リンデンフラワーとは?効能やハーブティーの美味しい淹れ方など。
美容や健康、リラクゼーションとして注目が集まっているハーブ、「リンデンフラワー」。
強い抗酸化作用からもたらされる様々な美容・健康効果と豊かな香りを活かし、ハーブティーやアロマテラピーの素材として、世界中で広く愛されているハーブです。
ここでは、リンデンフラワーの効能や活用方法、ハーブティーの淹れ方などをご紹介します。
リンデンフラワーとは?
リンデンとは、ヨーロッパ原産のシオノキ科の植物で、成長すると15〜30mの高さまで達する常緑性の大木で、初夏になると、淡黄色の美しい花を咲かせます。
ヨーロッパでは街路樹で見かけることも多く、木や花などあらゆる部位が利用できることから「千の用途を持つ木」と呼ばれています。木材は楽器・木彫材などに使われたり、リンデンの花と葉、苞を含めた「リンデンフラワー」は、ハーブティーとして親しまれているほか、花から採れる蜜は、貴重品とされリキュールやドリンク剤などの幅広い用途に使用されてきました。
「リンデン」はドイツ語で、英語では「ライム」、フランス語で「ティエール」、和名では『西洋菩提樹』と呼ばれています。お釈迦様が瞑想し、悟りを開いたと言われる菩提樹は、 クワ科の「インドボダイジュ」で、リンデンとは別の品種です。
リンデンの花言葉は「夫婦愛」で、相思相愛の木、恋愛の木として知られています。葉の形がハート形をしていることも由来しているそうです。
リンデンフラワーの効果・効能
リンデンの主要成分は、フラボノイド配糖体(ルチン、ヒペロシド、ティリロシド)、アラビノガラクタン、タンニン、カフェ酸、クロロゲン酸、精油成分のファルネソールなどです。
食物繊維のアラビノガラクタンは、ヒアルロン酸より強い畜水量をもつとされる注目の美容成分で、粘り気のある成分が粘膜に作用してカタル症状(鼻水など)を緩和するとされています。
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、他のポリフェノールに比べ強い抗酸化作用を持ち、血糖降下作用や抗炎症作用、抗ガン作用、細胞解毒作用など多岐に渡ります。
参考:「クロロゲン酸の皮膚再生における生理作用の解明」科学研究費助成事業
抗がん作用
リンデンの精油成分であるファルネソールは、天然の抗菌性成分で、抗がんおよび抗腫瘍効果を発揮することで知られています。
美肌・美白効果
リンデンに含まれるポリフェノールの一種のクロロゲン酸は、皮膚の健康維持に役立つ抗酸化作用をもち、活性酸素を抑えると考えられ、皮膚の弾力にとって重要なコラーゲンやエラスチンを産生している繊維芽細胞の活性を促進するはたらきがあるとされています。
また、タンニンには収れん作用や皮膚保護作用、美白作用があるとされています。
参考:「ポリフェノールの皮膚における抗老化作用の検討」大阪大学大学院医学系研究科形成外科学
生活習慣病予防
ファルネソールには、抗肥満や抗高脂血症などのはたらきがあるとされ、生活習慣病の予防に効果が期待できます。
参考:「生活習慣病対策に有効なメディカルハーブ」特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会
下痢を改善
リンデンに含まれるタンニンには、収れん作用があり、腸の粘膜を刺激することで腸を引き締めることにより、下痢を抑制するとされています。
">参考:「植物由来の加水分解性タンニンがCFTR塩素チャネルを阻害:下痢の潜在的な治療薬」National Library of Ⅿedicine
ストレスの緩和・安眠効果
リンデンには、身体の緊張を解きほぐし、筋肉の緊張や凝りもほぐすはたらきがあるとされ、心身のリラクゼーションを目的として用いられたり、 ストレスの緩和や、心地良い眠りを誘うことから不眠の改善にも効果があるとされています。
">参考:「心地よい眠りをサポートするメディカルハーブ」特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会
アレルギー予防
肌の保湿機能や角質層のバリア機能が低下すると、アレルギー反応を起こしやすくなります。リンデンは古くから赤ちゃんの産湯として使われてきた歴史があり、デリケートな肌をいたわり、肌を保湿し艶やかに保つ皮膚バリアの働きで、アレルギーを予防する効果があるとされています。
リンデンフラワーの活用方法
リンデンフラワーは、リラックス効果や健康効果が期待できるとしてハーブティーとして親しまれてきました。
ほかにも、アロマの癒し効果を活かしてハーバルバスや足湯として活用するのもおすすめです。
ハーブティーに
〈淹れ方〉
1.ポットにリンデンハーブをティースプーン2杯とお湯300㏄を入れ、5分程蒸らす
リンデンフラワーティーは、ほのかに花の香りがするほとんどクセがなくスッキリした味で、シングルティーだけでなく、ブレンドティーとしても美味しくいただけます。
また、はちみつで少し甘みを加えるのもおすすめです。
〈ブレンドにおすすめのハーブ〉
・レモンバーム
・マルベリー
・ジャーマン・カモミール
・レモンバーム
・タイム
・エルダーフラワー
ハーバルバスに
〈準備するドライハーブ・用具〉
・リンデンフラワー
・ラベンダー
・目の細かな布袋またはだし用パック
〈手順〉
1.布袋またはだし用パックにラベンダーとリンデンフラワーを1:1の割合で入れる
2.バスタブにハーブを入れたら10分ほど待ち、入浴する
部分浴をする場合は、入浴温度よりやや熱めのお湯にハーブを入れ、15分ほど手や足をつけます。お湯の温度が下がってきたら差し湯をしてください。
入浴できない日や時間がない時は、部分浴を実践してみましょう。特に足浴は、冷えや疲れ、むくみだけでなく、全身の血行促進にもつながり、疲労回復にも役立ちます。
参考:「毎日にハーブの力を取り入れる」特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会
リンデンハーブティーを飲むおすすめのタイミング
リンデンハーブティーを摂取するタイミングに特に決まりはありませんが、リラックス効果を得たい場合は就寝前がおすすめです。
「グッドナイトティー」とも呼ばれているとおり、就寝前に飲むことで心地よい眠りへと導いてくれるでしょう。
心身をしっかり休ませることでホルモンのバランスが整い、精神的ストレスを緩和する効果が期待できます。
また、毎日の習慣として継続的に摂取することが大切です。
リンデンフラワーの副作用
リンデンフラワーは、安全性が高く、禁忌や副作用は報告されていません。
ただし、妊娠中の方や授乳中の方は医師にご相談のうえご使用ください。
まとめ
リンデンフラワーは、自然な香りと優しい味が特徴で、飲みやすくて体に優しいハーブです。
くつろぎタイムにハーブティーや、バスタイムなどに活用して、心地よい香りの中で心身ともに労わる時間をお楽しみください。