不老長寿の果物ドライいちじく(無花果)の栄養や効果、食べ方やレシピも。

プチプチとした食感に優しい甘みが特徴の「いちじく(無花果)」は、 「不老長寿の果物」と呼ばれるほど豊富な栄養素を含み、美容・健康効果が高いことから古くから愛されてきたフルーツです。

生で食べるのはもちろん美味しいですが、乾燥させたドライいちじくになると、栄養がぎゅっと凝縮され、食物繊維や鉄分は約6倍カルシウムは約7倍にもなります。

ここでは、ドライいちじくの栄養や効果・効能食べ方やおすすめのレシピなどをご紹介します。

いちじく(無花果)とは?

いちじくとは、クワ科イチジク属の植物で、アラビア半島が原産といわれています。
いちじくの中にある、白く柔らかいプツプツとした部分は果実のように見えますが、花です。花がないように見えるため、漢字で「無花果」と書きます。

いちじくは人類史最古の栽培果実と言われ、一番古い栽培の記録は、アラビア半島の南部の地域で紀元前2700年で、6000年以上も前から栽培されていたといわれています。
砂糖がまだ珍しい時代だった為、干したいちじくを甘味料として使用していたといわれています。
日本には1591年に天草に所縁のある神父が、ポルトガルから伝えたとされ、天草が日本のいちじく発祥の地とされています。

「不老長寿の果物」と呼ばれるほど栄養価が高く、いちじくを乾燥させたドライいちじくは、より栄養が豊富になり、旬が短いいちじくを手軽に摂ることができることでも重宝されています。


ドライいちじくと生いちじくの違い

いちじくの旬は夏の終わりから秋頃と短く、また一度収穫すると腐りやすく長期保存には向きません。その点、乾燥させることで保存ができ、ドライフルーツにすると栄養が豊富な種や皮も一緒に乾燥させるので、果物まるごと栄養たっぷりなまま一年中おいしくいただけます。

100gあたりのカロリーや他の栄養成分は以下のようになっています。

    生いちじく / ドライいちじく

・カロリー(kcal) 54 / 291
・タンパク質(g)  0.6 / 3.0
・食物繊維(g)  1.9 / 10.7
・鉄(mg)    0.3 / 1.7
・カリウム(mg)  170 / 840
・カルシウム(mg ) 26 / 190

参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)-厚生労働省」

イチジクの栄養と効果・効能

いちじくの栄養成分は、水溶性食物繊維のペクチンや、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル。また、女性ホルモンに似た働きをする植物性エストロゲン、たんぱく質を分解する酵素フィシン、ポリフェノールの一種であるアントシアニンなどが含まれています。
ドライフルーツにすることで、栄養が凝縮され、とくに、食物繊維や鉄分は約6倍、カルシウムは約7倍にもなります。
いちじくの効能をみてみましょう。


便通の改善

いちじくに含まれる食物繊維ペクチンには、水分のなくなった便をやわらかくして排便を促し、便通を良くするはたらきがあります。
また、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えるはたらきも期待できます。


更年期症状・生理痛の緩和

女性ホルモンと似たはたらきをする植物性エストロゲンは、いちじくのつぶつぶに多く含まれ、女性特有の月経前症候群(PMS)や生理痛の軽減、更年期障害を和らげる効果が期待されています。

参考:「新規植物由来エストロゲンの探索と更年期症状軽減効果の評価」KAKEN



高血圧の予防

いちじくにはカリウムが含まれていますが、特にドライいちじくには、豊富に含まれています。
カリウムには、体内のナトリウムの排泄を促し、血圧の上昇を抑えるはたらきがあり、高血圧を予防する効果があります。​

参考:「腎臓によるカリウム排泄のメカニズム」ウェルビーイング内科クリニック

白内障の予防

いちじくに含まれるアントシアニンには、強い抗酸化力があり、紫外線による酸化のダメージを受けやすい水晶体を紫外線ダメージから守ることによって、白内障を予防する効果があるとされています。

