料理の時短に!ガーリックパウダーの使い方とは?効果や代用品なども。
ニンニクは、強い風味と香りで、料理に深みとコクを与えてくれる万能食材です。そのニンニクを乾燥させて粉末状にした「ガーリックパウダー」は、生のニンニクのように皮をむいたり切ったりなどの手間がなく、振りかけるだけなので手につく匂いなどの心配もない、とても便利なスパイスです。
また、乾燥しているので、生のニンニクよりも長期保存が可能で、いつでも手軽に使うことができます。
ここでは、便利なガーリックパウダーの使い方やおすすめのレシピ、栄養や効果などをご紹介します。
ガーリックパウダーとは
ガーリックパウダーとは、ニンニクを乾燥させて粉末状にしたもので、食材の下味や料理の味つけまで幅広く使うことができる調味料です。ニンニクの皮を剥いたり、刻んだりといった工程を省くことができるため、手間をかけることなく風味付けができ、手や包丁に臭いがつかないという利点もあります。
また、生のニンニクに比べて臭いがきつくないので、口臭も生のニンニクより気にならないのもうれしいポイントです。
ガーリックパウダーの栄養と効果
ガーリックパウダーには、アホエン、ビタミンB6、銅などが含まれ、強い抗菌力を持ち、抗ウイルスや抗腫瘍作用に優れています。
ガーリックパウダーの栄養や優れた効果をみてみましょう。
アホエン
アホエンとは、ニンニクに含まれている化合物の1つで、「Ajo(アホ)」はスペイン語でニンニクのことです。
アホエンは、生ニンニクには含まれておらず、加熱することによって生成されます。
アホエンには、抗血栓作用や抗菌作用、抗ウイルス作用、コレステロール低下作用、血小板凝集抑制作用、抗腫瘍作用があり、ニンニク由来の化合物の中でも特に強い健康増進作用を持つことが知られています。
★参考:浦上財団研究報告書Vol.16(2008)「ニンニクの健康増進作用を増強させるための加工・保存技術の開発」
ビタミンB6
ビタミンB6は、エネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンで、特にタンパク質の分解を助けます。
免疫機能の働きを維持し、皮膚の抵抗力の増進や、赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない栄養素です。
また、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ、肝脂肪の予防にも効果が期待できます。
さらに、女性ホルモンであるエストロゲンの代謝にも関わっており、ホルモンのバランスを整える働きがあります。月経前症候群 (PMS)の症状を緩和する働きもあるといわれています。
妊娠するとタンパク質代謝が促進され、ビタミンB6が欠乏することでつわりが誘発されるという説から「ビタミンB6を補うとつわりが軽減される」という研究もあり、注目されています。
銅
銅は、血液や骨格筋、骨などに存在する微量必須ミネラルで、生命維持に重要な役割を担っています。
赤血球の形成を助け、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。
銅には、ヘモグロビンの合成を高めて貧血を予防する働きがあります。鉄を十分に摂取しているのに貧血症状が改善されないという方は、銅が不足している可能性も考えられます。
ガーリックパウダーの種類
ガーリックパウダーには、粗挽きタイプや粒子の細かいパウダータイプなどがあります。
肉の下味や、炒め物、パスタなどに幅広く使用することができますので、料理に合わせて使い分けるとよいでしょう。
粒子の細かいタイプ
粒子の細かいパウダー状のものは、塩のような感覚でさまざまな料理に振りかけることができます。粒子が細かいので料理になじみやすく、肉の下味に使ったり、ドレッシングに混ぜて使ったり、完成した料理の上から振りかけることもできます。
粗挽きタイプ
粗挽きタイプは、粒子の細かいタイプに比べ、香りが強く、食感があります。
パウダー状のものと同じようにどのような料理にも使えますが、溶けにくいのでスープやドレッシングなどには向いていません。
ステーキやペペロンチーノなど、ニンニクの風味をそのまま楽しみたいときに最適です。
ガーリックパウダーの代用品6選!
