生姜パウダーの効能とは?自家製パウダーの作り方やおすすめレシピも。

生姜を乾燥させ粉末状にした生姜パウダーは、すり下ろしたりカットしたりする手間がなく料理や飲み物にサッと振りかけるだけで手軽に生姜の成分が摂取できるのが魅力です。

そこで気になるのが、果たして生姜パウダーは生の生姜と栄養成分は変わらないのでしょうか?

ここでは、生姜パウダーと生の生姜との栄養の違いや、生姜パウダーの効能自家製生姜パウダーの作り方おすすめレシピをご紹介します。

生姜パウダーとは?

生姜パウダーとは、生姜を乾燥させて粉砕し粉末状にしたものです。
生の生姜は約9割が水分です。しっかり乾燥させることで、生姜に含まれる栄養成分と風味がぎゅっと凝縮されます。
パウダー状なので、サッと料理や飲み物に振りかけたり、混ぜたりするだけで手軽に使え、料理の時短にもなり便利な食材です。


生姜パウダーと生の生姜では栄養が違う?

生姜パウダーは、生の生姜を乾燥させて粉末にしたものなので、基本的な栄養素はほぼ変わりません。
しかし、生姜の辛味成分である「ジンゲロール」は、加熱することにより「ショウガオール」という成分に変化します。ショウガオールは、抗酸化作用や抗炎症作用を持つとされ、また、体を温める働きがあり、免疫や代謝の向上に役立つと言われています。
ショウガオールは加熱乾燥させることで含有量が増加します。加熱時間が長いほど増え、冷めるとまた減ってしまいます。
加熱させ冷まさずに作られる生姜パウダーには、生のしょうがには含まれないショウガオールが豊富に含まれています。


生姜パウダーの栄養と効能

生姜パウダーには、ジンゲロールやショウガオール、カリウムやカルシウムなどのミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。
生姜パウダーの優れた効能をみてみましょう。


冷え性改善

生の生姜に含まれている「ジンゲロール」という辛味成分には、体の表面を温めて汗を出すことで、体温を下げる働きがあります。
乾燥させた生姜や加熱した生姜には、「ショウガオール」が加わり、体を内側から温める効果が期待できるとされています。
体を芯から温めたい場合には、生の生姜より生姜パウダーの方が有効だといえます。


脂肪燃焼・ダイエット効果

生姜パウダーに含まれるショウガオールには、血管を拡げ血流を良くする働きがあります。それにより、末端まで血液が行き渡り細胞が活性化し、代謝が改善されるのでエネルギー消費が増え、脂肪を燃焼する効果が期待できます。
常に身体を温めるようにすることで基礎代謝が上がり、痩せやすい体質になり、ダイエット効果が期待できます。


★参考:名古屋女子大学 紀要49「高脂肪食飼育ラットの脂質代謝におよぼすショウガ粉末の影響」

免疫力向上

人は、体温が下がると免疫力も低下してしまいます。体温が1℃下がると、免疫力が30%以上も下がってしまうと言われています。
反対に、体温が上がると免疫力も上がるので、生姜パウダーの身体をぽかぽか温める効果は、免疫力のアップに役立ちます。


吐き気や頭痛の緩和

ショウガオールには、二日酔いや乗り物酔い、つわりなどの吐き気、頭痛を抑える働きがあると言われています。
吐き気や頭痛の原因は様々ですが、その症状には神経伝達物質のセロトニンが嘔吐中枢を刺激することによって起こるとされており、ショウガオールには抗セロトニン作用があるため、セロトニンの作用を抑制し、吐き気や頭痛を抑える効果があると言われています。また、身体が温まることにより、冷えからくる頭痛にも効果が期待できると言われています。


むくみ改善

むくみの要因はさまざまですが、冷えや血行不良はむくみの大きな要因と言われています。ショウガオールの血流を良くする働きにより、水分の循環がきちんと行われ、腎臓をはじめとする内臓の働きもよくなり、余分な水分がしっかり排出されるようになります。
また、生姜パウダーに含まれるカリウムにも、余分な水分や塩分を体外に排出する働きがあり、むくみを改善してくれる効果が期待できるとされています。


★参考:食品医学研究所「第48節 しょうが(生姜)を食べると”むくみ(浮腫)がとれる!」




生姜パウダーの代用品 おすすめ6選!

