ペパーミントの効能とは?スペアミントとの違いや、使い方・レシピも。

爽やかな香りに、スーッとした刺激と清涼感が特徴の「ミント」。

数百種類もあると言われるミントの代表的な品種が、「ペパーミント」と「スペアミント」です。

特に、ペパーミントに含まれる精油成分メントールには、主に口臭予防やリラックス効果、抗菌作用などがあるとされ、ガムや歯磨き粉、虫よけスプレーの香料、精油など食品や薬品などさまざまな用途に使用されています。 

また、そのすっきりとした爽やかな香りを活かして、デザートやドリンクの香り付けに利用される定番のハーブです。

ここでは、ペパーミントの効果・効能スペアミントとの違いドライペパーミントの使い方レシピなどをご紹介します。

ペパーミントとは

ペパーミントとは、シソ科ハッカ属の多年草植物で、日本では「セイヨウハッカ」とも呼ばれるハーブの一種です。
ヨーロッパが原産地で、現在は欧米諸国などを中心に、世界中で広く栽培されています。

実は、ペパーミント(peppermint)は、スペアミントとウォーターミントが自然に交雑して生まれた品種で、名前のペパー(pepper)は、ピリリとした刺激のある風味がコショウに似ていることから由来しているとされています。

精油成分「メントール」が多く含まれており、強い刺激と清涼感が特徴です。お菓子やデザートのほか、料理の臭み消しや清涼感を添える目的で羊料理や魚料理にもよく合わせて使われています。また、歯磨き粉や虫よけスプレー、精油などの香料としても広く利用されています。



ペパーミント精油とは

葉から抽出したオイルはアロマオイルやエッセンシャルオイルにも配合され、アロマセラピーで最も使われる精油のひとつです。

スッキリ清涼感のある香りは集中力を高め、精神的な疲労に働きかけ憂鬱な気分の時に元気と活力を与えてくれるとされています。
また、ペパーミントの香りを嗅ぐだけで、メントール成分による冷却効果で体感温度が4度下がるとも言われており、夏の暑さ対策にも役立ちます。


ペパーミントとスペアミントの違い

スペアミントは、別名「ミドリハッカ」と呼ばれ、また、江戸時代にオランダから日本に持ち込まれたことから、「オランダハッカ」とも呼ばれています。
葉はペパーミントより丸みを帯びているのが特徴で、葉が「槍(Spear)」のようにギザギザした形であることからその名前が付けられました。
ペパーミントとスペアミントは、数百種類もあると言われるミントの中でも代表的な品種で、2つのミントの大きな違いは、香りにあります。
スーッとする強い清涼感を持つペパーミントに対し、スペアミントは柔らかな清涼感と、甘さの中に苦みがあるのが特徴です。
ハーブ特有の香りが料理に合うことから、欧米では料理に使うミントと言えば、スペアミントを指します。別名「ラムミント」とも呼ばれ、英国の伝統的なラム肉料理には、スペアミントの葉に砂糖、酢などを加えてつくる甘いミントソースが欠かせません。


ペパーミントの効果・効能

ペパーミントは、古くから主に消化を助けるハーブティーに使われてきました。
主な成分は、メントール、精油成分、フラボノイド、タンニン、ミントポリフェノールなど多数の成分を含んでおり、有効成分であるメントールは揮発性の精油成分で、強力な抗菌作用、頭皮の血管を拡張させる作用、肌に触れると冷たく感じる作用などが特徴的な成分です。
ペパーミントの効果・効能をみてみましょう。


鼻炎の症状を抑制

ペパーミントは、ヒスタミンの放出を抑制し、鼻炎の症状、くしゃみおよび鼻のこすりを抑えるなど、アレルギー性鼻炎の症状を緩和する効果があります。


参考:「ラットの実験的アレルギー性鼻炎に対するペパーミント(Mentha piperita L.)抽出物の効果」National Library of Ⅿedicine

