デーツ(なつめやし)とは?栄養や効果、種類、食べ方レシピも。
天然のスーパーフードと言われ、豊富な栄養素とミネラルを含み、美容や健康に良い食品としてアメリカやヨーロッパで人気の「デーツ」。
「なつめやし」とも呼ばれる「デーツ」は日本ではまだ認知度は低いですが、近年では、ドライフルーツとしてスーパーやドラッグストアなど多くの場所で目にするようになってきました。
見た目や名前が似ていることから、「なつめ(棗)」と間違えられるのですが、全くの別物です。
また、デーツは種類がたくさんあり、それぞれ違う甘みや食感が楽しめます。
ここでは、「なつめ」との違いや、デーツの種類と栄養・効果、食べ方レシピなどをご紹介します。
デーツ(なつめやし)とは?味は?
デーツとは、ナツメヤシの実のことで、ヤシ科の果物です。
ナツメに似ていることから日本では「なつめやし」と呼ばれています。
アラブ諸国や北アフリカまでの広い地域で古くから常食され、現在は主に中東諸国で生産されています。
灼熱の太陽と砂漠の過酷な環境で育つ生命力の強さから「生命の樹」と呼ばれ、乾燥したデーツは長時間経ってもその栄養素が失われないことから、遊牧民や砂漠に暮らす人々の貴重な栄養源でした。
また、エジプトの女王クレオパトラも愛したと言われており、その頃から美容によい食材として認知されていたのかもしれません。
デーツの味は、未熟だとりんごのようなサクッとした食感でほのかに甘く、熟すとトロッと柔らかくなって甘みが増します。酸味はありません。
日本で一般的に売られているのは、熟したデーツを乾燥させたドライフルーツです。
干し柿のようなねっとりとした食感で、自然のキャンディと呼ばれ、黒糖や餡子のような濃厚な甘さですが、他のドライフルーツより味にクセがなく食べやすいです。
デーツの栄養・効果
デーツには、食物繊維や、鉄・銅・カリウム・カルシウム・リン・亜鉛などの多くのミネラルが豊富に含まれています。
また、抗酸化作用のあるβカロテンも含まれており、エイジングケアに役立つと期待されています。
乾燥したデーツは長時間経っても栄養素が失われることはなく、長期保存に適した食材です。
食物繊維
デーツに含まれる食物繊維の8割は不溶性食物繊維です。
不溶性は、水分を吸収して便の容積を増やし便秘の改善に役立ちます。
また、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。
鉄
鉄は、血液中の赤血球を作るのに必要な栄養素です。十分な赤血球が作られ体の隅々まで酸素がいきわたることで、代謝の向上や疲労回復につながります。
成人女性の5人に1人は鉄欠乏のため、貧血予防のために積極的に摂取したい栄養素です。
銅
銅は、鉄分を必要な場所に運ぶ栄養素で貧血防止に役立ちます。
また、老化に関わる活性酸素を除去したり、骨を強くするのを助けたりする役割があります。
デーツは、ドライフルーツの中でもトップレベルの銅含有量であり、貧血予防や免疫力アップに嬉しい果物です。
カリウム
カリウムは、過剰摂取した塩分の排出を助けて、血圧上昇を抑え、動脈硬化を予防します。また、塩分量が正常になることで細胞の水分バランスが整うので、むくみ改善に役立ちます。
デーツには、バナナの1.5倍含まれています。
カルシウム
カルシウムは、体内に最も多く存在するミネラルです。
骨や歯を構成する成分で、年齢とともに体内で維持される量が減少します。骨粗しょう症予防のために積極的に摂取したい栄養素です。
また、細胞や筋肉の働きを助けるほか、神経興奮を抑制してイライラを落ち着かせる作用も期待できます。
リン
リンは、カルシウムやマグネシウムと同様に歯や骨を構成する成分です。
また、細胞膜やⅮNAなどの構成成分になるほか、血液の酸性とアルカリ性のバランスを調節したり、ビタミンB群と結合して糖質の代謝を促すことなど多岐に働く栄養素です。
亜鉛
亜鉛は、多くの臓器に必要な栄養素で、200種以上の酵素の構成要素となります。
