デトックスハーブ「ダンディライオン」の効能、話題のタンポポコーヒーも。
春になると道端に黄色い花を咲かせるタンポポ。ダンディライオンはこの西洋タンポポのことで、 優れた強肝作用があり、体の毒素を排出するだけでなく、心に溜まっているマイナスな感情も浄化してくれるハーブとして古くから親しまれてきました。
また、母乳の出を良くすると言われており、ノンカフェインのタンポポコーヒーは、産後の女性に話題のハーブティーです。
ここでは、ダンディライオンの優れた効能や、タンポポコーヒーの淹れ方などをご紹介します。
ダンディライオンとは?
ダンディライオンとは、西洋タンポポのことで、日本の在来種である日本タンポポとは別の種類です。
ヨーロッパ原産で、現在は全国各地の道端などで見ることができます。
ダンディライオンという名前は、フランス語の「dent-de-lion」に由来し、「ライオンの歯」を意味します。葉の形がライオンの歯に似ていることからこの名前がついたといわれています。
繁殖力の強いハーブで、世界各地で野生しており、古くからナチュラルメディスンとして、世界中でその成分が利用されてきました。
アーユルヴェーダやアラビアの医学では、肝臓や胆のうの不調や、リウマチなどの体質改善に用いられ、また北米大陸の先住民の間では、先祖代々受け継がれてきた薬草として、腎臓病や水腫、皮膚病に用いられてきました。
漢方では西洋蒲公英(ホコウエイ)と呼ばれ、 日本でも、西洋タンポポの根は生薬として、食欲増進、胆汁分泌の促進、便秘の解消や、母乳分泌の促進などで用いられてきました。
根の部分を「ダンディライオンルート」と、葉の部分を「ダンディライオンリーフ」と区別して呼ぶこともあります。
しかし、一般には、根の部分を単に「ダンディライオン」と呼び、葉の部分を「ダンディライオンリーフ」と呼ぶことが多いようです。
ダンディライオンはヨーロッパの山菜!
日本では、春にヨモギやスギナ、たらの芽など、 苦みのある山菜を食べる習慣があります。
ヨーロッパではこのダンディライオンの葉が、日本の山菜と同じように食され、 柔らかい若葉をサラダやスープに入れたり、 根はローストして「タンポポコーヒー」として飲まれます。
タンポポコーヒーは、ノンカフェインなので、授乳中の方や、健康志向の高い人たちの間でも、ヘルシーなコーヒーとして人気です。
ダンディライオンの種類
ダンデライオンは西洋タンポポで、もともと日本に自生していた在来種の日本タンポポとは別の種類です。
日本在来のタンポポは春で花は終わりますが、西洋タンポポは夏場でも花を咲かせるのが特徴です。
見分けのポイントは、西洋タンポポは花びらの下の部分(総苞片)が反り返った状態になっており、日本在来種のタンポポは閉じています。
西洋タンポポは繁殖力が強いので、日本の都市部では、在来種が減り、西洋タンポポが多く見られるぐらい帰化しています。
ダンディライオンの効能
ダンディライオンは、ビタミンAやビタミンB1、B2、ビタミンC、ビタミンDなどのビタミン類や、カリウムや鉄分、カルシウムなどのミネラル、食物繊維やフィトステロールなどが豊富に含まれています。
日本では古くから、健胃剤や利胆剤(胆汁や膵液の分泌を促進)、緩下剤(おだやかに作用する下剤)、催乳剤として利用されてきました。
ダンディライオンの効能を詳しくみてみましょう。
★参考:日本メディカルハーブ協会「デトックス(解毒)ハーブの決定版ダンディライオン」
肝臓機能の促進効果
ダンデライオンには肝臓の機能を高めて(強肝)、胆汁の排出を促進する作用(利胆)があります。胆汁は肝臓が作る消化液のひとつなので、胆汁を促すことで消化機能を促進する効果も期待できるとされています。
★参考:UNICO 「代替医療と伝統医学 自然療法専門誌「自然療法ジャーナル」より掲載(ドイツの情報誌)」
肌のトラブル防止・デトックス効果
肝臓には、身体に溜まった老廃物や毒素などを中和して排出する働きにより、身体の中から老廃物を出してくれるので、ニキビや肌荒れ、湿疹などの肌のトラブルにも役立つとされています。
また、肝臓の機能が高まることにより、身体に溜まった毒素や老廃物を身体の外に排出する、解毒作用が高まるとされています。
さらに、心身の毒は肝臓に蓄積されやすいと言われているため、体の毒素だけでなく心に溜まっている怒りなどのマイナスの感情も浄化してくれると言われています。
利尿効果・むくみの緩和
ダンディライオンは、特にカリウムが豊富に含まれています。
「おねしょのハーブ」とも言われるほど利尿作用があると言われ、むくみが気になる方におすすめです。
フランス語の別名『ピ・サン・リ』は「尿が近くなる(おねしょ)」という意味で利尿効果のあるハーブとして使われていた歴史があります。
