パセリの驚くべき栄養とは?大量消費に役立つ乾燥パセリの作り方やレシピ

料理やお弁当の彩りに添えられているイメージが強いパセリですが、ビタミンAやビタミンC、ビタミンKなどのビタミン類に、 鉄やカリウム、カルシウムなどのミネラルなど、野菜の中でもトップクラスの栄養成分が含まれており、実はただの飾りにしておくにはもったいないほど栄養価が高い野菜です。

それでも、味にクセがありそのまま食べるのは苦手という方や、生のパセリを買っても大量消費するのは難しいという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、パセリの栄養保存方法大量消費に役立つ乾燥パセリの作り方おすすめのレシピをご紹介します。

パセリとは?

パセリは、原産が地中海沿岸のセリ科の植物で、古くから薬用や香辛料として利用されてきました。
古代ギリシャ時代には儀式に用いられ、華やかな席では出席者が首に新鮮なパセリの束を花環のようにかけて、その香りを楽しんだそうです。
パセリがヨーロッパ全土で栽培されるようになったのは17世紀頃で、日本には18世紀末にオランダ人によって長崎に持ち込まれたことから「オランダゼリ」と呼ばれるようになりました。
当時から、料理の彩りとして利用されることが多く、パセリだけを口にするとクセが強いため食べない人がほとんどだったそうです。


パセリの栄養と効果効能

パセリの栄養成分は、ビタミンAやビタミンK、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウム、香り成分であるアピオールなどです。
パセリは、付け合わせにするだけではもったいないほど、野菜の中でもトップクラスの営養価を含んでおり、貧血や浮腫みを予防する効果や、香り成分アピオールには、口臭予防や食欲増進、食中毒予防、生理不順に効果が期待できるとされています。
また、パセリに含まれる L―アスコルビン酸(抗酸化物質)は他の食用植物と比べ、豊富に含まれています。
アスコルビン酸とはビタミンCのことで、医学的な細かい違いはありますが、基本的にビタミンCと同様に肌に対して効果が期待できるとされています。

参考:「パセリ葉の活性酸素消去系におけるアスコルビン酸ペルオキシダーゼの役割」CORE




ビタミンC:疲労回復効果

ビタミンCがカルニチン生合成に必要とされること、カルニチンは脂肪酸の酸化促進に効果があることから、疲労回復に関してビタミンCがカルニチンを介しての酸化に気づくことが期待される。

参考:「疲労回復へのビタミンCのその間に関する研究」KAKEN

ビタミンC:風邪予防

ビタミンCのカゼに対する有効性が推定される。
また、かぜ中には、ビタミンCの血漿濃度が低いこと、副作用が皆無に近いことから、少くとも補完的な意味での使用は、十分意義があると言える。また、健康時でもかぜにかかりやすい者は、かかりにくい者に比し、血漿アスコルビン酸濃度が低い傾向にあったことは、かぜにかかりやすい者への予防と治療には、より意義があることを示唆する。

参考:「ビタミンC大量投与のかぜ症候群に対する治療効果について」九州大学学術情報リポジトリ

ビタミンC:ストレス予防・抗不安効果

ビタミンCの欠乏により、食欲の低下が見られ、ストレスへの反応において不安様の食欲不振状態が見られた。ビタミンCは精神的健康の維持に有益であると示唆している。

参考:「ビタミンCはストレス・うつ・不安の予防に役立つ」一般社団法人 日本オーソモレキュラー医学会

ビタミンC:肥満予防

幹細胞は、体が怪我や疾患から回復するのに重要な要素である。たとえば、皮膚の切り傷、関節や骨の損傷というような体の怪我を囲む炎症によって、幹細胞が引き寄せられ、その怪我を修復するのに適した種類の細胞を新しく作るよう幹細胞に信号が送られる。幹細胞の分化に関する最近のある論文によると、ビタミンCは、分化した成熟細胞を形質転換させて幹細胞に戻すのに役立ち、幹細胞が脂肪細胞へ分化するのを抑制し、幹細胞の分化を活発にして筋形成(筋肉)と骨形成(骨)をもたらす。ビタミンCの作用により、幹細胞内のDNAにおけるメチル化部位が再プログラムされ、長く続くエピジェネティック(後成的)な信号が送られると考えられている。この研究の結論によると、ビタミンCを十分な量(3,000 mgまで)摂った場合、安全性に変わりはなく、脂肪細胞の形成の減少と、高齢者における筋肉量の維持に役立つ可能性があると示唆している。