新しい細胞を作り出す際に必要となるミネラルであるため、特に妊娠中の方はきちんと摂取することが推奨されています。
また、免疫細胞を活性化させる働きがあり、免疫力がアップします。
花粉症や喘息などアレルギーの抑制にも効果があると考えられています。
たんぱく質・ⅮNAの合成や、免疫機能・味覚の維持など多くの役割を持っている栄養素です。
βカロテン
βカロテンは、カロテノイドと呼ばれる色素の一種で、緑黄色野菜に多く含まれる成分です。
体内でビタミンAに変換されます。
抗酸化作用が強く、活性酸素を除去し発生を抑え、動脈硬化などのリスクを軽減する効果があります。
なつめ(棗)とデーツ(なつめやし)の違い
※上記写真は「なつめ」です。
「なつめやし」とも呼ばれる「デーツ」は、ドライにした時の見た目と名前が似ていることから、「なつめ(棗)」とよく間違えられます。
実際は、全く別ものです。
種類、原産国、味や食感など、デーツとナツメの違いを見てみましょう。
《なつめ(棗)》
〖種類〗 クロウメモドキ科 落葉高木
〖原産国〗 中国や西アジア
〖大きさ〗 一般的なもので2㎝程の卵型か楕円形
〖味や食感〗 生で食べるとリンゴのようなシャキッとした食感 甘みはほんのりでやや酸味がある
〖特徴的な効果効能〗 便通&腸内環境の改善 アレルギー反応を抑制 むくみの解消
なつめは、デーツのように無加工で食べるのではなく、甘露煮にしたり、乾燥させて生薬や料理に使用されることが多いです。
東洋の美女である楊貴妃も好んで食していたと言われています。
なつめの詳細はこちらから!
https://online.santarosa.jp/blog/srblog24/
《デーツ(なつめやし)》
〖種類〗 ヤシ科 雌雄異株の常緑高木
〖原産国〗 北アフリカから中東あたり
〖大きさ〗 直径2~3㎝、長さ3~7㎝の楕円形
〖味や食感〗 黒糖や餡子のように甘みがしっかりしており「天然のキャンディ」と称されるほど 食感は干し柿やドライプルーンなどに似ている
〖特徴的な効果効能〗 エイジングケアに効果的 ストレス対策 ダイエット効果
なつめと比べると、実は一回り大きく、砂漠や乾燥地帯でも育つことができるのが特徴です。
聖母マリアやクレオパトラも愛していたと言われています。
デーツがダイエットに効果的な理由
デーツは甘みが強いためダイエットには向かないように思われますが、実はダイエットの強い味方になる食品です。
理由① 栄養価が高いのにカロリーは控えめ
理由② 甘みが強いのにGI値が低く血糖値が急上昇しづらい
理由③ ダイエット効果がある栄養素を豊富に含む
デーツの種類と保存方法
デーツは、約400もの種類があります。
出回っていないマイナーな種も含めると1000種類を超えると言われています。
その中でも日本で出回っているのは10~15種類で、産地で大まかに分けると、中東産とアメリカ産に分けられます。
今回は、日本で手に入りやすい主な種類と産地別での特徴、適切な保存方法をご紹介します。
マジョール種
アメリカを中心に栽培。
「デーツの王様」と言われ、大粒で肉厚。
濃厚な甘さとまるで干し柿のようなねっとりとした食感が特徴の品種で、お菓子作りの甘味料やクッキー生地のつなぎとして使いやすいデーツです。
ピアロム種
イランで栽培。
最高品種といわれている品種。
後味が残らずスッキリとした上品な甘みで、ムチムチとしたグミを思わせる弾力のある食感が特徴。
味とともに香りも楽しめる上品な味わいです。
外側はかたい皮で守られているので水で洗うことも可能。
収穫量が少なく高価ですが、甘すぎるのが苦手な方にはおすすめです。
サイヤー種
イランを中心に栽培。
デーツの中では甘みが強い方で、黒糖のようなまろやかでコクがあり、噛めば噛むほど甘さが口の中に広がります。
外側の皮はかためで中はしっとりとした食感で、小粒で種がないのでそのままでも食べやすいです。
紅茶やコーヒーのおともにピッタリです!