生姜パウダーを切らしてしまった時に家にあるもので代用したい!
そんな時に使えるおすすめの代用品をご紹介します。
風味付けや、肉や魚の臭み消しなど、用途によって代用できるものは変わりますので、チェックしてみましょう。


代用品①:おろし生姜

すりおろした生姜チューブは同じ生姜なので、生姜パウダーの代用品としては最適です。
同じく長期保存が可能なので、いざという時に重宝します。
ただし、チューブタイプの生姜は風味が弱いので、少し多めに入れてもいいかもしれません。


代用品②:紅生姜

紅生姜は、細く切った生姜を梅酢やシソ、調味料に漬け込んだもので、作る料理によっては代用が可能です。細かく切られて売られていることが多いのでそのまま使えるのも便利です。
色や味が変わってしまうので、色や味の濃い煮込み料理に使うのがおすすめです。


代用品③:ガリ

ガリは薄く切った生姜を甘酢に漬けて作られています。もとが生姜なので料理によっては代用できます。
甘味が強いので砂糖やみりんの量を調整して使用してください。


代用品④:生姜ドレッシング

生姜の効いたドレッシングは、合わせ調味料としてお肉の下味として漬けたり、仕上げにかけて使うこともできます。
色々な調味料やスパイスが入っているので、味付けをする手間も省けます。


代用品⑤:ニンニク

ニンニクは生姜と同じく消臭効果があり、肉料理などの臭み消しとして代用できます。
ただし、あまり入れすぎてしまうと味が変わってしまうので入れる量には気を付けてください。
口臭が気になる場合は、ガーリックパウダーがおすすめです。


代用品⑥:長ネギ

長ネギには硫化アリルという成分が含まれており、臭み消しに万能な野菜です。
青魚や鶏肉、豚肉などと煮込むと、魚や肉の独特の臭みを消してくれます。
臭み消してとして使用する場合、長ネギの青い部分だけが使われることが多いですが、白い部分も臭い消しとして使うことができます。


生姜パウダーの作り方

生姜パウダーは家でも作ることができます。
ここでは、電子レンジやオーブンを使って作る生姜パウダーを紹介します。


蒸し生姜パウダーの作り方

〈手順〉
1.生姜をきれいに洗い、皮付きのまま厚さ1㎜程度の薄切りにする
2.シリコンスチーマーに並べ、500wの電子レンジで6~7分加熱する
3.甘い香りがしてきたら取り出して、ざるや干し野菜ネットの上に生姜を重ならないように並べ、1日天日干しする
4.乾燥したらミキサーにかけてパウダー状にする
5.乾燥材と一緒に密閉容器に入れ冷蔵庫で保管する

加熱時間はしょうがの量やスチーマーの形状で変わるので、小刻みに加熱して様子をみましょう。


オーブンでの作り方

〈手順〉
1.生姜をきれいに洗い、皮付きのまま厚さ1㎜程度の薄切りにする
2.クッキングシートを敷いた天板に生姜を重ならないように並べ、100℃に予熱したオーブンで1時間加熱する
3.水分が抜けきったらミキサーにかけパウダー状にする
4.乾燥材と一緒に密閉容器に入れ冷蔵庫で保管する

加熱時間は目安ですので、オーブンの機種によって差が出る可能性があります。生姜の状態を見ながら加熱しましょう。 パリパリに乾燥していて、手で壊れるくらいなったら大丈夫です。
天日干しが必要ないので、天気の悪い日や湿度の高い日に作る場合におすすめです。


市販品がおすすめ!