参考:「ビタミンCは肥満のリスク低下に役立つ」一般社団法人 日本オーソモレキュラー医学会


カリウム:高血圧の予防

カリウム摂取量を増やすことで成人高血圧患者の血圧が低下し、脳卒中のリスクも24%低下した。カリウム摂取量が少ないと血圧上昇、高血圧、脳卒中のリスクが増加し、多ければこれらの疾患は予防される可能性が指摘されています。


参考:「カリウム摂取増で高血圧患者の血圧が低下:WHO調査/BMJ」CARE NET

パセリの栄養を効果的に摂る方法

パセリに含まれるβカロテンは、油と一緒に摂取することで吸収されやすくなります。炒め物にしたり、油を含むドレッシングで和えたり、揚げ物の衣に混ぜたりすると、効率よく摂取することができます。

また、パセリに含まれる鉄分は、肉や魚、乳製品などの動物性たんぱく質と一緒に摂取することで効率よく吸収することができます。

食べ合わせを意識して摂るようにしてみましょう。


ドライパセリの作り方と保存方法

付け合わせや香り付けなどに活躍するパセリは、常備しておくと重宝します。
そこで、長期保存に便利な自家製ドライパセリの作り方を紹介します。


ドライパセリの作り方

【手順】
1.パセリをよく洗い、しっかり水を切り、太い茎から先端だけをちぎる(細い茎はそのままでもOK)
2.耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、パセリを重ならないように置く
3.ラップはかけず、600wのレンジで2分、カリカリになるまで加熱する(湿っていれば30秒再加熱する)
4.キッチンペーパーを丸めて、手で握ってパセリをつぶす

細かくなったら完成♪
束で買ったパセリの消費や自家製パセリの大量消費におすすめです。

【ポイント】
・一度にたくさん作ろうとすると、乾燥具合にムラが出来てしまうので、適度に間隔をあけて並べてから加熱してください。


ドライパセリの保存方法

ドライパセリは、密閉できる保存瓶などに入れて保存してください。
パセリは乾燥しても風味が抜けにくいので、長期間保存もできます。

保存期間の目安:約1か月


ドライパセリのおすすめレシピ

ドライパセリは、パスタやサラダ、スープなど、料理にぱぱっとかけるだけで、手軽に使えてとても便利です。


簡単!ビシソワーズ

・じゃがいも 1個
・玉ねぎ 1/4個
★水 200ml
★コンソメ顆粒 小さじ1
★ホワイトペッパー 少々
・牛乳 100ml
・有塩バター 10g
・ドライパセリ 適量

1.じゃがいもは5mm幅のいちょう切り、玉ねぎは薄切りにする
2.鍋にバターを熱し、①を弱火で炒める
3.玉ねぎがしんなりしたら、★を加えて弱火で煮る
4.じゃがいもが崩れるくらいまで煮込んだら、牛乳を加えて火を止める
5.粗熱を取り、フードプロセッサーで滑らかになるまで撹拌する
6.ボウルに入れて冷蔵庫で1時間冷やす
7.よく冷えたら器に注ぎ、ドライパセリを散らす

簡単冷製スープの完成♪
冷やさずにそのまま召し上がってもおいしいですよ。


新ジャガのガーリック炒め

・新じゃがいも 250g
・有塩バター 20g
・しょうゆ 大さじ1/2
・すりおろしニンニク 小さじ1
・ドライパセリ 小さじ1

1.じゃがいもは一口大に切り、耐熱皿に入れ、ラップをして600wのレンジで4分加熱する
2.フライパンにすりおろしニンニク、①を入れ中火で炒めます。
3.バター、しょうゆを加え炒める
4.ドライパセリを入れ混ぜ合わせる

新じゃがいもの炒め物の完成♪
おつまみにも、おかずとしてもぴったりの一品です!


