お役立ち情報

癒しのハーブ「ラベンダー」の効能とは?ハーブ・精油の使い方や副作用。

爽やかな紫色の花穂に、すがすがしく上品な香りで愛されている「ラベンダー」。

リラックス効果や安眠に導いてくれる癒しのハーブとしてポプリやサシェ、ハーブティーなどに利用され、また、ラベンダーの精油は、 アロマテラピーの代表的な香りとして広い用途で使われるため「万能精油」とも言われ、最もよく使われているアロマオイルです。

ここでは、ラベンダーの優れた効能や、ハーブと精油のそれぞれのおすすめの使い方をご紹介します。

ラベンダーとは?歴史

ラベンダーとは、シソ科の多年草で、古くから長い間愛されてきたハーブです。
薄紫色の可憐な花を咲かせ、清々しく上品な香りを持つことから「ハーブの女王」とも呼ばれています。
もともとは野生の植物で、かつてはインドや中近東、地中海沿岸などの高原地帯に豊富に自生していました。そうした野生のラベンダーを刈り集めて、ドライフラワーにしたり、エッセンシャルオイル(精油)を抽出するなど、暮らしの中でさまざまに利用されてきました。
国内では、北海道富良野のラベンダー畑が有名なように、暑さよりも寒さに強い植物ですが、耐暑性や耐寒性は品種によって異なります。

ラベンダーの語源は、ラテン語で「洗う」という意味の「ラワーレ」に由来しています。
古代ギリシャの時代から、怒りを鎮めたり、心身の浄化に使われたり、また、傷口の洗浄や入浴時の芳香剤、美容のための香料として用いられていました。
中世には、ドイツの博物・植物学の祖といわれる修道女ヒルデガルドによってラベンダーの強い殺菌作用や抗菌作用などの薬効がヨーロッパ全土に広まったといわれています。
スペインやポルトガルでは、祝福のためにラベンダーを家や教会の床にまいたり、イギリスでは、ウイルスや菌、伝染病を追い払うためのかがり火にラベンダーが使われていたといわれています。
また、中世のペスト流行時には、ラベンダー畑で働いていた農夫だけが感染を免れ、小枝をローズマリーやアンジェリカと共にペスト患者の家で薫蒸したとされています。
そしてフランスでは、伝染病であるコレラ対策にも用いられ、第一次世界大戦時には、病院の床や壁の消毒に使われていました。

日本には江戸時代後期に輸入されましたが、その時にはあまり浸透しませんでした。その後、産業として発達したのは昭和50年頃で、現在は、観賞用として花を楽しむほか、ハーブティーや精油(エッセンシャルオイル)、入浴剤、ドライフラワー、ポプリなどに利用されています。


ラベンダーの種類

ラベンダーの栽培品種は100種類以上あると言われていますが、芳香ハーブとして楽しまれている主な品種は大きく分けて4つです。それぞれの系統で香りや花の特徴の違いがあります。


真正ラベンダー

真正ラベンダーは、南仏プロバンス地方の野生で生息するラベンダーの原種のひとつで、標高800m~1800mの高原や山岳地帯で採取されたものを言います。
香りが強く最も華やかな香りが特徴で、コモンラベンダーとも呼ばれ、最もポピュラーな品種です。
一般的にラベンダーというと真正ラベンダーのことを指し、北海道の富良野で育てられているラベンダーもこの品種です。
心身の鎮静・鎮痛に優れ、炎症の緩和、リラックス効果が高いとされています。


スパイクラベンダー

スパイクラベンダーは、スペインやフランスの山岳地帯が原産で、スパイク(spike)という名のとおり、花のつき方が穂のようにとがっており、花茎が3つに分かれています。
真正ラベンダーよりも草丈がやや高く、花色は淡いです。
真正ラベンダーには含まれないカンファーという成分を含むため、ラベンターらしい甘さと、突き抜けるようなシャープな香りが特徴で、「男のラベンダー」とも呼ばれています。
鎮静よりも刺激の作用があるとされ、脳の活性化を促すとされています。


ラバンディン

ラバンディンは、真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交配種で、ミツバチの自然交配によって生まれた品種です。
フランスを主な産地とし、花穂が長く、一度にたくさんの花を咲かせます。葉がかわいらしいシルバーグリーンなので、庭に植えればおしゃれな雰囲気が楽しめます。真正ラベンダーより少し刺激のある香りが特徴です。
暑さにも強く、さらに冬の寒さにも強いことから栽培しやすい品種です。


ストエカスラベンダー

ストエカスラベンダーは、フランスやハンガリー、ブルガリアを主な産地とし、フレンチラベンダーとも呼ばれています。
ウサギの耳に似た花穂がかわいらしいラベンダーで、紫色や白色をしています。ミント調のスッキリとした香りが特徴で、他の品種よりも香りが弱めです。
寒さにはやや弱いですが、暑さに強く夏越ししやすいので、暖地でも枯死するようなことは少なく、栽培しやすい品種です。