催乳(母乳の分泌促進)効果
ダンディライオンに含まれる植物性のステロールであるタラキサステロールには、コレステロールの吸収を抑えてくれる働きがあります。コレステロール値が高いと血液がドロドロになってしまい、乳腺が詰まってしまいますが、タラキサステロールの催乳作用により、母乳の分泌を良くし、乳腺炎を予防してくれる効果が期待できるとされています。
母乳は血液から作られるのですが、肝臓の機能を高めて血液を増やすことにより、母乳の出を高めるのではないかといわれています。
消化促進効果
ダンディライオンに含まれる苦み成分タラキサシンには、胃酸の分泌を促進する働きがあり、その他の含有成分との複合効果によって消化促進や食欲増進、胃もたれの緩和に効果が期待できるとされています。
便秘の改善
ダンディライオンに含まれる水溶性食物繊維の一種であるイヌリンは、腸での糖の吸収を抑えて血糖値の上昇を抑制し、腸内の善玉菌のエサとなり腸内環境を整える働きがあります。また、腸のぜん動運動に働きかけ、便秘の解消にも効果が期待できるとされています。
ダンディラインのように天然のイヌリンを多く含むものは少ないと言われています。
すい臓がんに効果
最近の研究では、膵臓がんにも効果がある研究が進められています。
ダンディライオンが、ヒト膵臓癌細胞において、アポトーシス(あらかじめ予定されている細胞の死。細胞が構成している組織をより良い状態に保つため、細胞自体に組み込まれたプログラム)とオートファジー(酵母や植物、動物など、すべての真核生物に備わっている細胞内の浄化・リサイクルシステム)を誘導する可能性があることが実証されました。
★参考:アメリカ国立衛生研究所「ヒト膵臓がん細胞におけるタンポポ根抽出物によるアポトーシスとオートファジーの選択的誘導」
ダンディライオンの使い方
料理に
主に根を活用するハーブですが、花や若い新芽も食べられます。
軽い苦みがありますが、エディブルフラワーとして、おひたしや酢の物などにすると食べやすいです。
葉は、若く柔らかい新芽をサラダにしたり天ぷらにするのも良いでしょう。
焼酎やワインなどに花を漬け込んでタンポポ酒としても楽しめます。
ハーブティーに・コーヒーの代わりに
ダンディライオンをハーブティーとして飲んだり、根をローストするとコーヒーの代わりにタンポポコーヒーとして親しまれています。
カフェインレスのコーヒーとしても人気があります。
ダンディライオンハーブティー「タンポポコーヒー」の淹れ方
ダンディライオンをローストしたものが、「タンポポコーヒー」と呼ばれています。
ダンディライオンはローストすることで、アメリカンコーヒーのような味わいになるため、ノンカフェインのコーヒーとしてヨーロッパなどで親しまれているハーブティーです。
日常的に飲んで、胃腸のケアに役立てたり、風邪のひき始めにも適しています。
コーヒーが飲みたいけど、カフェインが気になるという方にもおすすめです。
フライパンで簡単にローストできますのでお試しください。
ロースト方法
〈手順〉
1.厚手のフライパンで弱火で焦がさないように乾炒りする
2.冷めたらミルで細かく挽く
3.再び、フライパンで時間をかけて弱火で煎る
4.冷めたら炒る工程を3回繰り返す
抽出方法
〈ポットで〉
・180㏄の熱湯にティースプーン2杯くらいをポットに入れ、10分程蒸らす
〈鍋で〉
・200㏄の水にティースプーン1杯を鍋に入れ、沸騰しないように15分程煮込む
味はほうじ茶に似た風味で、濃いめに作るとコーヒーのような苦みのある香ばしい風味になります。
苦手な方は、ローズヒップや桑の葉、ドクダミ茶、杜仲茶などとブレンドすると飲みやすくなり、相乗効果も期待できおすすめです。
また、鍋で煮だす抽出方法の場合は、フェンネルやカルダモンなどとのブレンドもおすすめです。苦みをやわらげスパイシーさが加わります。
牛乳や豆乳を入れミルクティーにして、シナモンを加えるなど、アレンジも多様です。
ダンディライオンの副作用・禁忌
・胆道閉鎖、胆のう炎、腸閉塞胆の方は使用を避けてください。
・キク科アレルギーの方、妊婦の方は注意が必要です。
・血圧を下げる効果があるため、低血圧の方は注意が必要です。
以上の方たちは、使用を控えるか、医師に相談の上ご使用ください。
まとめ
ダンディライオンとは西洋タンポポのことで、デトックス効果に優れているとされ、古くから体も心も浄化してくれるハーブとして親しまれてきました。
「タンポポコーヒー」と呼ばれるダンディライオンのハーブティーは、母乳の出がよくなる催乳作用があるとされており、ノンカフェインなので産後ママにもおすすめです。
毎日の一杯に!体質改善に役立ててみてください。