参考:「白内障とアントシアニン」わかさ生活

保湿効果

いちじくには、優れた保湿作用があり、皮膚の乾燥による肌荒れや皮膚の潤い、ツヤやハリなどの衰えを予防あるいは改善する効果があるとされています。

参考:「イチジク発酵抽出物及びその製造方法、並びにイチジク発酵抽出物を配合する化粧料」生命科学

生活習慣病の予防

いちじくに含まれるアントシアニンには、内蔵脂肪や血液中の脂肪の蓄積を抑え、また血糖値の上昇を抑えるはたらきがあり、メタボリックシンドローム「内臓脂肪症候群」をはじめ、生活習慣病の要因に働きかける効果的な成分とされています。

また、食物繊維ペクチンには、急激な血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病の予防に効果的とされています。

参考:「メタボリックシンドロームとアントシアニン」わかさ生活

花粉症の予防

アントシアニンには、花粉症の症状であるくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどをひきおこすヒスタミンを減少させる働きがあり、花粉症を予防する効果が期待されています。

参考:「花粉症とアントシアニン」わかさ生活


ドライいちじくの作り方

1.いちじくは水で洗い、キッチンペーパーなどで表面の水分を拭き取り、ヘタは切り落とす
2.いちじくを皮付きのまま、縦に4等分に切る
3.天板にクッキングシートを敷き、②を重ならないように並べる
4.100℃のオーブンで予熱せずに90分焼く
5.裏返してさらに30分焼き、水分が飛んだら完成

自宅で簡単に作れるドライいちじくです。
低温でじっくりゆっくり熱を加えることで、旨みがぎゅっと濃縮され、甘さが増します。

※オーブンの機種により火力や時間等が違いますので、調整しながら行ってください。


ドライいちじくの戻し方

1.ドライいちじくを熱湯に10秒程入れ、ザルにあげる
2.キッチンペーパーで水気を取る

ドライいちじくをパンやお菓子作りに使用する際は、乾燥したままだと、生地の水分を吸い取ってしまいパンがかたく焼き上がってしまうので、やわらかく戻すことをおすすめします。

他に、洋酒に漬ける、水に一晩浸す、などの方法もあります。


ドライいちじくの食べ方・レシピ

ドライいちじくは、パン生地に練りこんだり、ジャムや洋酒漬けにしてお菓子作りに応用することもできます。
また、ポテトサラダに合わせるなどいつもの料理に加えるだけで、まろやかな味わいにしてくれます。
ヨーグルトに入れると、ドライいちじくが柔らかくなり、ヨーグルトに甘みがつき美味しく食べられるおすすめの食べ方です。
ほかにも、おもてなし料理にも使える簡単レシピを紹介します。


いちじくジャム

・ドライいちじく 150g
・ラム酒 小さじ1

1.ドライいちじくを小さく切る
2.ボウルにドライいちじくがかぶるくらいの熱湯を入れて混ぜ、水気を切る(表面の油を取り水分を含みやすくします)
3.ボウルに②と、かぶるくらいの熱湯を入れ、5分置き水気を切る
4.鍋に③と、かぶるくらいの水を入れ、中火で混ぜながら水分がなくなるまで加熱する
5.弱火にし、ラム酒を加えてとろみがつくまで混ぜながら加熱しする

冷ましたら、保存瓶に入れ完成♪
残ったドライフルーツで簡単にできるジャムです。
少量のジャムが欲しい時にもぴったりです。

★いちじくジャムレシピ 詳しくはこちらから!