ラベンダーの効果・効能

ラベンダーの主成分は、酢酸リナリルやリナロール、リモネンなどで、緊張やストレス、不安感をやわらげる鎮静・鎮痙作用や、殺菌・抗菌作用があるとされています。
ラベンダーの効能を詳しくみてみましょう。


リラックス効果

ラベンダーの香りには、リラックス効果があります。
自律神経に対して、副交感神経を交感神経よりも優位にさせる働きがあり、身体のリラックス状態を促進する効果があります。
また、脳波に対してはリラックスした状態で出るα波を増加させる働きがあります。

参考:「ラベンダーの香りと神経機能に関する文献的研究」関西医療大学



血圧を安定させる

ラベンダーは、高血圧の人に対しては血圧、脈拍ともに下げる効果があり、低血圧の人に対しては血圧、脈拍を維持、または上げる効果があり、血圧を正常値に近づける働きがあります。

参考:「ラベンダーの香りと神経機能に関する文献的研究」関西医療大学

頭痛・生理痛の緩和

ラベンダーには、酢酸リナリルという成分が多く含まれ、神経の興奮を鎮める効果があります。自律神経の乱れからくる頭痛や生理痛の緩和に役立つとされています。

参考:「女性頭痛患者に対するアロマテラピーの有効性に関する研究」科学研究費助成事業データベース

安眠効果

ラベンダーの香りは、リラックス状態を促す副交感神経の活動を促進し安眠へと導く働きがあるとされています。
ラベンダーの香りを用いた睡眠は、香りなしの睡眠よりも睡眠全体に占める深い眠りの時間が長く、覚醒時間が短くなるという実験結果もあります。

参考:「ラベンダーの香りがストレス負荷時の睡眠中の自律神経活動に及ぼす影響」富士山研究第6巻(2012)




美肌効果

ラベンダーには抗炎症作用があり、ヨーロッパでは病院での治療に使用されるほど、軽度の火傷や日焼けの治療に定評があります。
また、古くから美容に用いられてきた歴史もあり、細胞の活性化するはたらきがあるとされ、肌のくすみやシミ、しわの予防などエイジングケア効果も期待できるとされています。


アレルギー症状の緩和

ラベンダーには、抗炎症や抗菌作用、鎮静、鎮痛作用、免疫刺激作用があることから、風邪や花粉症、菌やウイルスによる呼吸器系のトラブルに働きかけてくれるとされています。
炎症を抑え、喉や鼻の不快感を和らげると共に免疫力を高め、アレルギーの症状を緩和するはたらきがあるとされています。


ラベンダーハーブの使い方

ラベンダーハーブの活用方法をご紹介します。
生活に取り入れて、ラベンダーの魅力をたっぷり堪能しましょう。


ハーブティーに

〈淹れ方〉
1.ティーポットにラベンダーハーブをティースプーン2杯入れ、熱湯300mlを入れる
2.3分程蒸らす
3.ハーブを濾しながら、カップに注ぐ

エルダーフラワーやジャーマンカモミールなど他のハーブや紅茶とブレンドしたり、はちみつやグレープフルーツなど柑橘系の果汁を加えても美味しくいただけます。
ハーブの成分を効果的に得たい場合は、1日3~4回に分けて飲むと良いでしょう。

ストレスの緩和や、イライラや緊張、不安を落ち着かせてくれたり、眠りを促してくれる効果が期待できます。


ポプリに

ラベンダーハーブを瓶に入れて、リビングや玄関に飾ったり、ティーパックに入れて靴箱やクローゼットに置くなど、ポプリやサシェとして利用するのもおすすめです。
香りを楽しめる手軽な取り入れ方です。


ハーバルバスに

ラベンダーハーブをティーパックに詰め湯舟に入れるだけで、ハーブの成分が溶け出し、有効成分を肌から吸収できます。
特にぬるめのお湯で行う半身浴は、体への負担が少なくハーブの香りとエキスの効果をしっかりと堪能できます。

また、ハーブティーを入れるようにポットに入れ、10~15分置いて抽出したエキスを入浴剤の代わりに使う方法もあります。抽出後の袋やパックも湯船に入れましょう。


ラベンダーハーブティーの副作用

ラベンダーハーブティーは一般的に大人、子どもに関わらず安全なものとされています。
ただし、妊娠中の方や授乳中の方は基本的に摂取を避けるように推奨されています。


ラベンダー精油の使い方

ラベンダー精油は、フローラルのフレッシュな香りで、アロマテラピーの代表的な香りとして広い用途で使われるため「万能精油」とも言われています。
子どもや高齢者にも安心して使うことができるほど作用が穏やかなため、はじめて精油を使う方におすすめです。
心地よい穏やかな香りは、緊張やストレス、不安感をやわらげ、気分をゆったりと落ち着かせてくれます。