ストレス潰瘍の予防・満腹感の緩和

ペパーミントを摂取することにより、ストレス潰瘍の予防や膨満感を緩和する効果が期待できます。


参考:「ペパーミント熱水抽出物の胃保護作用」 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

集中力の向上

ペパーミントの香りには、無臭時よりも集中力が高まる効果が期待できます。


参考:「香り癒し効果の定量評価に関する研究(バーチャルセラピストの実現に向けて」科学研究費助成事業

ストレス軽減・疲労の軽減

ペパーミントには、リラックス効果やストレスを軽減する効果が期待できます。また、無香な時と比べて、ペパーミントの香りには疲労を抑える働きがあります。


参考:「メントール含有ペパーミント飲料の継続摂取による感覚冷感群、感覚暑感群の生理応答・感覚とクレペリン検査作業量に及ぼす影響」大手前大学「食糧・栄養と健康」第2号(2022)



ドライペパーミントの作り方

1.ミントの葉を良く洗い、水気を切る
2.風通しが良く、直射日光が当たらないところで乾燥させる(約1日)
3.乾燥してカラカラになったら茎を取り外す

保存瓶に入れて完成。

ドライハーブの魅力は、いつでも手軽に利用できることです。
乾燥させることで香りを凝縮しているので、少量でもしっかりハーブの香りを楽しめるのも魅力のひとつです。
また、料理に使う際、水分を含まないので具材に練りこんだり煮込んだりする際に、料理全体の水分量を気にせず調理できるので便利です。


ドライペパーミントの使い方

ドライペパーミントは、料理やお菓子作りにはもちろん、ハーブティーとして使うこともできます。
また、防虫&消臭剤としても活用することができます。

ミントハーブティーと虫よけ&消臭剤の作り方を紹介します。


ミントティー

1.ドライペパーミント1.5gに熱湯150mlを注ぎ、蓋をして5~10分間浸す

ペパーミントに含まれるメントールが胃や腸の機能を刺激し、食事後の胃の不快感を軽減するといわれています。
さらに、自律神経の乱れを調整し、ストレスが引き起こす胃腸の不調を予防するとされています。
胃腸の不調には、1日2~5回を空腹時に服用するとよいでしょう。


参考:「ペパーミント」日本メディカルハーブ協会

虫よけ&消臭剤

1.ドライハーブをお茶パックか布袋に入れる
2.口を閉じて、しっかりと手もみする

※香りが効果の決めてなので、1日1回程度、気付いた時に手もみして、香りを出すようにしてください。
※ハーブは1~2週間を目安に交換してください。

ペパーミントの成分メントールが虫除け効果を発揮し、とくに蚊やアリ、ダニに効果があるとされています。
虫が寄ってくる場所や、消臭したい場所に置くか吊るしましょう。
自然成分で、環境にやさしく、市販の防虫剤や消臭剤を使うよりも安心です。


参考:「ペパーミントによるチャのツマグロアオカスミカメ被害抑制」農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

ドライペパーミントのレシピ

ペパーミントは、クセの強い羊肉など、肉の臭み消しによく利用されます。
また、砂糖とよく調和するので、甘い菓子やドリンクなどに使うと、ミントの爽やかな風味をプラスしてくれます。

フレッシュとドライを置き換える際には、フレッシュ3:ドライ1の割合を目安にしてください。


ミント香るシシケバブ

・ラムひき肉 200g
・玉ねぎ 1/4個
・にんにく 1片
・キョフテ用ブルグル 20g
・塩 2g
・コショウ 少々
・クミン 2g
・ドライペパーミント 小さじ1/2
・粗びき唐辛子 2g

1.玉ねぎとにんにくはみじん切りにする
2.ブルグルは水で軽く洗ってお湯(大さじ1程度)を加えてふやかす
3.ボウルに、ラムひき肉、玉ねぎ、にんにく、ブルグル、塩、コショウ、クミン、ドライミント、粗びき唐辛子を入れて、しっかりと捏ねる
4.まとまってきたら、6つに分けて、串に棒状になるように成形する
5.アルミホイルの上に置き、200℃に予熱したオーブンで18分程焼く