流通量が多く、スーパーなどで気軽に購入することができます。
リグレットノア種
アメリカで栽培。
他の品種より比較的甘さ控えめなしっとりとした食感で、料理に最適です。
種抜きのものが多く、あっさりして食べやすいのでお酒のおつまみにも合います。
イラン産もありますが、アメリカ産よりドライで甘みが強いです。
ハース種
イランで栽培。
少しドライな感じで甘みもあっさり、後味もスッキリです。
小粒の一口サイズで、ちょこっと食べたいときにおすすめです。
ハラウィ種
アメリカで栽培。
「ハラウィ」とは、アラビア語で「甘い」という意味。
ほどよい甘さで、少し酸味も感じられる甘さと酸味とのバランスがよい品種で、クリーミーな食感です。
小ぶりで皮が薄く、お茶請けに合います。
中東産デーツ
イランなどの中東は乾燥しやすい気候なので、デーツの水分量が少ないのが特徴です。
その分、甘みが凝縮されているので、濃厚な味わいの品種が多いです。
アメリカ産デーツ
中東産よりも水分量が多く、ムチムチとした弾力のある噛みごたえです。
ふっくら、しっとりとした食感が特徴です。
デーツの保存方法
最適な保存方法は、冷蔵庫保存です。
乾燥材などと一緒にタッパーやジップロックなどで密封、密閉状態で保存してください。
ドライフルーツとはいえ、空気に触れているとそこから劣化が始まるので、空気に触れないようにしてください。
冷凍は、繊維が壊れ味がおちてしまうのでおすすめしません。
野菜室も湿度が高いので、ドライフルーツの保存には不向きです。
デーツの食べ方・レシピ
手軽なお茶請けとしてそのまま食べれるデーツですが、料理やお菓子の材料など、濃厚な甘みを活かし様々な食べ方ができる食材です。
簡単に作れるドライデーツの食べ方やレシピをご紹介します。
デーツの食べ方
・デーツを刻んでレーズンのように加えてパンや焼き菓子を作る
・デーツを刻んでヨーグルトと一緒に
・デーツを刻んでシリアルにプラス
・デーツをナッツなどと一緒に刻んでサラダの材料に
・生ハムで包んでおつまみに
・デーツに切れ目をいれチーズを挟む
・そのままドライフルーツで
デーツのレシピ① ドライカレー
・玉ねぎ 1個
・ピーマン 2個
・にんじん 1/2本
・デーツ 5粒
・豚ひき肉 200g
・トマトジュース(無塩) 190g
・砂糖 小さじ1
・塩 小さじ1/2
・カレー粉 大さじ2
・サラダ油 大さじ2
・コショウ 少々
1.玉ねぎ、ピーマン、にんじんをみじん切りにし デーツは細かく刻む
2.フライパンで玉ねぎを飴色になるまでよく炒める
3.ピーマンとにんじんを加えてさらに炒め、火が通ったら豚ひき肉を加えポロポロするまで炒める
4.トマトジュース、デーツ、砂糖、塩、カレー粉を加え、蓋をして弱火で煮込む
5.汁気が少し残るくらいまで煮込んだら火を止め、サラダ油を加えてよく混ぜる
6.塩とコショウで味を整える
デーツの甘みは、スパイスと相性抜群です!ドライカレーに加えると旨みがアップして本格的な味になりますよ。
デーツのレシピ② デーツとにんじんのラぺ
・デーツ 1個
・にんじん 2本
・酢 大さじ4
・オリーブオイル 大さじ2
・塩 少々
・コショウ 少々
1.にんじんは皮をむいてスライスすしデーツは細かく刻む
2.にんじんとデーツを合わせ、酢、オリーブオイルを加えてよく混ぜる
3.塩、コショウで味を整える
簡単にできるのにおしゃれに見えるラぺは、お弁当や常備菜として作り置きしておくと便利ですよ。
デーツのレシピ③ デーツとチーズのブルスケッタ
・デーツ 2個
・バゲット 適量
・バター 適量
・ゴルゴンゾーラチーズ 30g
・はちみつ お好みで
1.デーツは薄くスライスする
2.バゲットにバターを塗り、ゴルゴンゾーラチーズとデーツをのせトーストする
3.チーズが溶けだしたら取り出し、お好みではちみつをかける
カリっと香ばしく焼いたバゲットとねっとり甘いデーツは、おつまみにピッタリな一品です。
まとめ
天然のスーパーフード「デーツ」は、食物繊維やミネラル豊富な美容によい果物です。
そのままドライフルーツとして、甘さを活かしてお菓子におつまみにと様々な料理の材料に使えるのも魅力のひとつです。
気分に応じて種類を使い分けてみるのもいいですね!