バジルの栄養と効能とは?効果的な食べ方・使い方やおすすめレシピも!

ふわりと広がる爽やかな香りが特徴の「バジル」

マルゲリータやカプレーゼ、パスタなど、イタリア料理ではおなじみのハーブですが、肉や魚、野菜や乳製品などさまざまな食材と相性が良く、幅広く料理に活用できる万能ハーブです。

手軽に使えて便利なドライバジルは、バジルを乾燥させたもので、フレッシュバジルに比べ、長期保存ができストックしておくととても便利です。

ここでは、バジルの栄養や効果効能ドライバジルの作り方使い方などをご紹介します。

バジルとは?

バジルはインド原産のシソ科のハーブです。
バジルの語源はギリシャ語で「王」を意味する「Basileus」から派生したといわれています。
紀元1世紀頃、ギリシャの医者で薬草学者のディオスコリデスは、バジルをワインと一緒に適量食べると視力に良いとすすめていたと言われています。

日本には、16世紀頃にインドからヨーロッパを経て江戸時代に伝わりました。バジルの和名は「メボウキ」といい、この言葉は江戸時代に、水に浸しておくと表面がゼリー状に変化するバジルの種を用い、目に入った異物を取り除いていた習慣があったことからこの名で呼ばれていたといわれています。

バジルにはさまざまな種類がありますが、日本で多く流通しているのはスイートバジルという種類で、甘くさわやかで深みのある香りが特徴で、特にトマトとの相性がよく、トマトソースやピザ、パスタなどには欠かせないハーブです。


「バジリコ」と「バジル」の違い

「バジリコ」と「バジル」は、同じものです。
バジリコ(Basilico)はイタリア語、バジル(Basil)は英語の呼び名で、日本では、英語名のバジルという名前のほうが一般的に使われています。


バジルの栄養と効果効能

バジルの栄養成分は、β-カロテンやビタミンEなどのビタミン類や、カルシウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルなどです。
また、バジル独特の香りにはリナロールやオイゲノールという成分が含まれており、抗不安効果やリラックス効果、血流改善効果が期待できます。
他にも、強い抗酸化作用を持つ苦味成分であるサポニンも含まれています。

※妊婦さんは食べる量に注意が必要です。
バジルには子宮収縮作用があり早産や流産に繋がる可能性があります。ピザのトッピングなどの通常量であれば問題はないとされていますが、大量摂取は流産率が高い妊娠初期や、妊娠後期のお腹のハリやすい妊婦さんは避けた方が良いでしょう。
また、乳幼児に食べさせる場合、バジルなどのハーブ類は、一般的に1歳を越えたくらいからなら食べさせても大丈夫とされています。

バジルの効能を詳しくみてみましょう。


血流改善効果

バジルには、血小板凝集の抑制(血栓の形成を抑えることで血管をつまらせないようにする)する働きがあり、血流改善効果が期待されています。

参考:KAKEN 科学研究費助成事業「ハーブ精油の血小板凝集抑制能」

抗不安効果

リナロール香気は抗不安効果を示し、その効果は嗅覚を介することが判明した。リナロール香気は運動障害を認めずに抗不安効果を発揮しており、より副作用の少ない薬剤の開発につながる可能性があるとされています。

参考:Frontiers in Behavioral Neuroscience 2018;12:241「マウスにおいて、リナロール香気は抗不安効果を示す」

ストレス軽減・リラックス効果

健康成人男性にオイゲノールの匂い刺激を行い、心拍変動解析により交感神経と副交感神経成分の変化を調べたところ、人間のストレスホルモンであるコルチゾールの血中濃度が、3日間のオイゲノール芳香により顕著に低下することが分かりました。これは、オイゲノールが人間に対してリラックス効果をもたらすことを示唆しています。

参考:「脳波や自律神経に及ぼす香辛料クローブの主成分オイゲノール芳香の効果に関する研究」ブレインプロ FM-929/パルラックスプロ PUL-PRO ーFUTEK