便利なガーリックパウダーですが、「使おうと思ったら切らしていた!」という時に、家にあるもので簡単に代用できるおすすめの代用品をご紹介します。
代用品①:おろしにんにく・チューブにんにく
ガーリックパウダーの代用品として最適なのが、おろしにんにくです。
生のおろしにんにくは、よりにんにくの風味が強くなるので、にんにくの味や香りを強く出したい時におすすめです。
おろしにんにくはガーリックパウダーとは違い、水分が多いので、使用する際にはベチャベチャにならないように注意をする必要があります。
代用品②:フライドガーリック
フライドガーリックは、油で揚げてあるので余分な水分が飛んでおり、揚げたことにより香ばしさも加わっています。
フライドガーリックは、スライスされているので、そのまま使用するのはもちろんのこと、すり鉢などで擦り下ろすと、簡単にガーリックパウダーを作ることができます。
代用品③:フライドオニオン
玉ねぎはにんにくと同じユリ科の植物であるため、ガーリックパウダーと同じ役割をしてくれます。
そのままでももちろん、満遍なく食材に行き渡らせたい場合は、すり鉢などで擦り下ろして使用するといいでしょう。
にんにくの臭いが気になる方にもおすすめです。
代用品④:にんにくの芽
にんにくの芽は香りもしっかりとにんにくの香りがするので、にんにくの香りをつけたい時にはおすすめです。
辛味も少なく、香りも強すぎないため、にんにくが苦手な人も食べやすくなります。
また、シャキシャキとした食感があるので炒め物などに使用することでそのまま具材としても楽しめます。
ただし、ガーリックパウダーのように粉末状ではないため、全体に満遍なく振りかけることはできません。
代用品⑤:にんにくドレッシング
スーパーなどで売られているにんにく風味のドレッシングでも代用できます。
液体状なので、肉に直接かけて擦り込むこともできますし、炒め物やサラダなどに少し加えるだけでも簡単ににんにくの風味をつけることができます。
また、ドレッシングには塩や胡椒などが入っているので、ドレッシングだけで下味をほとんどつけることができます。
ただし、液体状なので水分量が多く、たくさん使用すると料理によってはベチャベチャになってしまうので注意が必要です。
代用品⑥:生姜
生姜は少しピリッとした辛味を持ち、にんにくの風味に近いので、代用品として活用しても美味しく食べることができます。
擦り下ろしたり、刻んで使うのはもちろん、より風味を強くしたい場合はスライスしたものも一緒に加えることで香りをしっかりつけながらも臭みをとることができます。
ただし、風味は似てますが、完全にガーリックパウダーと同じ味を出せるわけではありません。
ガーリックパウダーの使い方
ガーリックパウダーは、生のニンニクと同じように幅広く料理に活用することができます。
ガーリックパウダーを使うことで、料理に深みとコクが加わり、香りや味わいが広がります。
サッと振りかけるだけでにんにくの風味をプラスすることができるので、とても便利です!
具体的な活用方法をみてみましょう。
◼︎肉や魚の下ごしらえに
にんにくには肉や魚の臭み消しになるので、肉や魚を焼く前に振りかけたり、唐揚げなどの下味に加えると食欲をそそる香ばしさがプラスされます。
◼︎パスタや炒め物の風味付けに
パスタや焼きそば、ガーリックライスの味付けに加えたり、餃子のタネに足すなど、幅広い料理の風味づけにも使えます。
◼︎揚げ物のアクセントに
ポテトフライなどの揚げ物とも相性抜群です。仕上げに塩とガーリックパウダーを絡めるだけで、お酒によく合う食欲そそるスパイシーな風味に仕上がります。
◼︎煮込み料理にコクをプラス
カレーやビーフシチューなどの煮込み料理にガーリックパウダーを加えると、コクと風味が増します。
◼︎ピザやトーストのトッピングに
ガーリックトーストやピザを作るときにも便利です!仕上げにパラパラと振りかけるだけで、香ばしい風味をプラスすることができます。
ガーリックパウダーの時短おすすめレシピ