トルコ料理シシケバブの完成♪
クセのあるラム肉もミントですっきり!
トマトやししとうなどお好みの野菜も串に刺して一緒に焼いてお召し上がりください。


ミントソース

・オリーブオイル 大さじ1
・ガーリックパウダー 小さじ1
・唐辛子 1本
・トマトの水煮缶(ホール) 400g
・ドライペパーミント 小さじ1/2
・塩  適量
・ブラックペッパー 少々

1.鍋にオリーブオイル、ガーリックパウダー、唐辛子を入れて弱火で焦がさないように炒め、トマトの水煮缶を手でつぶしながら加えて10分ほど煮込む
2.好みの濃度になったらペパーミントを加え、塩とブラックペッパーで味を調える

ミントと唐辛子のアクセントが効いたトマトソースの完成♪
牛ステーキ肉やラムチョップなどにかけるなど、さまざまな肉料理に合います。


リンゴジャム

・リンゴ 1/2個
・砂糖 大さじ2
・ドライペパーミント 小さじ1/2
・コーンスターチ 小さじ1/2

1.リンゴを皮ごと摺りおろす
2.①に砂糖、ドライペパーミント、コーンスターチを入れ混ぜる
3.レンジで3分程加熱する

冷まして保存瓶に入れたら完成♪
フルーティーなリンゴと爽やかなミントが合います。

パンに塗ったり、アイスやヨーグルトにかけてお召し上がりください。


ノンアルレッドジンジャー

・ジンジャーエール 60ml
・トマトジュース(無塩) 60ml
・レモン汁 小さじ1
・岩塩 少々
・ドライペパーミント 少々

1.グラスに氷5~6個入れ、ジンジャーエールを注ぐ
2.トマトジュースとレモン汁をゆっくり注ぐ
3.岩塩を散らして、ドライミントをトッピングする

レッドジンジャーの完成♪
ドライミントを加えることでジンジャーの風味が引き立ちます。
混ぜてからお飲みください。
ノンアルコールなので、お子様にも♪


ペパーミントの保存方法




生のペパーミントの保存方法

【冷蔵保存】
1.キッチンペーパーは水にひたして軽くしぼる
2.ぬらしたキッチンペーパーでミントを包み、保存袋に入れて空気を抜いて口を閉じ、野菜室で保存する

保存期間の目安は1〜2週間です。

【冷凍保存】
1.ペパーミントの水気をキッチンペーパーでふき取る
2.冷凍用保存袋になるべく重ならないように入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存する

保存期間の目安は1ヶ月です。
※水気がついたままだと霜の原因になるので、しっかりとふき取りましょう。


ドライのペパーミントの保存方法

ドライペパーミントは空気に触れないように密閉容器に入れ、冷暗所に保管しましょう。
適切に保存することにより、ミントの香りと風味を長く楽しめます。


ペパーミントの注意点

ペパーミントの摂取は、妊娠中あるいは授乳中の女性、胃腸が弱い方、そしてペパーミントアレルギーの方は注意が必要です。これらの方は医師に相談の上、摂取してください。

ペパーミント精油は、原液は刺激が強いので、直接肌に付けることは避けましょう。特に、ペパーミント精油は皮膚刺激を伴う場合があり、発疹や炎症が起こる恐れもあるため、敏感肌の人は特に注意が必要です。
また、血行促進作用があるため、高血圧の人は使用を避けてください。
乳幼児は、メントールの刺激を強く感じやすいので、使用しないでください。子どもの誤飲や精油への接触がないよう十分に注意しましょう。


まとめ

ひんやりとした刺激のある清涼感のある香りが特徴のペパーミント。
気分をリフレッシュしたい時、頭をスッキリさせたい時に、ぜひペパーミントを使ったスイーツやミントティーで一服してみてください。


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