アロマコスメに

〈作り方〉
1.遮光性の容器に無水エタノール10mLとラベンダー精油4~5滴を入れてよく振り混ぜる
2.精製水80mL、グリセリン10mLを入れてよく振り混ぜ合わせる

肌や髪など全身をしっとり潤してくれます。
皮脂の分泌を調整してくれる働きがあるので、乾燥によるくすみや、テカリを抑える働きで肌を整えてくれるはたらきがあるとされています。

手作り化粧水は防腐剤を使用しないため、冷蔵庫で保存して1週間以内を目安に使い切りましょう。


ハンドクリーム・スキンクリームに

〈道具・材料〉
・100ml耐熱容器(ビンなど) 1個
・計量器
・マドラー(木製やガラス製) 1本
・ビーカー(100ml) 1個
・ココナッツオイル 60g
・シアバター 10g
・ミツロウ 10g
・ラベンダー 20〜30滴

〈作り方〉
1.ビーカーにミツロウ、シアバター、ココナッツオイルを入れ、湯煎して溶かす
2.溶けたら、耐熱容器に注ぐ
3.マドラーでくるくると混ぜ、粗熱が取れたらラベンダー精油をお好み量入れたら、マドラーで再び混ぜる

ミツロウクリームはさまざまな用途に使えます
・ハンドクリームとして
・リップクリームとして
・爪のケアに
・カサつくお肌に
・ガサガサかかとに
・ヘアワックスとして
・マッサージの潤滑用
・ペットの肉球に

※1ヶ月を目安にお使いください。


アロマディフューザーで香らせる

アロマディフューザー、アロマストーン、アロマスプレーなどを使って芳香させます。リラックスできる心地良い空間作りをしてくれます。

ディフューザーなどがない場合は、マグカップ1杯の熱湯に1滴垂らすと、蒸気と共にラベンダーの香りが漂います。


バスタイムに

バスタブにラベンダー精油を3〜5滴程度落とし、よくかき混ぜてからお湯に浸かってください。
湯気と一緒に精油の香りが心身を優しく包み込んでくれます。
心地よい香りを楽しみながら、立ち上る湯気を深呼吸して、ゆっくりと精油の成分を取り込んでください。


おやすみタイムに

ラベンダー精油をハンカチに1~2滴ほど垂らし、枕元におくだけで、ラベンダーの香りを感じられ心身ともにリラックス、心地良い眠りへと導いてくれます。


ラベンダー精油と相性の良いおすすめ精油

【ローズマリー精油】
ラベンダーとローズマリーは、リラックス効果を高め、気分をリフレッシュしてくれます。また、集中力を高める働きがあるとされています。

【ベルガモット精油】
ラベンダーの穏やかな香りとベルガモットの柑橘系の香りが調和し、ストレスを軽減し、リラックス効果を高めてくれるはたらきがあるとされています。

【サンダルウッド精油】
ラベンダーとサンダルウッドの組み合わせは、深いリラックス効果をもたらし、心身の緊張を解きほぐします。瞑想やリラックスしたい時に好適です。

【クラリセージ精油】
ラベンダーとクラリセージの組み合わせは、リラックス効果を増強し、感情の安定を促します。ストレスや不安を軽減するはたらきがあるとされています。

【イランイラン精油】
ラベンダーとイランイランの組み合わせは、穏やかなリラックス効果を高め、心を落ち着かせる効果があるとされています。特に、ストレスや不安を感じている時に好適です。

好みや目的に応じてブレンドする精油を選んでみましょう。


ラベンダー精油を使う際の注意点

〈取り扱い・使い方の注意点〉
・原液を直接肌にはつけない。必ず希釈して使う。
・高齢者、乳幼児、アレルギー体質や基礎疾患のある方、妊婦の方は十分に注意する。
・日光や熱、温度変化のある場所や火気のある場所は避け保管する。

ラベンダーのアロマは一般的に安全性が高く、アレルギー反応を引き起こしにくいと言われています。
ただし、直接肌につける場合は過剰に使用しないように注意しましょう。また、敏感肌の方はパッチテストを行うことをおすすめします。

また、ラベンダーのアロマは妊娠中は注意が必要です。
妊娠後期や臨月には、安産に良いとも言われている精油ですが、妊娠初期は使用を避ける必要があります。
安定期以降でも香りを楽しむ程度に控えましょう。


まとめ

ラベンダーは、カラダと心の両面に良い効果をもたらす万能ハーブです。
リラックスタイムにハーブティーにして、バスルームや寝室で精油を香らせるなど、お好みの使い方でお楽しみください♪


おすすめのオーガニック ラベンダー ハーブ の購入先はこちら