とても便利なガーリックパウダーを使ったおすすめレシピをご紹介します。
生のにんにくに比べて風味がやわらかく、ほんのひと振りで食欲をそそる風味をプラスすることができます。
ガーリックレモンバター
・無塩バター 50g
・レモン汁 小さじ1
★ガーリックパウダー 小さじ1/4
★オレガノ (乾燥) 小さじ1/4
★塩 小さじ1/4
★黒こしょう 小さじ1/4
1.バターを常温にもどす
2.ボウルにバターを入れ、ゴムベラでなめらかになるまで混ぜる
3.レモン汁と★を入れさらに混ぜ合わせる
4.ココットに入れてラップをし、冷蔵庫で1時間冷やす
パンなどに塗ってお召し上がりください♪
塩加減は味見しながらお好みで調整してください。
有塩バターで作る際は、塩加減を調整してください。
野菜やお肉、魚の炒め物にもおすすめです。
ガーリック焼きうどん
・うどん 170g
・にんじん 1/2本
・長ねぎ 50g
・薄切りハーフベーコン 5枚
・ニンニク 1片
・油 大さじ1
・塩こしょう 少々
・ガーリックパウダー 小さじ1/2
1.茹でたうどんを水で洗ってザルで水を切る
2.にんじんを半月切りにし、長ねぎは斜め薄切り、ベーコンは1cm幅に切る
3.ニンニクを薄切りにする
4.フライパンに油とニンニクを入れ、中火で焦げない程度にカリカリになるまで炒め、取り出しておく
5.②とうどんを入れて中火で炒め、塩こしょうとガーリックパウダーで調味する
6.器に盛ったら、④をトッピングする
ガーリックたっぷりの焼きうどんの出来上がりです♪
家にある野菜を加えても良いです。
ガーリックパウダーとカリカリに炒めたニンニクのダブルガーリックでパンチのある一品!
タコのガーリックと青じそのマリネ
・ゆでだこの足 2本
・青じそ 10枚
・ピーマン 1/2コ
・クレソン 3本
▽ガーリックパウダー 小さじ1/3
▽塩 少々
★レモン汁 大さじ1
★オリーブ油 大さじ1
1.タコは斜めに4㎜厚さのそぎ切り、青じそは縦半分に切ってから横に3㎜幅にカット、ピーマンは薄いせん切りにし、クレソンは3㎝長さにカットする
2.ボウルにたこと▽を入れ、手でもみ込むようにして混ぜ、30分間ほどおく
3.②に青じそ、ピーマン、クレソン、★を加え、和える
ガーリックが効いたタコのマリネの出来上がり♪
苦みのある野菜と合わせることで、味にメリハリができます。
おつまみにおすすめです。
ガーリックパウダーの保存方法
ガーリックパウダーは長期保存が可能ですが、正しく保存しないと、酸化したり固まってしまったりする場合があります。
正しい保存方法をみてみましょう。
ガーリックパウダーの保存期間
〈未開封〉
未開封のガーリックパウダーの賞味期限は1~2年の場合が多いです。保存方法や保存環境が良ければ賞味期限が切れていても使用することができます。
〈開封後〉
開封すると、空気に触れ香りや風味が損なわれたり、固まってしまう場合があります。
開封後は半年以内に使い切るのがおすすめです。
ガーリックパウダーが固まらない保存方法
〈保存容器〉
・密閉できる容器を使う
・乾燥剤を使用する
ガーリックパウダーは湿気に弱く、湿気で固まってしまいます。直ぐに使わない場合は乾燥剤を使用したり、密閉できる容器に入れ替えて使うようにしましょう。
〈保存場所〉
・直射日光を避ける
・熱を避ける
・湿度を避ける
直射日光に当たると、酸化が進みます。
また、ガスコンロ周りなど熱い場所に置くと、熱で風味が飛んでしまうので避けましょう。
湿気がある場所は、パウダーが固まる恐れがあるので湿度や温度の変化がない冷蔵庫での保存が最適です。
ただし、冷蔵庫に入れていても結露でカビが生えてしまう可能性もあるので、長期保存せずに早めに食べきりましょう。
まとめ
ニンニクを粉末状にしたガーリックパウダーは、生のニンニクのような手間がいらず、振りかけるだけなので、料理の時短に便利なスパイスです。
長期の保存も可能なので、家に常備しておくととても便利ですよ!