奇跡のお茶ルイボスティーとは?成分や効果・効能、効果的な淹れ方など。
美容や健康を意識している方に人気の健康茶「ルイボスティー」 。
今やスーパーなどで普通に購入することができるお茶ですが、ルイボスは、実は南アフリカの一部でしか収穫できない貴重な植物で、身体に嬉しい優れた効能が期待でき、『奇跡のお茶』『不老不死のお茶』とも呼ばれています。
ミネラルやポリフェノールが豊富で、ノンカフェインなので妊娠中の方やお子さんにもおすすめのお茶です。
ここでは、ルイボスティーの効果・効能、栄養を効果的に摂れるルイボスティーの淹れ方などをご紹介します。
ルイボスティーとは?
ルイボスは、学名を「アスパラサス・リネアリス」というマメ科の針葉植物です。
ツバキ科の植物から作られる紅茶や日本茶、烏龍茶とは違い、ルイボスはマメ科の植物で、実は「茶」ではありません。
南アフリカのセダルバーグ山脈に自生し、そこでしか栽培できない非常に珍しく貴重な植物で、雨が少なく、昼夜の寒暖差が30℃にもなるという過酷な環境で、地中深くに根を下ろし、10mともいわれるほどの深さから水分やミネラルを吸い上げて育ちます。
その植物の葉を天日で発酵・乾燥させたお茶がルイボスティーです。
南アフリカの先住民は、「不老長寿のお茶」「奇跡のお茶」と呼び、日常的に愛飲していたとされ、現地部族の若々しさが際立っていたことから、アフリカでしか育たたないルイボスが有名になったといわれています。
1650年代には、オランダやイギリスから移住してきた移民も紅茶代わりにルイボスを楽しむようになり、落葉時に葉が赤褐色になることからオランダ語で「赤い(rooi)藪(bos)」と名付けられたと言われています。その後、ルイボスはヨーロッパを中心に世界中に広まっていきました。
現在の南アフリカでもルイボスは大変ポピュラーな飲みもので、家庭にも常備されています。ミルクとお砂糖を入れるのが一般的ですが、これは入植時に欧州から持ち込まれた紅茶文化がそのまま引き継がれたという歴史的な経緯があるからだとされています。
紅茶・緑茶との違いは?
ルイボスティーの大きな特徴は、「カフェイン」を含まないことです。
鉄分の吸収を妨げる「タンニン」の量も紅茶や緑茶より少ないため、食事中のお茶としてもおすすめです。
また、腎臓結石のリスクを高めるといわれる「シュウ酸」も含まないため、腎臓に疾患を抱える方にもやさしいお茶です。
ルイボスティーの種類・味
ルイボスティーには、「レッドルイボス」と「グリーンルイボス」の2種類あります。
それぞれの特徴をみてみましょう。
レッドルイボス
一般的によく目にする赤みのあるルイボスティーは「レッドルイボス」と呼ばれ、ルイボスの葉や茎を発酵・乾燥させたものです。
レッドルイボスは発酵をしているため、グリーンルイボスに比べて味や香りがマイルドになり、深みが増します。ほのかに甘みのようなものを感じるのも特長です。
グリーンルイボス
グリーンルイボスは、発酵させずに乾燥させたもので、レッドルイボスに比べて、草っぽい香りと渋みを強く感じ飲みにくいという印象を持つ方が多いです。
成分は、ポリフェノールを多く含み、生産量が非常に希少なのでレッドルイボスに比べ割高です。
ルイボスの成分と効果・効能
ルイボスの栄養成分は、ポリフェノールや、カルシウム・リン・マグネシウム・カリウム・鉄・亜鉛などの豊富なミネラルです。
ポリフェノールは、茎よりも葉に多く含まれています。
美白・美肌効果
ルイボスティーには、スーパーオキシドジムターゼ(SOD酵素)という抗酸化物質が含まれています。
この抗酸化物質には、活性酸素の増えすぎによるシミ、しわ、たるみの促進を抑えたり、新陳代謝を促進したりする効果が期待されています。
ほかにも、マグネシウムやカリウムなどのミネラル類、ビタミンCなど美肌づくりに欠かせない成分が含まれており、美白・美肌効果が期待できます。
参考:「抗アレルギー性組成物及び美白組成物、並びにこれらを含有する化粧品及び飲食品」
むくみ改善
ルイボスティーには利尿作用を促すカリウムが含まれています。カリウムは、余分なナトリウムを尿として排出することによって、むくみ改善に働きかけてくれる効果が期待できます。
さらに毛細血管の働きを促進するルチンも含まれており、血行を促進、むくみ改善に役立つとされています。
花粉症・アレルギー症状の緩和
ルイボスティーに含まれるフラボノイドの一種であるケルセチンには、抗酸化作用や抗ヒスタミン作用があり、花粉症やアトピーなどアレルギー症状の改善や美肌効果も期待できるとされています。
参考:「野生ルイボスが自律神経機能に与える影響」大阪青山大学紀要 2018 11 巻 1- 7
参考:「抗i型アレルギー抑制増強剤および当該抗i型アレルギー抑制増強剤を使用する方法」
https://patents.google.com/patent/JP2017186268A/ja
認知機能の改善
ルイボスティーには、抗酸化作用をもつフラボノイド類であるルチン、ケルセチンが含まれています。
ルチンには、海馬の神経細胞に対する抗炎症作用があり、神経細胞障害を保護し、記憶力低下を抑制すると言われています。
ケルセチンにはアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイド β の産生経路を抑制するとされており、認知機能の改善が期待できます。
参考:「ルイボスティーまたは緑茶投与がマウスの行動および
血中脂質に与える影響」
参考:「認知症疾患の症状を改善するための種々の植物抽出物の組合せ」
https://patents.google.com/patent/JP5654991B2/ja
抗不安作用・精神的ストレス緩和