生姜パウダーを作る上で非常に重要なのが、ショウガオールです。
ショウガオールは、熱により変化して出来上がる成分なのですが、この変化には長い時間が必要です。
ご家庭でショウガオールを最大限作る場合、加熱時間は3時間以上が望ましいと言われ、非常に時間のかかる作業となります。
ショウガオールをきちんと摂りたいなら、市販品を購入するのがおすすめです。


生姜パウダーのレシピ おかず編

豚の生姜焼き

・豚ロース薄切り 300g
・薄力粉 大さじ1
・生姜パウダー 小さじ2
・しょうゆ 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・酒 大さじ1

1.豚ロース薄切りに薄力粉を薄くまぶす
2.ボウルに生姜パウダー、しょうゆ、砂糖、酒を入れて混ぜ、たれを作る
3.熱したフライパンに油を引き、①を入れて両面をひっくり返しながら火が通るまで焼く
4.②のたれをフライパンに入れ、豚ロースに絡めながら焼く

ジューシーな豚の生姜焼きの出来上がり♪
お弁当のおかずにも!朝の忙しい時にとても助かる一品です。


味噌汁

1.お好みの味噌汁を作る
2.お椀によそったら、生姜パウダーを小さじ1/4~1/2を入れて混ぜる

いつもの味噌汁に入れるだけなのでとても手軽に体がぽかぽか温まる味噌汁が作れます。
熱々のうちにお召がりください。


生姜パウダーのレシピ 飲み物編

ジンジャーエール

・生姜パウダー 1g(小さじ1/5)
・はちみつ 大さじ2
・レモン果汁 15~20ml
・炭酸水 150~200ml

1.グラスに生姜パウダーとはちみつを入れ、少量の湯(大さじ1程)を加えてよく混ぜ、レモン果汁を加える
2.①のジンジャーシロップに炭酸水をそそぐ

ゆっくりとよく混ぜたら完成♪
お好みでスライスレモンやミントを添えてください。
お好みのフルーツジュースと合わせるのも美味しいです。
グレープフルーツやオレンジジュース、レモンジュースなどは特に相性が良いです。


♦辛口のジンジャーエールがお好みの方はこちら♦
1.小鍋に水150~200mlと、シナモン1本、スターアニス1個、鷹の爪1本、ブラックペッパー(ホール)5~8粒、クローブ5粒などお好みのスパイスと砂糖100gを加えて10分ほど煮詰め、生姜パウダーを小さじ1/2ほど加えてよく混ぜる

完成したジンジャーシロップに、炭酸水を注げば完成♪
大人味のジンジャーエールは、ウォッカを加えてモスコミュール、ジンを加えてジンバックなど、カクテルで楽しむのもおすすめです。
辛さやシロップの濃さを調整できるので、自分好みのカクテルが作れます。


★簡単、作り方:クラフト ジンジャーエール


ジンジャー白湯

・水 150ml
・生姜パウダー 大さじ1(お好みで調節)

1.水を沸騰させ、50℃くらいまで冷ましたら生姜パウダーを入れ混ぜる

朝と晩の空腹時に飲むのがポイント!
内臓を温め、胃腸の働きを活発にし消化吸収を促進、腸内環境を整えてくれる効果が期待できると言われています。
また、シナモンパウダーを入れるのもおすすめです。シナモンも体を温める働きがあるので、相乗効果で体がぽかぽかになりますよ♪
スパイスは溶けないので、混ぜながら温かいうちに飲みきりましょう。


チャイ

・生姜パウダー 20g(大さじ一杯半)
・シナモンスティック 半分(パウダーの場合 小さじ1/2)
・カルダモン 2粒 (パウダーの場合 小さじ1/2)
・クローブ 2粒(パウダーの場合 小さじ1/4)
・茶葉(アッサムなど) 10g
・水 250㎖
・牛乳 250㎖

