混ぜたり、ドレッシングやソースの材料にも。


なめらかプリンのような風味!カモミールティーラテ

・カモミール 小さじ2
・ミルク 200cc
・お好きな甘味料 小さじ1と1/2

1.小さめの鍋に材料を全部入れ、中弱火にかける
2.鍋の周りがふつふつと沸騰してきたら、火を弱め1分半程煮だす
3.茶こしでこす

濃厚なスイーツのようなカモミールティーラテ♪
水を使わずミルクで作ることが美味しさのポイントです。
いつものカフェタイムを楽しく彩ってくれますよ♪


まとめ

カモミールは、甘くて爽やかな香りを持ち、心にも身体にもいいことをもたらす魅力的なハーブです。
ハーブティーとしてだけでなく、ポプリや入浴剤として普段の生活に取り入れて、心身ともにリラックスできる環境で毎日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
毎日のストレス対策に、ぜひ取り入れてみてください。


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