作業能率の向上

シネオールの香りには作業能率が向上する働きがあります。
また、シオネールにより心拍数の低下率が小さくなり、交感神経が活性化する傾向にあることが推測されています。
シオネールの呈示時間を長くすることや、濃度を高くすることにより自律神経にも明確な変化が現れる可能性があるとされています。

参考:「化粧品の香料がヒト自律神経系に及ぼす生理学的効用の研究」藤田保健衛生大学医学部


肥満予防・生活習慣病予防

バジルに含まれるサポニンには強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去し、脂肪の酸化を防ぐ働きがあるとされています。それにより、動脈硬化や、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病の予防にも役立つとされています。

また、余分な脂肪の蓄積を抑制する働きもあり、肥満予防効果も期待できるとされています。

参考:「サポニンと効果と摂取量」公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/saponin.html


大量消費に!簡単ドライバジルの作り方

1.バジルの葉を洗ってキッチンペーパーで水気をふき取る
2.枝を取り除いて天板に並べたら、170℃に予熱したオーブンで5分焼く
3.手で触れれる温度になったらポリ袋に入れて手でもみ、細かくする
4.バットにあけ、葉脈などかたくて細かくならない部分は取り除く
5.煮沸消毒した保存容器に入れ、密閉し、冷蔵庫で保存する

上手に作るポイントは、170℃で焼くこと。温度を上げ過ぎるとバジルが焦げてしまうため、温度を守って作れば簡単においしいドライバジルが完成します。

フレッシュバジルは鮮度が大事で、特にバジルは寒さに弱いハーブなので、冷蔵庫など低温で長時間保管すると葉が黒くなるなど品質が落ちていきます。その点、ドライバジルは日持ちし、大量消費にもピッタリです!
長期保存も可能なので作り置きもOKです。

保存期間の目安:冷蔵庫で3~4週間


ドライバジルの使い方

バジルは、ピザのトッピングやトマトソースのパスタ、トマト煮込み、トマトスープなど、特にトマトと相性がいいハーブです。
他にも、サラダに加えたり、チキンステーキやハンバーグなど鶏肉や牛肉料理などのトッピングにするとフレッシュな香りを楽しめます。
じゃがいもやなす、ズッキーニなどの野菜とも相性が良く、バジルの風味がいいアクセントになってくれます。
また、ジェノベーゼソースにするとパスタや魚料理のソースなどに大活躍します。


バジルの栄養を上手に摂る食べ方

・油と一緒に食べる
バジルに含まれるβ-カロテンは脂溶性なので油によく溶ける性質があります。油と一緒に食べることで、体内への吸収率がアップします。サラダに油を使ったドレッシングをかけたり、パスタや炒め物など油で調理すると効果的です。

・ビタミンCが豊富な食材と一緒に食べる
バジルには抗酸化作用の強いβ-カロテンやビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンE、ビタミンCはビタミンACEと呼ばれ、この3種類をあわせて摂取することでさらに高い抗酸化作用が期待できると言われています。バジルにもビタミンCは含まれていますが、よりビタミンCが豊富なブロッコリーやカリフラワー、パプリカ、じゃがいも、レモンなどと組み合わせて食べることで、さらにエイジングケア効果が期待できます。


ドライバジルのおすすめレシピ

いつでも手軽に使えるのがドライハーブの魅力です。
香りが凝縮されて強く感じるのも特徴です。
そのため、煮込み料理や高温で揚げるフライなど、ハーブの香りが飛びやすい料理には、ドライがおすすめです。

使用量の目安は、フレッシュハーブの1/3の使用量が目安となります。
フレッシュハーブ大さじ3を利用するレシピは、ドライハーブに置き換える場合大さじ1程度の量がよいでしょう。