にんじんのツナサラダ

・人参 200g
・ツナ缶 1缶(70g)
★オリーブオイル 大さじ1
★甘酢 大さじ2
★酢 大さじ1
★黒こしょう 少々
・ドライパセリ 少々

1.人参はスライサーで千切りにし、耐熱容器に入れて、ラップをして電子レンジ600Wで3分加熱する
2.水気を切った人参に油を切ったツナ缶、★を和え、ドライパセリを散らす

お弁当のおかずにもなる一品です♪


レモンクリームパスタ

・レモン 1個
・塩(レモン揉み用) 適量
・パスタ 200g
・塩(パスタ湯掻き用) 大さじ2
・バター 10g
・オリーブオイル 小さじ2
・生クリーム 200ml
・白ワイン 小さじ2
・昆布茶粉末 付属のスプーン1杯
・みりん 小さじ2
・岩塩 適量
・ブラックペッパー 適量
・ドライパセリ 適量

1.レモンは水でしっかり洗い、塩で揉んでおく
2.レモンの半分は飾り切りに、もう半分は皮部分を白い部分に到達しないようにおろし金で削り、残りの実は絞ってレモン汁にする
3.お湯に湯掻き用の塩を入れて、パスタを表示時間より1分短めに湯掻く
4.フライパンにバターとオリーブオイルを入れて、弱火で溶かす
5.生クリーム、白ワイン、昆布茶を加えて時々かき混ぜながら弱火で温める
6.レモン汁と、削った皮を半量入れ、味見をする(苦味や酸味を調整したい場合、みりんを加える)
7.フライパンの火を止め、湯掻きあがったパスタを入れて、トングで混ぜ合わせながらソースを絡める
8.お皿に盛り付け、飾り用のレモンをのせ、岩塩とブラックペッパーをかけ、レモン皮の残りをかけ、最後に乾燥パセリをかける

さっぱりレモンクリームパスタの完成♪

苦味を出さないように、レモンの皮は白い部分に到達しないように削ってください。
昆布茶粉末でコクも増し増しです♪


万能パセリソース

・ドライパセリ 3g程
・生ニンニク 1個(生がない場合は、チューブか粉末ニンニク適量)
・ミックスナッツ 大さじ1~2(刻んで)
・オリーブ油 100㎖
★レモン果汁 小さじ1
★塩 小さじ1
★胡椒 適量
★粉チーズ 適量

1.ミックスナッツを、好みの大きさに刻む
2.ニンニクをみじん切りにする
3.保存容器にドライパセリを入れる
4.フライパンでミックスナッツを弱火で香ばしくなるくらい乾煎りし、③の容器に入れる
5.フライパンにオリーブ油(大さじ1)を入れて、ニンニクを弱火で焦がさないように炒め、③の容器に入れる
6.残りのオリーブ油も容器に入れ、★の調味料も入れて混ぜる

味見をして塩、胡椒で調整したら完成♪

カルパッチョにかけたり、アボガド納豆丼のような丼物にかけたり、何にでも合う万能ソースです。


パセリの一日の適量・注意点

パセリは、1日3房(3gほど)が適量です。
パセリに含まれるアピオールという香り成分は、摂りすぎると体調を崩す場合があります。
200g以上のように、大量に摂取する場合は危険だと言われています。
また、子宮の収縮にかかわる成分も含まれているため、妊娠中の方は食べ過ぎに注意が必要です。


まとめ

パセリは、ビタミンやミネラルが豊富で、野菜の中でもトップクラスの優れた栄養成分を含んでいます。
添え物としてだけではもったいない!メイン料理に、スープに、サラダに、食べ合わせを意識して、いろいろな料理に使ってみてください。
彩りも栄養価もアップできますよ♪


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