ルイボスティー飲用後、「抑うつ‐落ち込み」の気分を軽減する結果がでています。
ルイボスティーには、精神的緊張を緩和させるリラックス効果が期待できます。
参考:「野生ルイボスが自律神経機能に与える影響」大阪青山大学紀要 2018 11 巻 1- 7
参考:「ワイルドルイボスティーの自律神経機能への効果」CiiNii 学術情報データベース
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763825265792?lang=en
生活習慣病の予防
ルイボスの抗酸化作用によって、生活習慣病のひとつである高脂血症を予防するはたらきがあるとされています。
高脂血症である状態が続くと、心筋梗塞や狭心症などの心臓病を発病する恐れがあります。
ルイボスの強い抗酸化作用は、高脂血症の原因となる物質、血液中に増加した悪玉(LDL)コレステロールの増加を抑制する作用があります。
また、血圧低下作用もあり、高血圧の予防効果も期待されています。
参考:「野生ルイボスが自律神経機能に与える影響」大阪青山大学紀要 2018 11 巻 1- 7
参考:「心血管疾患のリスクのある成人の酸化ストレスと生化学的パラメータに対するルイボス(アスパラサス リネアリス)の影響」National Library of Ⅿedicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20833235/
ダイエット効果
ルイボスティーに含まれるマグネシウムや、カリウム、ルチンには、むくみや便秘の改善効果や代謝を向上させてくれる効果が期待できます。
代謝を上げやすくすることで、痩せやすい体質を目指すことができます。日常的にルイボスティーを飲むことで、慢性化したむくみや便秘を改善し、ダイエット効果が期待できます。
白髪の予防・改善
ルイボスティーに含まれる栄養素のうち、亜鉛・フラボノイド・鉄は、特に白髪の改善に効果が期待される栄養素です。
髪の毛の色はメラノサイトと呼ばれる細胞で作られる、「メラニン色素」によって作られています。
亜鉛が不足するとメラノサイトがうまく働かなくなり、メラニンの生成がうまくいかず白髪になってしまうと言われています。
亜鉛を摂取することでメラノサイトを活性化させ、白髪ができにくい状態へと導くはたらきがあります。
また、亜鉛は健康な髪の毛を維持するために必要な「ケラチン」の合成を助けるはたらきや、毛根の細胞分裂を促し、髪の毛の成長を促す効果が期待できます。
また、メラノサイトは紫外線などのダメージをうけると、メラニンの生成に影響を及ぼし、白髪に繋がることがあります。
フラボノイドの一種である「ステルビン」には強い抗酸化作用があり、紫外線などの外部ダメージからメラノサイトを守り、白髪を改善、予防する効果が期待できます。
そして鉄は、白髪予防にとても大切な栄養素です。
頭皮や髪への栄養は、血流によって運ばれますが、貧血になると頭皮に十分な酸素や栄養が行き渡らず、メラノサイトの機能が低下して白髪が増えてしまう原因になります。
白髪を増やさないためには鉄分を摂り、貧血を予防することが大切です。
これらの栄養素により、ルイボスティーには白髪の改善・予防の効果が期待できるとされています。
ルイボスティーの効果的な淹れ方
【材料】
・ルイボスティー 大さじ1~2杯程度
・水 1L
【作り方】
1.水とルイボスティーをやかんに入れて火にかける
2.沸騰したらとろ火で10~15分ほど煮詰める
3.火を止めて10~15分ほど置いてから濾す
このままホットではもちろんアイスルイボスティーにしてもおいしいです。
アイスルイボスティーは粗熱をとり、冷蔵庫で冷やすと香りが逃げずにおいしくいただけます。
水出しルイボスティーの淹れ方と効果
ルイボスティーは水出しで淹れることもできます。
その場合は、ポットに水とティーバッグを入れて3~4時間冷蔵庫で冷やし、好みの濃さになったらティーバッグを取り出していただきます。
火を使わず手軽ですが、煮だすことでルイボスティーに含まれるフラボノイドが溶け出すので、ルイボスティーの成分を効果的に摂りたい場合は煮出して作ることをおすすめします。
いつ飲むのが良い?
ノンカフェインですので、いつでも飲んでいただけます。
さっぱりした味ですので、お食事中、日中の水分補給、寝る前のリラックスタイムにもおすすめです。
ルイボスティーのアレンジ方法
ルイボスティーはミルクを入れても美味しいです。
また、よく冷やしたルイボスティーにレモンの輪切りをのせたり、炭酸で割って、食後やお風呂上りに飲むと体をすっきりとさせてくれます。
ルイボスティーの副作用
ルイボスティーを飲むことによって、副作用が起きるということは基本的にないとされています。
ただし、ミネラルを多く含んでいるので、飲み過ぎるとトイレが近くなったり、お腹がゆるくなることがあります。
1日に約5杯(約1リットル)が適量とされています。
ノンカフェインなので、妊娠中の方やお子さまも安心して飲むことができます。
ただし、臨月に入ってからのポリフェノールの過剰摂取は、赤ちゃんに動脈管早期収縮という異常を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。
適量を心がけましょう。
まとめ
ルイボスティーは、「不老長寿のお茶」「奇跡のお茶」と呼ばれ、ポリフェノールやミネラルなど優れた栄養素が豊富で、美と健康を保つサポートをしてくれる健康茶として人気です。
ノンカフェインなので妊娠中の方やお子さんも安心してお飲みいただけます。
毎日を健康で若々しく過ごすために、ルイボスティーを取り入れてみてください♪