ドライバジルでジェノベーゼ

・ドライバジル 25g
・オリーブオイル 150cc
・粉チーズ 大さじ2
・おろしにんにく(チューブ) 小さじ2
・塩 小さじ1

1.すべての材料を瓶などの密封容器へ入れて、しっかりとシェイクし混ぜ合わせる

出来上がりです♪
パスタだけでなく、肉や野菜などにかけても美味しいです。

お好みで松の実やナッツ類を砕いて足してください。
ドライバジルを使用しているので冷蔵庫保存もできます。


新じゃがと鶏肉のジェノベーゼ炒め

・新じゃが 6個
・鶏もも肉 1枚
・にんにく 1片
・オリーブオイル 大さじ1
・ドライバジル 小さじ1
・粉チーズ 小さじ1
・塩 小さじ1/2

1.新じゃがいもを洗い半分に、大きなものは乱切りに切る。にんにくはみじん切り、鶏もも肉は1口大に切る
2.じゃがいもを耐熱皿にのせふんわりラップをして、電子レンジで500wで3分半加熱する
3.熱したフライパンにオリーブオイルをひき、弱火でにんにくを炒める
4.香りがしてきたら鶏肉を加え中火で炒める
5.鶏肉に火が通ったら新じゃがを加え炒める
6.じゃがいもに焼き色がついたら、ドライバジル、粉チーズ、塩を加えサッと炒める

器に盛り付けお好みでレモンを添えたら完成♪
おつまみにもお弁当にも使える万能おかずです。
にんにくは弱火で焦がさないように炒めましょう。


手羽中のレモンバジル焼き

・手羽中 12本
★レモン汁 小さじ2
★ドライバジル 小さじ1
★塩 小さじ1/2
★チューブにんにく 2cm
★こしょう 少々
・オリーブオイル 大さじ1/2

1.手羽中はフォークで全体に穴をあけ、ポリ袋に入れる
2.★を加えて揉み込んだら、オリーブオイルを加えてさらに揉み、15分置く
3.フライパンに皮目を下にして並べて中火で熱し、皮がパリッとしたら裏返して中に火が通るまで焼く

パリッとチキンのレモンバジル焼きの完成♪
しっかり塩味が効いてるのでお酒のおつまにぴったりな一品です。


とろ~りチーズのころころコロッケ

・じゃがいも 300g
・ミックスベジタブル 30g
・塩こしょう 少々
・ケチャップ 大さじ2
・プチモッツァレラチーズ 10個
・強力粉 適量
・パン粉 50g
・ドライバジル 大さじ2
・揚げ油 適量

1.じゃがいもは皮を剥いて一口大に切り600wの電子レンジで5分加熱し、潰す
2.じゃがいもが熱いうちに塩こしょうをし、ミックスベジタブルとトマトケチャップを加える
3.じゃがいもを8等分に分け、プチモッツァレラチーズをのせて丸める
4.強力粉に水を加えて混ぜる(強力粉がとろっとなるくらいまで水を加える)
5.③を④の衣にくぐらせ、ドライバジルを合わせたパン粉をまぶす
6.170℃の油で揚げてきつね色になったら油を切る

お皿に盛り付けたら完成♪
ころころっとした形が食べやすく、おもてなしにも華やかになる一品!
バジルが香る衣で一気にイタリア風に。


ドライバジルの保存方法

ドライバジルを長期保存する場合は、煮沸消毒した瓶や、密閉できる保存袋などに入れ、食品用乾燥材を入れて保存してください。保存期間の目安は、冷蔵庫で3~4週間程です。
バジルの季節ではない冬場でも使えるので、ドライバジルは便利でおすすめです。


まとめ

バジルは、特にトマトとの相性が良く、ピザやパスタなどイタリア料理でおなじみのハーブです。
他にも肉や魚、野菜や乳製品など、さまざまな食材と合い、幅広く料理に活用できるのであるととても便利ですが、フレッシュバジルは保存が難しいので、自宅でドライバジルを作ってみたり、市販のドライバジルを使うのもおすすめです。


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