1.鍋に水、茶葉、シナモンスティック、カルダモン、クローブをいれる(カルダモンは割って中身の種を取り出して皮ごと加える)
2.火にかけ湯気が立つまで温める
3.軽く沸騰したら弱火にして3分程煮だす
4.牛乳、生姜パウダーを加え、中火で温める
5.沸騰する直前に火を止め、茶こしで濾しながらカップに注ぐ

スパイス香る、風味豊かなチャイの完成です♪


生姜パウダーのレシピ お菓子編

ジンジャーパウンドケーキ

〈18㎝のパウンドケーキ型〉
・卵 2個
・無塩バター 100g
・黒糖(またはきび糖) 100g
★小麦粉 100g
★しょうがパウダー 大さじ1
★ベーキングパウダー 2.5g

1.★を合わせてふるっておく
2.耐熱ボウルにバターを入れラップをかけ、600wの電子レンジに約50秒かける
2.指がスッと入る程度に温まったら、砂糖を3回に分けて加え、白っぽくなるまでよく混ぜる
3.溶いた卵を少量ずつ10回程度に分けて入れ、その都度よくかき混ぜる
4.★を加え、切るように混ぜる
5.クッキングシートを敷いた型に ④を流し入れ、形を整える
6.170℃に予熱したオーブンで約40分焼く
7.途中、キツネ色になったらアルミホイルをかぶせ、焼き上がったら、すぐに型から外し粗熱を取る

スパイシーなパウンドケーキの出来上がりです♪
生姜パウダーの量はお好みで調整してください。
黒糖やきび砂糖を使うことでコクがでます。


ジンジャークッキー

・米粉 100g
・アーモンドパウダー 20g
・シナモンパウダー 小さじ1/2
・生姜パウダー 小さじ1/2
・ベーキングパウダー 2g
・卵 1個
・米油 30g
・きび砂糖 40g

1.米粉、アーモンドパウダー、シナモンパウダー、生姜パウダー、ベーキングパウダーを混ぜ合わせる
2.別のボウルで卵、米油、きび砂糖を混ぜ合わせる
3.②に①を数回に分けて入れ、混ぜ合わせる
4.まとまったら冷蔵庫で15分程おく
5.生地を均等に伸ばして好きな型で抜く
6.170℃に予熱したオーブンで10〜12分程焼く

米粉で作るサクサククッキーの出来上がり♪


生姜パウダーの一日の摂取量と副作用

生の生姜の1日の摂取目安量は、10g程と言われています。
生姜パウダーは、生の生姜に比べ栄養成分が凝縮されているので、1日1~2g程を目安に摂取するようにしてください。
一度にたくさん摂取するより、毎日継続することが大事です。

基本的に過剰摂取しなければほとんど副作用の心配はありません
ただし、稀に、生姜が体質に合わないという方もいます。
その場合、膨満感や便秘、動悸などが心配されます。


生姜パウダーをおすすめできない人

・胆石のある方
胆石がある状態で生姜を摂取すると、胆石症の症状が悪化するおそれがあります。生姜パウダーを使用する際はかかりつけの医師に相談された方がよいでしょう。

・抗凝固剤を使用している方
血栓の生成防止などに用いられる抗凝固剤と生姜を一緒に摂取すると、相互に影響を与え合うリスクが懸念されると言われています。脳塞栓症の予防などを目的に抗凝固剤を投与している方は、医師にご相談の上、使用をおすすめいたします。

・妊娠中の方
適量の生姜は、妊娠中の悪阻(つわり)改善に働きかけてくれると言われています。
ただし摂りすぎには注意が必要です。
調味料として適度に使用する分には問題はありません。


まとめ

生姜を乾燥させ粉末状にした生姜パウダーには、生姜の栄養素がぎゅっと凝縮されています。
特に、生の生姜には含まれないショウガオールの体をポカポカにする働きは、さまざまな体にいい効果をもたらしてくれます。
毎日の生活に取り入れて、健康維持に役立ててみましょう。


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