いちじくの洋酒漬け

・ドライいちじく 50g
・ドライアプリコット 50g
・ドライクランベリー 50g
・洋酒(ラムやブランデーなど) 200ml

1.大きなフルーツは小さめに切っておき、オイルコーティングされているドライフルーツはざるに広げて熱湯を回しかけ、キッチンペーパーでしっかりと水気を取る(水分が残っているとカビの原因になります)
2.箸で保存瓶の6~7分目までを目安にドライフルーツを入れる(直接ドライフルーツを触ってしまうとカビの原因になるので、手袋や箸を使いましょう)
3.ドライフルーツの表面がひたひたになるまで洋酒を注ぐ
4.瓶のフタを閉めて冷暗所で保存する

ドライフルーツが洋酒を吸うので、1週間は毎日確認し、フルーツの表面が出ないように洋酒をつぎ足してください。

ひと晩からでも使えますが、2週間以上漬けると、ドライフルーツが洋酒を吸ってふっくらと仕上がります。
1か月間ほど漬け込こむとまろやかになるので、さらにおいしくなりますよ。

パウンドケーキの生地やシュトーレンなど、お菓子作りやパン菓子などに加えると色鮮やかな見た目としっとり食感になり美味しくなります。

お好みのドライフルーツと洋酒で作ることができます。


ドライいちじくのクリームチーズ和え

・ドライいちじく 2個
・クリームチーズ 100g程度

1.ドライいちじくを1cmの角切りにする
2.クリームチーズと和える

クリームチーズの量はお好みで調整してください。
お子様のデザートやおもてなしのおしゃれな一品にも♪


ドライいちじくとヨーグルトのカナッペ

・ドライいちじく 2個
・プレーンヨーグルト 50g
・オリーブオイル 小さじ1
・生ハム 3~4枚
・粗びきブラックペッパー 適量
・ドライパセリ 適量
・フランスパン 4カット

1.ドライいちじくは細かく刻み、プレーンヨーグルトとオリーブオイルとよく混ぜ合わせる
2.フランスパンに生ハム、①をのせ、粗びきブラックペッパーをふり、パセリをふる
 
器に盛ったら完成♪
お酒がすすむ一品!
生ハムの代わりにスモークサーモンでもおいしいですよ。

ドライいちじくが水分を吸うので、ヨーグルトの水切りは必要ありません。


ドライいちじくの一日の摂取量・注意点

【一日の摂取量】
ドライいちじくは100gあたり291kcalと、低カロリーではないので、食べ過ぎには注意が必要です。
厚労省が定めるおやつの適量が、200kcal程度です。ドライいちじくは一個約70gとすると、5個程度になります。
しかし、いちじくは食物繊維が豊富なので食べ過ぎるとお腹を壊しやすくなるので、1日に2〜3個までにしておくのがおすすめです。
また、ダイエット中に食べるのであれば2個程度がよいでしょう。ドライいちじくはかなり腹持ちがよいので、1つ食べるだけでも満足感が得られます。

【アレルギー・注意点】
口腔でアレルギーを起こしやすい人は、口の中が痒くなったり、腫れたりすることがあります。
いちじくなどの果物へのアレルギーは、シラカバ科の花粉症患者にとくに多く見られるとされてるので、シラカバ科の花粉にアレルギーをもつ人は注意が必要です。


ドライいちじくの保存方法・賞味期限

【保存方法】
未開封の場合は、直射日光、高温多湿の場所を避けて保存してください。
開封後は、密閉できる容器に、脱酸素剤と一緒に入れ、冷蔵庫で保存してください。
野菜室は湿度が高く、カビが生える恐れがあるので保存には適していません。
冷凍庫保存は、細胞が壊れ食感が悪くなるので不向きです。

【賞味期限】
未開封で適切に保存されている場合、賞味期限が過ぎても食べることができます。
一度開封したドライフルーツは、賞味期限に関係なくなるべく早めに食べることをおすすめします。


まとめ

「不老長寿の果物」と呼ばれるほど栄養豊富なフルーツ「いちじく」は、乾燥させドライフルーツにすることでさらに栄養がギュッと凝縮され、いつでも手軽にいちじくの栄養を摂ることができます。
そのままおやつに、料理に加えて食卓に。毎日少しずつ取り入れて、健康維持に役立ててみましょう。


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