パプリカパウダーの代用品7選!使い方やおすすめレシピもご紹介!
料理の仕上げに赤い彩りを添えたり、料理に加えるだけで風味豊かにしてくれる「パプリカパウダー」。
手元にあるけど使い方がわからないという方も多いのではないでしょうか。
実は、ハンガリーやスペイン料理には欠かせないスパイスで、甘みの中にほのかな苦みがあり、スパイスの中でも穏やかな風味は、さまざまな料理に活用できる便利なスパイスです。
ここでは、パプリカパウダーの栄養や効能、パプリカパウダーがない時の代用品、使い方やおすすめレシピをご紹介します。
パプリカパウダーとは
パプリカパウダーの原材料となるパプリカは、ナス科トウガラシ属の野菜ですが、唐辛子の仲間の中でも辛味のない品種です。
パプリカパウダーは、赤く完熟したパプリカを収穫して乾燥させ、その果皮だけを粉末状にしたもので、香辛料に分類はされますが、辛み成分がないのが特徴です。
ハンガリーの料理に欠かせない香辛料で、さまざまなスペイン料理にも使われています。
パプリカは、ハンガリーが原産国の野菜で、元は唐辛子としてスペインからハンガリーに伝わり品種改良されたもので、ハンガリー語で「ピーマン」を意味します。
パプリカパウダーの味・香り
パプリカパウダーは、見た目は真っ赤ですが辛味はなく、味はどちらかというと、ピーマンやししとうがらしに似て、甘みのほかにほのかな苦みがあります。
スパイスの中でも穏やかな風味なので、さまざまな料理に使うことができます。
パプリカパウダーとチリパウダーの違い
パプリカパウダーはパプリカのみが使用されていますが、チリパウダーは唐辛子をベースとして、パプリカやオレガノ、クミン、ニンニクなどさまざまなスパイスがブレンドされており、タコライスやチリコンカンなどのメキシコ料理によく使われています。
これらのスパイスの組み合わせや比率に、明確な決まりはなく、粉末にした唐辛子のみでも、チリパウダーと呼ばれることがあります。
パプリカパウダーの栄養と効果・効能
パプリカパウダーの栄養素は、ビタミンC、ビタミンB群、鉄、マグネシウム、カリウム、βカロテンなどで、特にビタミンCやビタミンB群と鉄が多く含まれ、美肌効果や疲労回復効果などの効果・効能が期待され、他にも、免疫力の向上やダイエット効果なども期待されています。
カプサンチン:生活習慣病の予防
カロテノイドは、植物が紫外線によって発生する活性酸素のダメージから自らの身を守るためにつくり出している抗酸化物質です。人間の体内においても、同様の抗酸化作用を発揮することによって、主に細胞の保護などの働きを行っています。
パプリカに含まれるカロテノイドの一種であるカプサンチンは、抗酸化作用によって余分なコレステロールの増加を抑え、生活習慣病の予防効果が期待できます。
参考:「パプリカ(Capsicum annuum)の主なカロテノイドである食事性カプサンチンは、ラットの血漿高密度リポタンパク質コレステロールレベルと肝臓の遺伝子発現を変化させる」National Library of Ⅿedicine
ビタミンC:美肌・美白効果
パプリカに含まれているビタミンCは、シミを予防する働きがあるため美白効果が期待されています。
人間の皮膚は、紫外線からのダメージを受けることによって、チロシナーゼという酵素の働きにより、アミノ酸のひとつであるチロシンがメラニンという黒い色素に変化します。このメラニン色素が沈着することによってシミやそばかすが発生します。
ビタミンCは、シミやそばかすの発生原因となるチロシナーゼの働きを阻害することでメラニン色素の沈着を防ぎ、透明感のある肌を維持する効果が期待できます
参考:「抗酸化防御および一酸化窒素系の調節を介したアスコルビン酸によるUVA媒介メラニン生成の阻害」National Library of Ⅿedicine
ビタミンC:疲労回復
ビタミンCがカルニチン生合成に必要とされること、カルニチンは脂肪酸の酸化促進に効果があることから、疲労回復に関してビタミンCがカルニチンを介しての酸化に気づくことが期待される。
参考:「疲労回復へのビタミンCのその間に関する研究」KAKEN
パプリカパウダーの代用品7選!
パプリカパウダーの代用品を選ぶ際は、「彩りを豊かにしたい」「風味付けをしたい」など、用途を考えて選びましょう。用途に合わせて代用品を選ぶことで、料理がよりおいしく仕上がります。
代用品①:チリパウダー
チリパウダーは唐辛子をベースに、クミンやオレガノ、ニンニクなどさまざまなスパイスをブレンドしたスパイスです。パプリカパウダーに色味が似ているので、彩りの代用品としてぴったりです。
ただし、仕上がりの見た目に大差はありませんが、辛味があるのと、さまざまなスパイスが入っているので味わいは少し異なります。
料理の風味付けやコク出しに使え、炒め物や煮込み料理との相性が抜群です。基本的には同じ分量で代用可能ですが、パプリカパウダーに比べて辛みが強いので、少量から試してみましょう。
代用品②:チリペッパー(カイエンパウダー)
チリパウダーに似たスパイスのチリペッパー(カイエンペッパー)も代用としておすすめです。
チリパウダーはさまざまなスパイスをブレンドしていますが、チリペッパーの原材料は唐辛子のみです。
スパイシーな料理にしたいときや、食材の臭み消しにぴったりです。
パプリカパウダーよりも辛みが強いので、量を加減して代用するといいでしょう。
代用品③:トマトパウダー
トマトパウダーとは、その名のとおりトマトを乾燥させて粉末状にしたスパイスです。真っ赤な色味とほんのりと感じるトマトの風味が特徴です。
風味は少し変化しますが、パプリカパウダーと同じく辛みがないため、味を損なわず料理に彩りを加えたいときにぴったりです。
料理の仕上げに振りかけるだけでも、食欲をそそる見た目になりますよ。
パプリカパウダーと同量で代用できます。
代用品④:カレーパウダー
カレー粉にはチリペッパーのほか、ウコンやターメリック、クミンなど、さまざまなスパイスがブレンドされています。手に入れやすく、代用しやすいスパイスです。
赤い色味を付けるのはむずかしいですが、スパイスの風味を付け、料理を味わい深くしたいときにはぴったりです。
煮込み料理やスープ、炒め物などさまざまな料理に使えます。
代用品⑤:ケチャップ
常備していることも多いケチャップは、パプリカパウダーの代用におすすめの食材です。
少し入れるだけで、彩りが豊かになります。
ただし、酸味と甘みがあり、味が濃いため、入れすぎには注意しましょう。量を加減して加えてください。
代用品⑥:ドライトマト
ドライトマトは、生のトマトを乾燥させ、甘みと旨味を凝縮させたものです。辛みがないため、料理の味を邪魔することなく代用できます。
ドライトマトを使うことで料理に彩りを加えられ、フルーティーになります。
パエリアなどの炊き込み料理やパスタ、スープなど幅広い料理に合います。
代用品⑦:パプリカ
パプリカパウダーの原材料であるパプリカで代用するのもおすすめです。
カットした生のパプリカを加えることで、パウダーを入れたときのような風味が感じられ、彩りも良くなります。食感が豊かになるのも利点です。
パプリカパウダーの使い方
パプリカパウダーを加えることで、料理に赤みがプラスされ、独特の風味が加わります。
特に煮込み料理によく使われ、ハンガリーやスペインの煮込み料理には欠かすことができないスパイスです。カレーや肉じゃがなどの隠し味に使うなど、身近な料理にも使うことができます。
また、ビーフステーキの仕上げに使ったり、白身魚のソテーのトッピングや、下味に使うと、パプリカのほのかな甘みと苦みが料理の味を引き立ててくれます。
ほかにも、グラタンのソースやディップ、ドレッシング、マヨネーズなどに加えたり、サラダのトッピングにすると彩りよくなります。
パプリカパウダーのおすすめレシピ
料理を彩りよく、風味豊かにしてくれるパプリカパウダーを使ったレシピをご紹介します。
パプリカの色素は脂溶性なので、油を使う料理に加えるとより色が鮮やかにでてきれいな仕上がりになります。
タコのガリシア風
・タコ(ボイル) 200g
・新じゃがいも 3個
・パセリ 3g
・オリーブオイル 大さじ2
★パプリカパウダー 小さじ1/2
★チリパウダー 小さじ1/3
★塩 小さじ1/4
1.よく洗ったじゃがいもを皮付きのまま1/4に切り、耐熱ボウルに入れてふんわりラップをし、電子レンジ500Wで5分加熱し、粗熱をとる
2.タコをぶつ切りにし、パセリは小房にわける
3.タコ、パセリ、じゃがいもを器に盛り付け、オリーブオイルをまわしかけ、★をかける
スペイン料理のタコのガリシア風の完成です♪
ガリシアとはスペインのバル料理によくでてくる、タコとジャガイモを使う郷土料理です。
タコにオリーブオイルとパプリカパウダーと塩で味をつけるだけでとても簡単です。
パセリが苦手な場合は、みじん切りにするかドライパセリを使うのもおすすめです。
チリパウダーで辛さを調整してください。
ソパデアポ(スペインのにんにくスープ)
・にんにく 6片
・ベーコン 30g
・パン 50g
・塩 小さじ1/2
・パプリカパウダー 小さじ1
・オリーブ油 小さじ2
・水 500cc
・卵 2個
・パセリ 少々
1.にんにくは薄切りにし、ベーコンは1cm幅に切る
2.鍋にオリーブ油を入れ、弱火でにんにくを炒める
3.にんにくの香りがでてきたら、ベーコンを加えさらに炒める
4.パプリカパウダーと水を加え、沸騰したらパンをちぎって入れ、10~15分程煮込む
5.塩で味を整えて、卵を落とす
6.卵が好みの固さになったら火を止める
7.お皿に盛り付け、パセリを散らす
ソパデアホの完成♪
アホとはにんにくのことで、スペインでよく食べられているスープです。
優しいお味で元気が出る一品です。
卵の黄身を半熟にして、トロリと絡めて食べるのも美味しいですよ♪
本場ではベーコンではなく、パンチェッタや生ハムを使用します。
ある場合は使ってみてください。より深い味わいになります!
ガーリックシュリンプ
・ブラックタイガー 30尾
・片栗粉 大さじ1
★塩 小さじ1
★パプリカパウダー 小さじ1
★にんにく 2片(刻む)
★オリーブ油 大さじ1
・油 適量
・レモン 1個
・パセリ 少々
・バター 大さじ3
1.ブラックタイガーの殻を剥き、身と殻に分ける(殻は6、7匹分とっておく)
2.身は背に切り込みを入れて背腸を取る
3.殻は水洗いしてペーパーで水気を取っておく
4.身に片栗粉を入れよく揉んで水洗いして汚れを取り、しっかりとペーパーで水気を取る
5.身と★を合わせ10分ほど置く
6.フライパンに殻を入れ油をひたひたになるまで入れ、中火でゆっくりと5,6分程揚げる
7.殻がパリパリになったら取り出して刻み、塩(分量外)を軽く振っておく(揚げたあとの油は取っておく)
8.フライパンに⑦のえび油(大さじ2)とバターを入れて火にかけ溶かしたら、⑤を入れて、全体の色が変わって火が通るまで炒める
9.お皿にごはんを盛り、炒めたえび、出てきた脂をごはんにかけて盛り付ける
10.パリパリの殻とパセリをかけて、レモンを添える
ハワイの定番料理ガーリックシュリンプの完成です♪
殻の旨みも摂りつつ、手は汚さないで食べられるレシピです。
殻はゆっくりとじっくり揚げてサクサク食感になるようにしましょう。
鮭の香草パン粉焼き
・鮭 2切れ
・バター 20g
・塩 適量
・こしょう 適量
・小麦粉 大さじ2
・オリーブオイル 大さじ2
・レモン 1/4個
★パン粉 大さじ4
★ドライパセリ 小さじ1
★ドライパプリカ 小さじ1
★オールスパイス 小さじ1/2
★粉チーズ 大さじ1
1.バットに★を入れよく混ぜ合わせる
2.鮭に塩、こしょうをし、薄く小麦粉をつける
3.鮭にオリーブオイルを全体にかけなじませ、①のパン粉をたっぷりつける
4.熱したフライパンにバターを溶かして③を中火で焼く
5.中までしっかりと火が通ったらレモン汁をかける
香草の効いた鮭のフライの完成♪
タラなどお好みの魚で作ってみてください。
ごろごろポテトのスパニッシュオムレツ
・じゃがいも 大1個
・玉ねぎ 大1個
・卵 4個
★マヨネーズ 小さじ1
★パプリカパウダー 小さじ1/2
★塩 少々
★コショウ 少々
1.じゃがいもと玉ねぎを1.5cm角に切り、耐熱ボウルでラップをして3分加熱する
2.油少々で①を軽く炒める
3.卵を溶き、じゃがいもと玉葱、★を加えて混ぜる
4.フライパンに戻し中火でゆっくり混ぜながら半熟になったら蓋をして弱火で5分程焼く
5.フライパンにお皿をのせて、ひっくり返し、お皿から戻して蓋をして2分程焼く
じゃがいもがごろごろ入ったスパニッシュオムレツの完成♪
パプリカパウダーの量はお好みで調整してください。
パプリカパウダーの保存方法
未開封のパプリカパウダーは、直射日光を避けて常温保存してください。1~2年程度保存が可能です。
また開封後は、冷暗所に密閉保管してください。正しい方法で保存すると美味しさをキープして使うことができます。
まとめ
パプリカパウダーは、パプリカを乾燥させて粉末状にしたもので、辛味はなく、甘みとほのかな苦みがあります。
煮込み料理や揚げ物、炒め物など、さまざまな料理に使うことができる便利なスパイスです。
料理の仕上げに振りかけるだけで、赤色がアクセントになり色鮮やかで風味豊かな一品ができますよ。